俳句をたのしもう② たのしい教育は国語・文学にも拡がる

 前回俳句を取り上げてみましたが、いかがでしたでしょうか。国語的な内容も十分〈たのしい教育研究所〉の範疇です。

 小林一茶の俳句に隠された謎を解こうというテーマでした。
 親子で挑戦してみました、というメールも届いています。
 この句に隠れている生き物は何でしょう?

昼からは ちと影もあり 雲の峰  小林一茶
 

 答えは

1.ヒル=蛭
2.カ=蚊
3.ハチ=蜂
4.トカゲ=蜥蜴
5.アリ=蟻
6.クモ=蜘蛛
7.ノミ=蚤

 です。

 こういう遊び心は子ども達がきっと興味を持ってくれることでしょう。それを〈たのしい〉と感じたら、この句を作った〈小林一茶〉への興味に繋げていくことが可能です。
 一茶の句で有名なものはいくつもあります。

痩蛙(やせがへる)まけるな一茶 是(これ)に有(あり)

我と来て遊べや親のない雀(すずめ)

 五七五という短い言葉の中に、季節を表現する言葉〈季語〉を織り込んで、感動を伝える俳句に、興味を深めてくれる人たちを増やしていきたいと思っています。たくさんの人たちの〈学ぶ笑顔〉を育てる活動に賛同してくださる方は、このリンクをクリックすることで活動を後押しできます

俳句をたのしむには

「子どもと仲良くなるために毎日読んでいます」「子どもだけでなく大人の私自身もたのしく賢くなっています」という嬉しい便りが届いています。ぜひ、周りの方たちにも購読をすすめていただけたら幸いです。一日一記事読むことで、子どもと会話するテーマが見つかると思います。また〈たのしい教育の哲学〉をに触れることで、より広く深く、子ども達とたのしく関わることができる様になると思います。〈たのしい教育〉の分野は科学的なものだけでなく文学や芸術にも拡がっています。今回は〈俳句〉をテーマに書いてみたいと思います。

 日本では古くから「和歌」と呼ばれる詩がありました。「和歌」とは基本的には〈短歌〉という五七五七七形式の歌が主体です。万葉集などでも有名ですし、百人一首の歌も〈和歌・短歌〉です。

 

「俳句」というのは、その和歌に比べると歴史が浅く、室町時代に起こった〈戯れ歌〉つまりお遊びとしての歌に源をたどります。

 そのお遊び的な俳句は江戸時代の〈松尾芭蕉〉という才能を得て、芸術の仲間入りを果たしました。
 たとえばこの句。

 何がしかの声・音を〈岩に染み入る〉と表現できた人間はこの広い宇宙の中で〈芭蕉〉ただ一人。…みごとです。
 芭蕉の数々の名句によって、俳句は和歌・短歌と肩を並べる様に紹介される様になりました。

 たとえば国語の指導要領にはこう併記されています。 ※下線はわたし

(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア易しい文語調の短歌や俳句を音読したり暗唱したりするなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。
     −−H29告示指導要領『国語」−−

 上の文面は小学校、中学校、高等学校のどの学校の指導要領に明記された内容だと思いますか?

 小学校の学習指導要領です。
 では、小学校何年生の内容でしょうか?

 三・四年生の内容です。
 つまり小学校三年生から短歌・俳句を学ぶことになっています。

 とはいえ、わたしがいろいろな先生たちに講義した経験で言えば〈短歌も俳句〉にも馴染みが少ないというのが事実です。特に沖縄では〈百人一首〉をたのしむ習慣も薄いですから、十分予想されることです。

 さて、俳句は〈戯れ歌〉から出発したと書きましたが、そこに俳句に親しむヒントもあります。
 俳句に親しむきっかけの1つとしてこういう俳句を上げてみるのはどうでしょうか。

 芭蕉と並び称される俳人〈小林一茶〉の句です。小林一茶は芭蕉と違って、遊び歌としての俳句の伝統を受け継いだ人物です。

      
昼からは ちと影もあり 雲の峰  小林一茶
 

 この俳句には7種類の動物の名前がかくされています。
 探してみませんか?

 答えは次回のおたのしみ! たくさんの人たちの〈学ぶ笑顔〉を育てる活動に賛同してくださる方は、このリンクをクリックすることで活動を後押しできます 

ニュートンのゆりかごでたのしむ/振り子の実験/運動量保存の法則

〈ニュートンのゆりかご〉と呼ばれている実験教材は振り子の実験や、運動量保存の法則などいろいろなたのしい学びかたができる優れものです。その紹介を最近のサイトでしたところ、興味を持ってくださる皆さんもいたことと併せて、研究所に来てくれる先生たちもとても興味深げでしたのでさらに紹介を加えたいと思います。

 

問題1)1個の重りを引っ張って離すとどういう動きをするでしょう。
 止まっている4個とぶつかりますね。
 ぶつかって、その後はどうなるでしょう?

 右の1個が4個と一緒にピタリと止まって、左端の1個が弾かれて動きます。

 左の弾かれた振り子が戻って来てピタリと止まり、右側の一個が弾かれて飛んでいきます。

 こういう動きを何度か繰り返して止まります。

では次の問題です。

〔問題2〕2個の重りをひっぱって離します。
止まっている3個にぶつかったあとはどうなるでしょう?

予想 止まっていた3個のおもりはどうなるでしょう?
ア.左の一個が飛んでいく
イ.左の二個が飛んでいく
ウ.左の三個が飛んでいく
エ.その他

 

どうしてそう思いましたか?

 

実験してみましょう。

左の二個を傾けて話すと…

左の二個が弾かれて飛んでいきます。
二個が左から戻ると、今度は右の二個が弾かれて飛んでいきます。

 

問題3)3個の重りを引っ張って離すとどういう動きをするでしょう?
 今までは止まっている方に、同じだけの重りがありましたが、今度はぶつかってくる重りの数の方が多いのです。残っていた二個は、そしてぶつかって来た3個はどの様に動くのでしょう。予想してみてください。

あなたの考え

 

 いろいろな方たちからの予想が届いてから続きを書きますね。
 予想を立てると賢くなります。
 どんどん予想を立ててみてくださいね。たくさんの人たちの〈学ぶ笑顔〉を育てる活動に賛同してくださる方は、このリンクをクリックすることで活動を後押しできます

 

科学や芸術をいやいや作った人はいない/仮説実験授業研究会代表 板倉聖宣

メルマガ最新号に紹介した〈科学や芸術をいやいや作った人はいない〉という話を少し書き抜いてみましょう。仮説実験授業研究会代表の板倉聖宣が1991年に広島で語ったもので、その内容は〈たのしい教育研究所〉の指針でもあります。

板倉聖宣、仮説実験授業研究会代表

 科学と芸術をいやいやながら作った人はいません。

 科学とか芸術とかいうものは、もともとたのしくできたものだからです。
 科学と芸術というものは全部たのしくやってきたものだから、全部たのしくできるはずなんです。

 今は、みんなたのしくやってないということがわかるでしょう。
 みんながたのしくやってたら、それを見ている人たちは自分もやりたくなりますよ。

西日本たのしい授業入門講座での講演から

 

 
 科学と芸術の話をしていますが、本来的に〈文化:人々が作り残して来たもの〉は総じて同じく、いやいや作ったものは無いのです。その発見や工夫をした人たちは、たのしくてやめられなかった。それだからどんどん発展していったのです。
 たのしい教育研究所は、教育の名のものとに行われるものならどういうものでも〈たのしく学ぶことができる〉と考え、その教材開発や、たのしく教育できる先生たちを育てる活動、子どものたのしい未来を応援できる大人たちを増やしていく活動など、いろいろな取組みをすすめています。
 興味関心のある皆さんは、ぜひこのサイトを隅々までお読みください。
 そしてそれらの活動に協力したいと感じた方は、ぜひボランティア参加ください。
 いろいろな分野の活動がありますので、直接お問い合わせください。たくさんの人たちの〈学ぶ笑顔〉を育てる活動に賛同してくださる方は、このリンクをクリックすることで活動の応援票が一票入ります