たのしい教育研究所の教材大活躍 図書館は教育を楽しくするステージ

〈沖縄市の出前児童館〉や〈たのCafe〉でとりあげた教材が大活躍してくれている様子が、いろいろな方たちから伝えられて来ます。最近、ある方から「図書館に展示したところ大人気でした」という便りが届きました。

 これは日曜参観の図書館の様子とのこと。

 みんなが輪になって、たのしい教育Cafeで作成した教材を囲んでいます。

 これは親子でたのしんでいる様子です。

 

その真ん中にあるのは何か・・・

これです

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スライム時計

 

 スライム時計といっても、スライムが落ちていくまでの時間を元に何かを測定する人はほとんどいません。
 流れ落ちる様子を眺めてたのしんでいるのです。
  わたしも時々、眺めています。
 来週、沖縄市の〈出前児童館〉でも作成する予定です、興味のある方はお問い合わせください。

 

 ところでこの記事を読んで
「図書館は本を借りたり読んだりするところで、こういうことをする場所ではないのですか?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。

 わたし〈いっきゅう〉は司書をやりたいという希望もあったので大学で司書免許の単位を取得してきましたから門外漢ではありません。

 図書館では〈子ども達が本に興味をもってくれるためなら大抵のことはできる〉ということもありますけど、たとえば法律をたどると、もっと具体的に明記されています。

 〈学校図書館〉を司る法律が〈学校図書館法〉で、そこにはこうあります。

学校図書館法

(学校図書館の運営)

第四条 学校は、おおむね左の各号に掲げるような方法によつて、学校図書館を児童又は生徒及び教員の利用に供するものとする。
一 図書館資料を収集し、児童又は生徒及び教員の利用に供すること。
二 図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。
三 読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を行うこと。
四 図書館資料の利用その他学校図書館の利用に関し、児童又は生徒に対し指導を行うこと。
五 他の学校の学校図書館、図書館、博物館、公民館等と緊密に連絡し、及び協力すること。
2 学校図書館は、その目的を達成するのに支障のない限度において、一般公衆に利用させることができる。

 〈読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を行うことができる〉ではありません。〈これこれを行うこと〉と書かれているのですよ。

 

 学校の図書館ではなく一般の公共図書館では、こういうことはできないのでしょうか?
 公共図書館に関する法律は〈図書館法〉です。
 その第3条にはこうあります。〈学校図書館法〉より少し長いのですけど引用します。

図書館法

(図書館奉仕)
第三条 図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望にそい、更に学校教育を援助し得るように留意し、おおむね左の各号に掲げる事項の実施に努めなければならない。
一 郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード、フイルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視覚聴覚教育の資料その他必要な資料(以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。
二 図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。
三 図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるようにすること。
四 他の図書館、国立国会図書館、地方公共団体の議会に附置する図書室及び学校に附属する図書館又は図書室と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行うこと。
五 分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。
六 読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を主催し、及びその奨励を行うこと。
七 時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること。
八 学校、博物館、公民館、研究所等と緊密に連絡し、協力すること。

 

 図書館が今よりたのしい場所になっていくことは、教育をたのしく活性化させる、とても有効な方法の一つです。

 みなさんの周りの図書館はいかがですか?

 図書館の職員、先生に協力して、図書館をより魅力的なところにしていく方たちが増えていくとよいですね。要請していただければ、たのしい教育研究所が応援できることはたくさんあります。興味のある図書館関係の方はお問い合わせください。
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美ら島財団より〈伊波善勇先生〉の著書「沖縄植物図譜」の寄贈がありました/伊波善勇語録「植物の気持ちになって考えてごらん」

 かねてより伊波善勇先生の功績を讃え、善勇先生が残してくださった植物に関する知識と知恵とをいろいろな方たちに伝えたいと考えていたところ、海洋博記念公園、美ら海水族館等を管理する〈一般財団法人 沖縄美ら島財団〉から、たのしい教育研究所へ貴重な新本の著書の寄贈がありました。
 心より感謝し、いろいろな方たちが利用できる様に大切に使わせていただきたいと考えています。

 中を開くと、沖縄の〈牧野富太郎〉の名にふさわしい線画がたくさん入っています。

 あえて二人の描いた植物を載せてみましょう。

 上は伊波善勇先生のハイアワユキセンダングサ(沖縄植物図譜)、下は牧野富太郎が描いたセンダングサ(日本植物図鑑)です。

 閲覧したい方は遠慮なくお問い合わせください。

 図鑑を著す程、博識であった伊波善勇先生ですが、学者というより実践家であったというのが、私の印象です。
 この写真は研究所のメンバーが善勇先生から植物の水やりの仕方の手ほどきを受けているところです。
 どれくらいの範囲で、どれくらいの量かけるか、植物の気持ちになって考えるのだよと、土の湿り具合も確認ながらコーチしてくれました。

 水の量は〈土の状態〉でも変わるので、慣れないうちは触って確認するのが基本とのこと。そしてそういうことは「植物の気持ちになればわかるのだ」という話をしてくれました。

 水やりに続いて、移植のワークです。30cmくらいの背丈にそだったドングリを移植する場合を想定して教えていただきました。

 ドングリに限らず、皆さんは、30cmくらいの苗木を植えるとしたら、どれくらいの穴を掘りますか?

 善勇先生がスタッフの一人に「じゃあ、これで掘る穴の大きさを線で描いごらん」と棒をわたしたところです。
 その時にスタッフが描いた円の大きさは覚えていませんが、「それくらいでどうする」と叱られたことは覚えています。

 これは善勇先生が「これくらいは掘りなさい」とスコップで描いた円です。

 私がスコップで掘り始めたところ、善勇先生が
「きゆなくん、深さはどれくらい掘るつもりですか?」
と問いかけるので、立ち止まって考えて
「ドングリの背丈くらい掘ろうかと思います」
「まぁ、それくらいでいいでしょう。
でも上から見ていては深さがわからないから、こうやって棒をあてて、本当に自分が深く掘っているか確認しながら進めないといけないのだよ」
 そういう具体的なコーチをしてもらっているシーンです。
ちなみに「メモリがついたスコップだ売れるかもしれませんね」と言った私の話しはスルーされてしまいました。

 その時にもっとも強く心に残っているのは「植物は言葉で語ることができない。だから人間が植物の気持ちになって考えてあげることが基本です」という話でした。

 この話しは学校や家庭でも、役立つと思うのですが、いかがでしょうかいます。
 
 たのしい教育研究所はたのしい内容をいろいろな方達に伝える組織です。善勇先生に教えていただいたたくさんのことも、少しずつ紹介したいと思っています。
 ご期待ください。

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平和を創る② たのしい教育で考える平和教育

 前回は平和教育の話から〈大学アメフト部のタックル〉の話になって、どうなることかと考えてしまった人も出て来たかもしれません。一気に書き上げることもできるのですけど、読者の皆さんへのリサーチから「あまり長くならない方がよい」と判断し、特別な場合をのぞいて、長めの稿は回を分けて書く様に意識しています、
 といいつつ、書くことが大好きな私は、ついつい長くなってしまいがちです。ご了承ください。

 さて、今問題になっている〈アメフト部のタックル問題〉を皆さんはどう捉えているでしょう。

 わたしが周りの人たちに尋ねたところでは

・大人たちが見苦しい
・コーチが勝手に命じたのではないか
・加害者の大学生は立派だ
・なぜ理事長が出て謝罪しないのか

       etc.

いろいろな意見がありました。

web上ではもっと激しい言葉が飛び交っています。
「◯◯という人物は異常だ」
「反社会的な集団と関係がある」
「アメフト部がなくなるくらいでは済まない」etc.

 その問題の始まりに戻って、問題のタックルの場面を見てみましょう。
 アメフト部の誰が悪い悪くないという話にもっていくつもりはありませんから、あえて背番号などがわからないものにしています。画像が荒く見えていると思います、ご了承ください。

 パスを投げ終えて無防備になっていた敵側のクォーター・バック(青ユニフォーム)に、後ろから思い切りタックルしていることがわかります。

 わたしは四十年以上武道を学び続けています。ですから人間に加わるダメージ、危険度に関してはプロの一人です。その私の目で見て、このタックルはあまりにも危険な行為です。

 たとえば海を眺めながらのんびり疲れを癒している人を、後ろから丸太ほどある棍棒で思い切り殴ったらどうなるでしょう? 

 体格が人一倍大きく、頑丈に鍛えあげた人間が無防備になった人間を後ろから思い切りタックルするというのは、そういうことです。

 写真に戻りましょう。
 タックルは骨盤より少し低い位置に当たっているので、衝撃が相手の太ももあたりに流れていき、膝から砕け落ちた様な形になっていますが、もう少し上に当たっていたら〈半身不随〉になる可能性が十分あったと思います。

 「コンカッション」という映画があります。アメフトの試合で脳障害で死亡した選手をめぐって今も裁判が進行している実話をテーマにしたものです。
 アメフトの試合中に首の骨を折って死亡した選手もいます。
 脳髄損傷で四肢麻痺になった選手もいます。
 アメフトに限らず、打撃系の技を追求している人たちが繰り出す衝撃度は素人の想像を超えたものがあるのです。

 だからこそルールの中で堂々と力をぶつけ合うことが必須なのです。

 この行為を〈反則タックル〉と称しているのが不思議でなりません。反則とか反則でないとかいうものではないのです。犯罪です。
 例えば空手の試合中、道着の乱れを審判に指摘されて、正座で相手に背を向けて整えることがあります。その時、後ろから脊髄に蹴りを入れたら、これは反則反則ではないというものを超えた犯罪なのです。

 武道家としてのわたしではなく、教育のプロとしての私は、もう一方の重要な側面が気になります。
 教育という営みの中で、わたしたちは〈誰かに命じられたらそういう恐ろしい行為をしてしまう〉〈命じられていると感じたら、相手を半身不随にしてしまう危険のある行為でもしてしまう〉人たちを育てあげてはいないか、そのことを教育者たち一人ひとりが問いかけなくてはいけないのではないかと考えるのです。

 実はそれが「戦争」を継続させる不気味なものの正体でもあるのではないか?

 そう思えてならないのです。

 私たち教育者は、もちろん子どもを育てていく親自身も「〈命じられたらやる〉〈命じられたと感じたらそうする〉という子ども達を育てることは恐ろしいことでもあるのだ」ということを感じなくてはいけないと思うのですが、どうでしょうか?

 そういう子どもを育ててしまった教育者、大人たちの責任というものを、この事件から感じ取ることができるかどうか、それが問われている様に思えるのです。

 平和というのものは願っていても実現することはありません。
 100人いれば100人とも平和が好きなのです。
 平和が好きなのに沖縄戦の様な惨劇を起こしてしまった、それが私たち人間です。過去をたどれば、そういう悲惨なことはたくさん数えることができます。
 たとえ「〈責任は俺がとるから相手を潰してしまえ〉と言われても理不尽なことには従わない」そういう子ども達をたくさん育てていく、それが強力な平和教育である、と思えてなりません。

 子どもが反抗して来た時、大人・教師の言うことに素直に従わなかった時、ついつい大人はカッと来てしまい、力関係で従わせようという気持ちになってしまうこともあるでしょう。
 けれど〈納得のいかないことには異議申し立てするというのは素晴らしいことでもある〉ということを感じて、誰がえらいえらくないということでなく、一対一の人間同士として対峙したい。

 異議申し立てすることは〈大きな成長の証〉であり、逆にそれがない子を心配しなくてはいけないのではないか。

 今回の事件では〈そういう状況に追い込んだ〉事実についても追及されなくてはいけません。また、加害者は罪を償って未来に向けて歩きだすチャンスが必要でしょう。真摯に謝罪して犯した罪を補うことで、被害者側も振り上げた手を下ろすことがあるということを学ぶのも大切なことです。
 しかしそれと同時に、言われたことをやる人間が大事だという価値観自体にも、一度立ち止まって考えておく必要があると思っています。

 73年前に戦争が終わり、平和憲法ができました。
 教育基本法の筆頭、第一条にも〈平和〉の文字は刻まれています。

第一条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

 教育は〈平和で民主的な国家及び社会の形成者を育成する〉のだと高らかに宣言されているのです。
 平和で民主的な社会は、たのしい社会を構成する大切な要素です。ですから〈たのしい教育〉も、その重要な一翼を握って進んでいます。
 日本各地が戦火にまみれ、一沖縄の地でさえわずか三ヶ月の間に20万人の命が消えた。沖縄でその悲惨な戦争が終わった六月。

 強引に平和と今回の異常なタックルとを結びつけた様に感じる方もいるかもしれませんが、そうではなく、日頃わたし自身が問いかけている見方・考え方です。
 〈平和を創る〉というのは高い位置にある理念などを構築するだけではなく、実は、こういう行動に問いかけていくことが大事なのではないか。それが〈真の平和教育〉につながるのではないか、そういうことを今回の事件から考えています。

 わたしたちが育てていく子ども達が平和で民主的な社会を生き生きと作りあげていって欲しい。親が教師がそのためにできることは何か?
 そういうことを、一人ひとりが真剣に考えてみる月にすることは大切なことだと思います。
 みなさんの意見を聞かせていただければ幸いです。
 たのしく賢い笑顔を育てる、それは平和な世の中を守り育てることと歩みを一つにしたものです。これからもたのしい教育に全力投球していきたいと考えています。
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たのしい教育Cafeスペシャル申込み快調!

                  たのしい教育研究所事務局より
 みなさんこんにちは。
 講座事務局よりお知らせいたします。
 〈たのしい教育Cafeスペシャル 6/24〉に向けていっきゅう先生はじめ、授業を担当する先生たちの準備も着々とすすんでいます。
 希望する方はぜひ早めに席を押さえてくださいね。

 

 月に一度Openしている〈たのしい教育Cafe:たのCafe〉は、学ぶたのしさと笑顔を広げる、教師・大人向けの人気プログラムです。今回は参加者の皆さんのご要望にお応えして〈日曜日〉に設定しました。 といっても〈たのCafe〉スタイルは同じですから、いつもの様に気軽な気持ちで参加してください。

 今回のテーマは〈普通学級の子どもも支援が必要な子どもも一緒にたのしく賢く笑顔になる授業〉、たのしい教育研究所のメンバー(教師)が中心となって、インクルーシブ教育を想定にした授業を実施します。たのしい教育に関心のある方ならどなたでも参加できます。はじめての皆さんも大歓迎です。今回は子どもと一緒の参加も可能(小学校中学年以上)です。人数がうまる前に早めにお申し込みください※子どものみの参加はできません

2018年6月24日(日) 
  09:00受付
  09:15開始 12:45まで 

参加費 1400円 ※メルマガ会員の方は1200円
      ・子ども700円《教材費は同じ》

教材費 300円(大人子ども同じ )

会場 うるま市ゆらてく研修室

※研究所では飲物や軽食を取りながらたのしんでいますが、今回は場所の関係で飲食は難しい可能性があります

テーマ〈支援の必要な子もみんな一緒にたのしい教育〉

  ① たのしい授業プラン

  ② ゲームでたのしく仲良く

  ③生活科・理科でたのしむ「あしはなんぼん?」

  ④ みんなでたのしくものづくり

  ⑤たのしい読み語り  ほか

 

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