「いい質問ですね」という上下感覚-たのしい教育の発想法、子ども達への言葉

 以前,アメリカで宇宙飛行士の講演を聞いた時、「That’s a good question/いい質問ですね」というフレーズが何度も出てきて気になったことがありました。
 気づいてみたら日本のテレビ番組などでも、そう語る人たちが増えてきていますね。


 この間、テレビで流れたある授業のワンシーンにもそのフレーズが出てきたので驚いてしまいました。

 質問に〈良い質問〉があるとしたら〈悪い質問〉や〈取るに足りない質問〉があるということでしょうか。

 私もいろいろなところで授業や講演などをしてきたのですけど、こちらはたくさんの人たちの前で話すことに慣れている上に、話の内容を整理して、ああでもないこうでもないと考えた上で臨んでいるのに対して、それを聞いた側は、そういう話の内容にはじめてそういう話を聞いて、よくわからないところとか、質問する側は勇気を出して、一生懸命考えながら話をしてくれます。

 授業でもまさにそうでしょう。

 語り慣れた教師と違って、子どもたちははじめてその話を聞いたり、もっとそれを知りたいということが聞いたり、意味がわからなくて聞いたりするわけです。

 がんばって手を上げて聞いてくれたその質問に、ある子の質問には「それはいい質問ですね」といい、別の子にはそういうことはを言わない・・・

 アメリカでの講演の話に戻りましょう、宇宙飛行士の次に宇宙工学の専門家が講演をしていました。宇宙ステーションの居住環境についてとても興味深い話をしてくれていて、面白く、講演後に手を上げて質問してみました。

 その時、彼は「Thanks for asking that./聞いてくれてありがとう」と言ってから詳しく話をしてくれました。
 あ~、気持ちいいいい方だな、私は〈いい質問ですね〉よりずっとこっちの方が好きだな、と感じて、日本にもどってから真似ることにしました。

 他にも「その質問は、先生も考えさせられるなぁ」とか「その気持ち、よくわかる」という様に伝える様にしていました。

 可能な方はご利用ください。

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たのしい体育〈空手の哲学と理論〉②-楽しい武道・楽しいスポーツ

 ※前後してUPされていた時間があります、この記事から先に読んだ方は一つ戻ってお読みください。空手には先手がない、では突き・蹴り・受け・気合いそれらを何のために学ぶのか、子ども達にどう語るのか?

 大会などに出て華々しい成果をあげたいという目標で空手を修行する人もいますから、それはそれで成り立つでしょう。また私の様に道場を開きたいという人にも学ぶ意義はあるでしょう。しかし実生活で何の意味があるのでしょう。
 健康増進、たしかに。
 でもそれを子ども達に伝えて学ぶ意欲が増すでしょうか?

 前回投げかけたのは「蹴りはこう、突きはこう」というような実際の動き・ノウハウとは違います、発想法、哲学の部分です。

 みなさんはどう考えたでしょう。

 空手の有段者として、武道の心得があるものとしての今の私に具体的に役立っているものは何か?

 「空手に先手なし」です。

 私は師の仲里周五郎(無形文化財保持者)から「喧嘩を買っても、買ったものを捨てよ」と言われていました、徹底的に「戦うな」です。

 ではこれだけ学んできたもの、その身体の動きはいつ使えばよいのでしょう?

 それは危機的な状況です。

 目の前で誰かが襲われそうになっているのを見て見ぬふりするのか?

 あり得ません。

 他にも危機的な状況はあるでしょう、その時にはじめて学んだ技を活かす。

 ではそういう機器的な状況がこれまで何度現れたのか?

 ゼロです。

 私は実生活で危機を突破するために空手の技を使ったことがありません。

 これだけ何十年にも渡って修行した技を実生活で使う機会がない・・・

 バレーボールをやっていたら年に一回くらいはヒーローになる機会があるのにね。

 実生活では使わないものを学び続ける意義は何か?

 このサイトにも時々アップしているのですけど、私は一人で山に入ることがあります。野営・キャンプする時なども、あれこれ心配せずゆっくり過ごすことができる、ということです。組手は素手の一対一の流れです。ただし練習では、相手が凶器を持っている想定、また複数の相手と対峙する時の練習も重ねてきました。練習とはいえとてもスリリングです。武道を修行している人たちを三人倒すというのは大変ですけど、普通の人たちを三人倒すというのは本気で空手を学ぶものにはそれほど難しくないと思います。

 万が一のことに対する構えがしっかりできていると、自由度が増えます。

 その自由度はつまり、いろいろなことを心配することが少なくなるということでもあります。

 そしてそのエキサイティングな練習は実にたのしい。
DNAの中に刻まれているハンティング的な心の動きなのかもしれません。
普通の暮らしの中でこういうワクワクドキドキ感は得られないでしょう。

 武道によって、たのしい、そして行動の自由度が増える、それは何らかの決断をすねるときにも大きく影響するでしょう。

 今の時代、日常で使うことのない武道を学ぶ大きな意義はそこにあるでしょう。

 それが武道の哲学です。

では武道の理論・空手の理論とは何か?

 相手が顔を殴ってきたらどう動けばよいのか、という話にもどりましょう。こちらの周りの状況、相手の身体の向き、飛んでくるパンチのスピードなどいろいろなファクターが関わるのですけど、基本は〈飛んでくる力を自分の身体以外の空間に流す〉ことです。空手の受けもサバキも基本はそこです。

 攻撃は千差万別でも基本は千差万別ではありません。

 生き方に哲学や理論がある様に、空手にも哲学や理論があります。

 その基本(理論)を学ぶことによって、実際の動き・ノウハウの部分もしっかりしていくでしょう。

 少々長くなってしまいました、とりあえずここまでにしておきます。

 

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たのしい体育〈空手の理論〉①-楽しい武道・楽しいスポーツ

 前回の〈ノウハウも大切、理論も大切〉にお便りが届いています。それにしても動画の作成が途絶えていて申し訳なく思います、パソコンがクラッシュ後、忙しさが増し、どうも動画作成の時間がうまくとれません。タイミングが整ったらまた動画に専念できると思います、お待ちください。
 動画作成とは逆に、このブログはおかげさまで毎日更新することができ、アクセス数も安定して伸びています。その分、読者のみなさんの興味関心の幅も広がり、たとえば今回書く「空手にも理論があるのですか」という話につながっているのでしょう。そういう中で「たのしい教育」と関わりがあると考える一部をこうやって紹介しています。

 さて、私いっきゅうは〈たのしい教育研究所〉を設立して全力投球するまで、ずっと琉球空手の修行を続けていました。師範免状をいただいているので、まずは琉球空手研究所から設立し、状況が整ってきたら琉球空手の真髄を子ども達向けに伝えたいという夢を持っています、興味ある方たちは少しご期待ください。

 ということで空手・武道に熟練している者として語っているとご理解ください。

「空手に先手なし」という言葉があります、では相手が突然顔面を殴って来たらどうしたらよいのでしょう。

 空手の〈受け〉はとても良くできていて、上手くなればなるほど小さな動きでそれを受け流すことができます。
 先手はなくても受けはありますす。

 私は学生の頃からずっと実践場面を想定して練習していたので、一方的に相手を倒して警察沙汰になった時は、向こうが先に殴ってきたというだけでは納得してもらえないことも多い上に、過剰防衛といわれると面倒なので、まずは顔面に殴られた跡をつくっておいてから倒すという想定で練習していました。なので〈受け〉を使わず、あえて攻撃を受け、それがさほどダメージにつながらない様な身体の流れです。

〈受け〉にしても、私の様にそういうノウハウ・身体の動きはとても大切でしょう。ただし、周りの人たちに殴られない様な状況にいる方がずっといい。

 闘わないに勝るものはない。

 ちょっと待ってください、では空手・武道は何の為に学ぶのでしょう?

 みなさんも考えてみませんか。

 

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ノウハウも大切、原理・哲学・発想法を大切に学ぶことも大切-楽しい教育の発想法

 最近の〈たのしい教育メールマガジン〉に書いた内容の反響が届いています、このサイトを読んでくれていめるまメルマガの読者の方も多いので、少し書かせていただきます。

 こういう時はどうしたらよいのか、というノウハウを学びたい人はたくさんいます。
 子どもたちがいうことを聞いてくれない、という先生から「立って歩いている子になんて言ったらよいですか」という様に。
 私は空手の指導者でもあるので「顔を殴ってきた時はどう受けたらよいですか」という様な質問をたくさん受けてきました。

 ノウハウつまり具体的な対応はとても大切です。

 ところがノウハウというのはある特定の状況で成り立つものがほとんどです。
「立って歩いている子になんて言ったらよいか」という時にも、その子の学年や、勉強が苦手なのかどうか、友達関係はどうかなどいろいろなファクターによって対応に差が出てきます。

 空手の技もそうです、逃げられる状況か、相手が力のある人なのか、防ぐものがあるかないかetc. いくつかのファクターで違いが出てきます。

 そういう時の具体的な対応・ノウハウを学びつつ、たとえば「子どものプライドを傷つけない様に声をかけることが大切です」という様な原理的なものを学ぶ方が応用範囲が広がるでしょう。

 原理的なものはとても大切です。

 最新号の〈たのしい教育メールマガジン〉の発想法の章にこうかきました。

 最近、学校関係の方から相談にのってほしいとたのまれ、いろいろな話をしてきました。巨大な壁を前に、何をどうしていけばよいのか打つ手が描けないとのことでした。確かに巨大な押し付けを前にすると個人としての打つ手はとても限られています。
 学校だけでなくいろいろな組織でも、もしかすると家庭でも〈抵抗できない強い力〉が存在することがあります。自分はそうではないと考える・そうしたくないと考える、けれど「こうしなさい」と押し付けてくる、そういう力です。
 その時、どうしたらよいのでしょう?

 こういうことはノウハウでは解けないでしょう。

 哲学・発想法など原理的なものを学んでいく必要があります。

 巨大な力を前にした時・・・

 みなさんも考えてみませんか。

 そして教育に関わる原理的なものと、実際のたのしい授業の方法とを学びたいと思ったら、ぜひ〈たのしい教育メールマガジン〉を購読してみてください。読者が全国に広がっている人気のメルマガです。

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