植物と季節② 初夏の花々

 前回の植物が季節を感じる仕組みに感動した中学生からメールが届きました。「いっきゅう先生から直接こういうことを学びたい」と記されていました。夏の自由研究の講座では、今度は〈宇宙〉をテーマにたのしく本格的な授業をしようと準備を初めています。
 またチャンスがあれば吉田松陰が開いた〈松下村塾〉の様に『未来塾』として少数の連続講座を開催することができるかもしれません。そのアイディアは、たのしい教育研究所の総会に向けたミーティングで役員の方から出された強い要請の一つで、あながち無理なことではありません。気長に待っていただければと思います。

 さて先日、野山を歩きました。

 あじさいの花がたくさん咲いていて、他にも意識的にいろいろな植物を育てていることがわかる場所でした。

 

 白いハイビスカスの花も咲いています。

 

 名前を知らない花たちもいろいろ咲いています。
 パイナップルの様な形の花から黄色い目が飛び出ている様なおもしろい形をしています。映画〈トトロ〉に〈真っ黒くろすけ〉が登場します。〈真っ赤のあかすけ〉そんな感じに思えて笑ってしまいました。

 植物に詳しいメンバーの小禄さんにたずねたところトーチジンジャーだろうということでした。ジンジャーというわけですから生姜の仲間ですね。

 これはキクイモ(菊芋)。径が20cmくらいある花です。
 根っこに芋状の塊ができて、食用にもなる様です。

 

 こういう桜色の花もありました。

 これも、あまり見ない花です。

 これはノボタンの種類コートダジュールでしょうか。花が虫にやられていますが、鮮やかな紫の輝きをはなっています。

 研究所でも花が開いています。

これはミニバラ。

ジュズダマは実ができています。

 植物たちは的確に季節を感じて花を開かせます。
 みなさんの周りではどういう花たちが咲いているでしょう。
 たのしい教育研究所にも、その花たちの写真を送っていただければ幸いです。

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植物と季節① 植物はどうやって季節を知るのか?

 たのしい教育研究所ではワークショップ〈花さんぽ〉や教材〈季節の植物カレンダー〉をはじめとして、植物を取り上げたコンテンツがたくさんあります。それは〈植物はとてもたのしめる対象〉だからです。
 研究所の在る沖縄では立春(新暦2/4頃)の前には〈梅〉が咲き、立春の後には〈桜〉が花を開きます。〈蕾見〉という贅沢なたのしみ方を筆頭に、野や山、公園や街路を歩けば、年中たのしみにことかきません。

梅の蕾見(つぼみみ)花見をたのしもう/冬の日だからアウト・ドアをたのしもう

 

 ところで私たち人間は季節を肌で感じることができます。しかし、肌で感じる季節の判断はあやしいところがあります。
 この五月初旬、肌寒い日が続くことがありました。
 肌寒さの感覚からすると二月、冬の様にも感じます。
 あるいは秋から冬に向かう十一月初旬の頃のようでもあります。

 人間はそれに至るまでの暑さ寒さの全体的な動きを脳に記憶していますから、今が秋から冬に向かう日々なのか、冬から春に向かう日々なのか間違うことはほとんどありません。

 それに加えて〈暦/こよみ〉という文明最大級のツールを使いこなしていますから、季節どころか、365日のうちのどの1日なのかまで特定することができます。

 植物にとって季節は、間違ってはいけない大切な判断になります。
 植物は花開く時期を間違うと、実をつけタネを育てることができません。つまり植物はそこで次の命をつなぐことができずに、そのまま滅びてしまうことになるのです。
 ですから〈どの季節に花をつけるか〉という判断は、植物にとってまさに命がけの判断なのです。

 ところが〈植物たち〉にはカレンダーはありません。

 それでも冬には冬の、春には春の花が咲きます。

 植物たちはどうやって季節を知ると思いますか?

 

 季節の風を感じているのでしょうか。
 陽の光でしょうか。
 それともカレンダーの様に1日1日を身体の中に刻みつけて、それを元に季節を知るのでしょうか。

 他にもいろいろな方法があるかもしれません。
 みなさんの考えはどうですか?

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あなたの考え

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あなたの考え

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 科学者たちの研究から、その仕組みはかなりはっきりとわかる様になってきています。

 わたしたち人間を含めて動物は光を感じることができます。光を感じる部位を〈光受容体〉と呼びます。
 進化が生んだ最高傑作だと言われることもある〈目〉も光受容体です。

 

 目というシステムをもたない植物も、光を感じることは分かっていました。太陽の動きにしたがって身体の向きを変えていく植物もいますし、木々は太陽の光を吸収しやすいところに葉を広げます。ツルは光に向かって伸びていきます。

 つまり植物も〈光受容体〉があるのです。
 植物には光合成をする葉緑体の他に、光受容体があって、その光の強さや太陽の光がさす時間的な長さを感じとって、〈次第に陽のあたる時間が長くなってきた〉あるいは〈次第に陽のさす時間が短くなってきた〉という変化を判断して、花を開かせるタイミングを判断しているのです。

 科学者たちがさらに詳しく調べると、植物たちは〈赤色の光〉と〈青色の光〉を感じる光受容体が発達していることがわかりました。

 光というのは、もの(原子)ではなく、電磁波という〈波〉です。
 わたし達が赤色に見えている光はその〈波の揺れ巾が大きい〉もので、青(紫)色に見えている光は〈波の揺れ巾が小さい〉ものなのです。
 私たちの〈脳〉が電磁波の揺れ巾の差を、まさに〈目に見えるように〉してくれているのです。

 植物には〈目〉はありません。
 しかし植物たちは、人間の目では見えない様な〈赤より大きな電磁波:赤外線〉や〈紫よりも波が短い電磁波:紫外線〉までも的確にキャッチし分析していることがわかっています。

 植物たちは、単に〈日が長くなった〉とか〈短くなった〉という判断ではなく、その中の赤や青の光を確実にキャッチして時期(季節)を判断する仕組みを進化させてきているのです。
 同じ様な太陽の熱や気候でも、それが秋から冬に向かうのか冬から春に向かうのか間違うことなく蕾をつけ花を開くことができるのです。⇨ 詳しく知りたい人はこちら

 そうやって、私たちの周りで、初夏の季節を的確に判断して花開いてくれた植物たちを紹介しましょう。つづく
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楽しさ考② 楽しいから笑顔が生まれる

前回の続きです。わたしが初めて足を運んだ場所にあった言葉です。
予想はたてたでしょうか。

 

額に掲げられた言葉にはこう書かれていました。

 

老人で一ばん 楽しいことは

 年令(とし)のことなど 忘れて

 好きなことに没頭(ぼっとう)することである

                    新福尚武

新福尚武(しんふくなおたけ)は老人医療の専門家

 

 

 研究所の講座では年齢に関わらずたくさんの笑顔が生まれます。そしてそれはとても素敵な笑顔です。

 

 授業の中では、子どもの様な表情もたくさん見ることができます。

 

 そして〈もっとこういう勉強をしたい〉という感想が重なっていきます。

 遊ぶことはたのしいけど学ぶことはたのしくない、それは勘違いです。たのしく賢く笑顔になる、それはたのしい教育研究所が数々実証して来た事実です。

 〈好きなことに没頭すること〉が一番たのしいことなのか疑問も残りますが、少なくとも、好きなことに没頭することはとてもたのしいことです。そして遊びだけではなく、学ぶことが好きになって、それに没頭することができたら、どんなに楽しさが深く広くなっていくことでしょう。
 そういう人たちを少しずつ少しずつ増やしていきたいと思っています。

 6月24日(日)はたのしい教育Cafeで、そのたのしさをお伝えしたいと思います。希望する方はお気軽に申込ください➡︎ こちら

楽しさ考①-「楽しさ」には〈喜び〉〈嬉しさ〉〈ワクワク感〉〈心おどる感覚〉〈笑顔〉などいろいろな表現形がある

 わたしは教育のプロフェッショナルですが、たとえば星空を学ぶ時でも、何らかの特訓でも、ものづくりでも絵画でも、たのしさが根幹だと考えています。カウンセリングでも、個人的な趣味でも人間関係でも〈たのしさ〉がそれを支えているベースです。
 人間は本来的に〈楽しいこと〉が好きなのです。それは私たち人間のDNAに刻まれた、行動の指針、別な言葉で表現すると〈道しるべ〉に違いないと思います。

 〈たのしい〉という感情は〈うれしさ〉であったり〈喜び〉であったり、〈心おどる〉感覚や〈ワクワク〉する感覚であったりと、その表現形はいろいろあります。そしてそれが形として出てくるのが〈笑顔〉です。

 病気で苦しんでいる人を助けたい。苦しみを和らげたい、笑顔にしてあげたい。人間は「そうしなければいけない」と教わったからそうしているというより、自然な行動としてその方向に進むものです。そして苦しんでいる人が笑顔になると、自分も嬉しくて笑顔になります。

 かつて私たちの祖先は、食べるものが足りなくて空腹に苦しんでいる子ども、家族に食料を届けるために全力を尽くしました。その食べ物を前に、子どもたち・家族は思わず笑顔になりました。

 

 女性の家事洗濯は今でも重いものがありますが、かつてそれは重労働でした。今では当たり前の様に存在する〈洗濯機〉ですけど、それが普及していった時、その周りでどれだけたくさんの笑顔が生まれたことでしょう。

 〈楽しい〉というと何かしら軽い感じを受けるかもしれませんが、楽しさは人間の行動の指針、道しるべであるといっても過言ではありません。
 わたしは時々〈たのしさとは私たちのDNAに刻まれた標識である〉と話しますが、ここに書いた様なことを含めて、そう力強く語っているのです。

 ところで最近、ある組織の代表の方に研究所の活動についてお話をさせていただいた時のこと、大きな額に掲げられた言葉が目に入りました。
 そこには「老人で一番 楽しいことは」と書かれていました。

 みなさんはこの中にどういう言葉が入ると思いますか?

まず1段目青の四角の中はどうでしょう。

たとえば・・・

 お金のことなど忘れて?

 過去のことなど忘れて?

2段目、桜色の四角はどうでしょう。

 仲間と語らうこと?

 美味しく食べること?

もちろんこの二つから選ぶわけではなく、自由に考えてみてください。

 〈たのしさ考②〉に続きます。
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