絵本から広がる世界(たのしいブックレビュー)「あっ、ひっかかった」オリバー・ジェファーズ作・絵 青山南訳 (徳間書店)by Mie.

 学校でも、こども未来キャラバンでもとても喜ばれる絵本の一つに「あっ、ひっかかった」オリバー・ジェファーズ作・絵 青山南訳 (徳間書店)があります。

 その絵本をたのしんでくれた子どもたちのお母さんから最近、素敵なお便りをいただきました。

 休日に本部町の海洋博記念公園に行ったらしいのです。
 すると子どもが「あ、ひっかかったの絵本 だ! 」と木を指差したのだそうです。

 たしかに、似ていますね。

その子は「わた毛がひっかかったら何になるかな?」とか「◯◯投げたらどうだろう」という様に、絵本の世界から飛び出して自然の中でたくさんのことを感じ、想像を膨らませ、親子でたのしい話の花が咲いたとのことでした。

「一冊の絵本からうける子ども達の感性はすごいですね」と話していました。その感性を一緒にたのしめる大人がいることもとても素敵だと思います。

 絵本はこどもだけでなく大人のたのしさも広げてくれます。みなさんもぜひ近くの絵本を手にとってみませんか。

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カニとたわむるーたのしいアウトドア経験は本質的な学力(魅力ある学力)につながる

 沖縄の学力についての話、「小学生の学力テスト得点が全国的に平均レベルに達してから伸び悩んでいる状況をいかに突破するか?」という話をしたことがあります。テスト得点をどうするか、というより「こども達の本質的な力をどうのばしていくか」がカギです。具体的には全国でまだ取り組んでいない〈たのしさ〉へのシフトです。「学校に行くのがたのしい」「先生ともっとこういう勉強をしたい」そういう子どもを増やしていく、そうやって子どもたちの本質的な力が高まっていくことで時間はかかっても着実に沖縄県全体の〈力〉が高まっていきます。それはたとえば政府との交渉力とか、基地の問題をどうしていくかという大きな問題の解決にもつながるでしょう。

 という大きな話だけでなく、具体的にどうするかという方法論がセットなのが〈たのしい教育〉です。

 たとえば海に行った時、そこでたのしむ事のできる題材をこども達にどんどん伝えていくことです、そのためにもまず大人がたのしむことです。

 これは以前撮った写真です。

 足を海の中に入れて食べ物を波にのせ、しばらく静かにしていると〈カニ〉がやってきました、30分くらい待つ気持ちがあれば必ずなにか生き物たちと会うことができます。

 アウトドア用のナベにすくってみましょう。
 みているとカニを中心に波打っているのがわかります。

 この波の模様(波紋)は、カニの口から発生していることがわかります。

 カニはエラ呼吸なので、水を取り入れて吐き出しているのでしょう。

 そうか、陸上でカニがアワをぶくぶく吹いていることがあるけれど、それはつまり呼吸しようとがんばっているということなんだろう。特別なことではなく常日頃から口から水を吐き出しているわけだ。

 ところで食事中にはこの波紋は立たないのでしょうか、どう思いますか?

 食べ物を前に置いてみましょう。

 ハサミをのばしてパッととり、食べ始めました。
 食べながらも波紋は続いています。
 私たちも食事しながら呼吸もしますから、わかってしまうとそれはそうだということなのですけど、こういうことも予想チャレンジしなくてはハッキリしません。


 この波紋、吸い込んだ水を口から出しているのはわかるのですけど、水鉄砲の様にシューッと出しているわけではありません。

 プップッというように断続的に出している様にみえます。

 15分くらい観察していたので、そろそろ自然の中にかえしてあげることにしました。

 こういう時間を、〈たの研〉の先生たちはとてもたのしんでくれました。中には「はじめてカニに触りました」という人もいました。

 大人がこうやってたのしめる教材を少しずつ増やしていく、そのたのしさは子どもにかなりの確率で伝わります。

 準備された答えを知ることを超えて、たとえばこの様に、出会ったカニと戯れながらいろいろなことを学んでいく先生たち、大人、そしてこども達が育っていく。そういう姿がいろいろなところでみられるように、たのしい教育研究所は今年度も元気にたのしく活動していきたいと考えています。

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板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表)「創造より模倣の方が難しい」/たのしい教育の発想法

 久しぶりに〈たのしい教育メールマガジン〉から抜粋して紹介します、板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表)が語った「模倣と創造」についての発想法を「創造より模倣が難しい」と題して保健授業作りセミナー1998.8で語ったものから再編集しました。メルマガで人気の発想法の

板倉聖宣

「日本人は創造性がない」などといわれます。
 それを聞くと普通の人は

「そうだよな、模倣性ばかりだよな」

と思ったりしますが、実は日本人は全体として模倣性がないのです。
 もちろん〈歴史的に模倣性があった人たちがいた〉というのは事実です。
 たとえば聖徳太子の時代「中国の文化を徹底的にマネよう」と思った人たちと、それに反対する人たちとの間でいろいろな争いがあったことは有名なことです。
 江戸時代末から明治時代にかけては「西洋の文化を全面的に学ぼう」という人たちがいて、それに強い抵抗があったのもよく知られた事実です。
 そうした抵抗に負けず全面的に模倣を進めたことは日本人が成し得たのは、最も創造的な仕事でもあります。
 しかしそれらは日本の歴史の中で特異なことだったのです。
 日本人は今でも創造性がないのは〈徹底した模倣性〉がないからだと私は思っています。

 私は四十年近く、板倉聖宣の発想法や仮説実験授業を真似尽くすほど真似るという勢いで学んで来ました。そういう中でオリジナルの教材もたくさん作ることができました。「真似尽くす」という勢いがあったからここまでこれたと思います。真似尽くすより、自分のオリジナルを出していくことの方が楽だということも、これだけ真似してきたからこそしみじみ感じることができます。

 仮説実験授業より長く学んできた琉球空手も〈先人の技を真似してきた伝統の塊〉だといえるでしょう、それもそろそろ看板を掲げなくてはいけない時期に来ています。真似し尽くして自分の形となりはじめる、今年はそれを意識した年になりそうです。

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自由研究中〈クチナシの花〉

 以前〈クチナシ〉の名前の由来について納得できないことを書いたけれど、この頃は山歩きをしているとクチナシの話をたくさん目にします。

 琉球の古い言葉で〈カジマヤー/風車〉と呼ばれ、飛行機のプロペラのような幾何学的な美と構造的なたくましさと感じさせてくれる花です。


 最近「沖縄で一番、花がたくさん咲くクチナシではないか」と思える木に出会い、しばらく眺めていました、巨大な木ではなく普通のサイズの桜の木くらいの大きさなのに、一本の木に軽く1000を超えるくらいの花が咲いています。

 白い花と黄色い花とがあります、はじめは白い花で次第に黄色く色づいていきます。

 以前〈一重咲きであっても花びらが5~7枚というバリエーションがある〉ことを書いたのですけど、次の写真でも5枚と6枚のそれぞれの端があることがわかると想います、面白いですよね。

 ところでクチナシの実は食べ物の着色に使ったりする安全な染料になります、染料の研究はたの研の仲間と続けていたので、クチナシはその意味でも興味深い植物です。

 これはWEB上の植物図鑑に載っているクチナシの実です、感謝して掲載させていただきます。

http://www.jugemusha.com/jumoku-zz-kuchinasi.htm

 ところが、沖縄で私が出会うクチナシの花たちをしげしげと眺めても、こういう実がほとんど見えないのです、不思議なほどです。

 見つけたら撮ろうと思って探しても見つかりません。

 時期があるのだろうとタイミングをずらして観察しているのですけど、真っ黒になってついている実をほんの数粒見つけたことはあっても、枝に成るオレンジに輝く実はみつかません。少しオレンジ色に見える実も中はカラカラでタネが一粒あるだけで、染料に使える状態ではありません。

 これはどうしたことなのでしょう・・・

 謎は自由研究として引き継がれています。ご存知の方がいたらぜひ教えてくださいね。たのしいことがどんどん増えていく、たのしい教育の日々です。

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