親も教師も子どもへの〈問いかけ〉について考えよう= 問い&選択肢/たのしい教育メールマガジンから

 子どもたちへの問いかけ方について最新号のメールマガジン(有料版)に書いたところ、いくつもの反響が届きました。前半部をここで紹介させていただきます。
 具体的にどうしたらよいのかについては後半綴っているのですけど、前半部だけでも、自分の問い方を考え直すきっかけになると思います。

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親も教師も問いかけについて考えよう
問い&選択肢
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 先日RIDE(ライド:たのしい教育研究所)で卒業生のみなさんと交えて授業研究をする機会がありました。

 その中で「たのしい教育では〈問題は選択肢で聞くのが基本〉である」ことを実技を示しながら解説をしたので、今回はその話を書かせていただきます。
 教師だけでなく親にとっても重要な話になると思います。

 親や教師がよく使うフレーズに「なぜだと思う?」という問いかけ言葉があります。
 そういうオープンハンドでなげだす問いは相手の思考をゆさぶる有効なものだと思います。
 しかし〈これからあるテーマについて学んでいこう〉という場で、そういう問いかけが主を占めると事前に勉強してきた優等生や、たまたまその原理などを知っていた子ども達が中心になった授業やお話になってしまうキケンがあります。
 実際、授業研究の場で教壇に立った先生たちが提示している問題の多くは、私にとって〈何を聞きたいのか〉が分かりづらいことがたくさんありました。つまり普通の子ども達にとっても、どう答えて良いのかはっきりしない問いかけが多いということです。

 たとえば「魚の卵はどの様に成長していくと思いますか?」という問いかけをそのまま使った時について考えてみましょう。ちなみに教科書などは普通にこういう問いかけ方をしています。

 こういう問いかけに対して塾で学んだり教科書などで事前に予習した子どもは〈卵の中の形態的な変化〉を的確にイメージするでしょう。しかしこういう問いかけ方では
💫 水の中で成長する
💫 親に守られながら成長する
と答えたらよいのか
💫 水が冷たいと成長しなくて適度な温度になった時に成長を始める
という様に答えたらいいのか
💫 卵は丸いまま成長する
という考えを伝えたらよいのかと、いろいろなバリエーションが考えられます。

 つまり教師や親はどういうことを問題にして問いかけているのか、はっきりしないのです。

 子ども達はとても多様な事を考えていきます。
 それは親や教師が想定している枠を飛び出して考えることができる賢さ素晴しさを持っているからです。

 しかし多くの場合、教師や親は自分の意図したテーマに合致した答えを拾って話を続けていくことになりますから、親や教師が想定した枠の外側で考えていた子ども達は、次第に問いかけに対して簡単に答えなくなっていくことが予想されます。

 親や教師は〈子どもはその意図を把握しているであろう〉と考えている問いかけそのものが実は〈そうなっていないことが多い〉ということを認識しておく必要があります。

 では問いかけを長くしていけばよいのか?
 それもよいかもしれなせん。
 しかし問いを的確に把握した子はまどろっこしく感じ、よく分からないなという子にとっては、初めの問いからどんどん離れて混乱する危険もあります。
 その時に威力を発揮するものが〈選択肢〉です。-後半に続く-

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出前児童館で安全チャンバラ/竹刀の工夫

 ちゃんばらというのは男の子たちの遊びです。でも最近は男の子たちも、なかなかやらなくなった様な気がしています。

 剣道大会などはかなり活発になってきているようですから、そういう遊びがどんどん活発になっていったということかもしれません。

 そういえば野球というスポーツも、草野球も少なくなって地元の野球チームなどに所属する子ども達がほとんどですから、全体として子ども達の簡単な遊びは少なくなって正式な競技を学ぶ人たちがどんどん増えているのでしょう。

 さて、正式な剣道をやっている人たちからすると微笑ましい光景になるのでしょうけど、あえて「ちゃんばら」のスタイルにしてみると、けっこうたのしめます。

 不思議なものでスポーツに限らず、人間の文化というものは、それを初期の状態に戻すしてみると、とてもたのしめるものです。
 以前書いたかもしれませんが、サッカーも、そのはじまりの頃の状態にもどすと、とても楽しくなります。

 ただし、初期の状態はキケンを伴います。そのキケンを減らしていった歴史がスポーツの歴史ということができるかもしれません。いつかそういうスポーツの歴史的なものも書いてみたいと思っています、たのしみにしていてください。

 ちゃんばらも、そのままではけっこう危険です。
 ホウキの柄を持って打ち合ったりしたら、怪我をしてしまいます。

 そこで、怪我をしない様に工夫したものが〈安全ちゃんばら〉です。大人も子どももとてもたのしめます。女の子も男の子も変わりなく、とても盛り上がってくれました。
 これは大人と子どもが対戦している様子です。

 
 安全チャンバラの刀は市販されているのですけど、実は当たると結構イタイ思いをします。
 そこで研究所ではそれをさらに痛くない様に、当たっても安全にたのしめる様に工夫しています。

 どういう竹刀を使っているか、ご覧ください。


 100均の薄手のレジャーシートを軽く巻いて、ゴムテープで持ち手の部分を強くしてあります。

 当たっても痛くないので、みんなどんどん技を出せる様になってきました。
 盛り上がって、団体戦までたのしみました。

 家族でたのしんでみるのもいいですよ! たのしく毎日全力投球RIDE( ライド:たのしい教育研究所 )です。この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援票」が入ります☆いいね☆

子ども達の笑顔と賢さを育てればほとんどの問題は解決する/たのしい授業ワークショップ

 たのしい教育研究所で学び教師になった先生たちがたくさんいます。
 これは休日の研究所の様子。
 たのしい教育を学んでいる先生たちが集まっている時の一コマです。

 そういう場面で私がよく語るのがこの二つです。

1.子ども達の笑顔と賢さを広げることでほとんどの問題は解決に向かう

 

2.笑顔と賢さを広げるには願いだけではどうにもならない。その方法を身につけることがとても大切

 それが〈たのしい教育〉そのもので、子ども達だけでなく、教師や保護者の方達のたのしい豊かな暮らしにも繋がっていくのです。

 長い努力と時間が必要なわけではありません。たとえば明日の授業で試みてすぐに変化を確かめることができます。

 これは先日、その場で私が即席で作ってみた〈電磁石〉の実験の様子です。

磁石はクリップをくっつけますね

 では鉄クギはクリップをくっつけますか?
 やってみましょう。

 くっつきませんね。

 ではこの電線はクリップをくっつけるでしょうか?
 やってみてもつきませんね。

 すると電池はどうでしょう。
 電池でクリップがくっつくと思う人?
  ○人くらい
 ではくっつかないと思う人?
  ○人くらい

やってみましょう・・・
 くっつきませんね。

 雷が家の近くに落ちると鉄のスプーンなどが磁石になってしまうという話がありました。ほんとうのことです。そこである人は「電気と磁石はとても関係が深いのではないか〉と考えて、いろいろ実験をすすめました。

 クギに電線をぐるぐるまいて電気を流してみましょう⇨作成

 

 これをクリップに近づけると

 

  たくさんくっつきましたよ。
 オ~という声

 

 

Aさん 感動の声を上げつつ
 いっきゅう先生、電気を切ったらどうなりますか?

 

やってみましょう。
 電池を外す

持ち上がったたくさんのクリップがバラバラと下に落ちる

 

みんな さらに大きな歓声

 

この〈電気を流すと磁力が発生する〉という発見によって人間の社会はとても進歩しました。
たとえば港に行くと、自動車などを入れたコンテナを、この電磁石で持ち上げて船に運び、電気を切って磁力を無くし、また別な自動車を持ち上げるというシーンを見ることができると思います。

これから一緒に、この秘密を解いていきましょう!

 

 わたしが模擬授業としてみせたこの様子に感動して「いっきゅう先生、早く学校に行って、今の授業をやってみたいです」と話してくれた先生たちもいました。
 感動が魅力的な授業になるのです。
 理科でなくても「社会の発展」というテーマで、あるいは「説明文にしてみよう」ということで国語の授業で、あるいは家庭科の電気製品の内容など、いろいろな教科で利用できます。

 学校だけで成り立つのがたのしい教育ではありません。家庭でも挑戦できるものがたくさんあります。メルマガ(有料)で毎回紹介している教材を、家族で試すことができます。そして実感としてたのしさや賢さを確かめることができます。

 地道に着実にたのしい教育でたのしい人生を送る先生たち、保護者のみなさん、子どもたちを増やしていきたいと思っています。
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自由研究編 犬さんたちの見え方

 自由研究でネコさんたちの視力を書いてあと、いろいろな生き物たちの目のつくり、見え方が気になって調べたことがあります。ところで進化論の名著、ダーウィンの『種の起源』の中でも特に〈目の進化〉に関する話はおすすめです。

 たとえばミミズはモノが見えていると思いますか?
 土の中で、見える必要があるのでしょうか・・・
 そもそも暗くて見えないのかもしれません。
 では〈光〉を感じることができるでしょうか?

 学生時代のわたしは、ダーウィンのつづる言葉をドキドキしながら読み進めていきました。小学生では難しいかもしれません、でも興味のある人なら中学生から読むことができるのではないかと思います。

⇨種の起源(上) (光文社古典新訳文庫)

〈見え方〉〈視力〉というテーマはとてもたのしい自由研究のテーマになります。親子で一緒に調べて「これはおもしろい」とおもったところを大きな紙にまとめてみる。思い出に残る自由研究になると思いますよ。

 さて、犬さんたちの見え方について調べてみましょう。

 ネコさんたちより視力がよいとおもいますか?
 予想してみてください。

予想

ア.犬とネコの視力は同じくらい

イ.犬はネコよりとても視力がよい

ウ.犬は猫よりとても視力が弱い

エ.どちらとも言えない

お話 犬の視力

犬さん達もネコさん達の様にテレビを見たりします。


 では、どの様に目に映っているのでしょう。

 色の見え方は、やはり弱いようですよ。
 下の写真の左が犬の見え方、右は人間の色の見え方です。
 

 
これも左側の人間の見え方と比べたものです。


 以前書いた〈ネコの視力〉に掲げた写真と比べてくてください。

 じつは人間たちの身近で暮らしている犬と猫の目の見え方は、あまり違いがないと言って良いようです。

 犬やネコたちだけでなく、ほ乳類の多くは2原色型で、青と黄色を中心に世界を見ているようです。
 人間を含むサルの仲間は、ほ乳類の中でも特別な見方をしていてで、3原色(赤青黄)で世界を見ています。

 ところが昆虫たちは人間たちより多く、4原色でものを見ているといいます。

 見え方ひとつ調べてみても、そこにはどんどん広がる世界がまっています。興味のある人たちは、自分たちで調べてみるといいですね。
 今日はここまでにしておきましょう。

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