センス・オブ・ワンダー が 豊かに生きるカギの一つ

 たのしい教育研究所には毎日嬉しいメールが届きます。今日は、いつも研究所のサイトを丁寧に読んでくださっていることがわかるメールが届きました。親子でも見てくれている様です。

 メールの内容をいくつか紹介します。

たのしい教育研究所 いっきゅう先生へ

先日のトンボの写真、本当に美しい赤でした。
遠くにでかけなくても、身近にたくさんの美しいものがあるとあらためて気づきました。

先日、小豆の種を植えてみました。
まだ花は咲きませんが、何色が咲くのか予想をして、親子で楽しみにしています。

 

 サイトで紹介してい「おきなわ野山の花さんぽ」を購入して、写真を撮った際に調べるなど、活用出来たらと思っています。

 メールにもある様に、遠くに出かけなくても身近にたくさんの美しいものがあります。そして心動かされるものもたくさんあります。私がとても影響を受けたレイチェル・カーソンの〈センス・オブ・ワンダー〉 に描かれている様に、そのものたちを感じることができるセンス(感覚)を身につけていくことが人生を豊かにするカギです。

 先日、会議に向かう道すがら、川辺に車を止めて生き物たちを見ていました。

 そこでまさに今飛び立とうとしている綿毛たちを見つけました。
 そよ風くらいでも飛んで行きそうでわくわくしながら見ていました。

 子どもの頃なら自分の息で吹き飛ばしたことでしょう。
 今は自然のそのままの状態で飛んでいく姿を見たくてしばらくじっとしていました。

 残念ながらタイムアップで立つ時間、これがその時の写真です。

 こういうものにワクワクできる時間は貴重です。
 今度またチャンスを見つけようと思います。みなさんも〈たのしい教育〉を一緒に広げましょう➡︎ ここをクリックするだけです!

 

ロアルド・ダールの作品集 おすすめです

 ある方から〈ロアルド・ダール〉の紹介をした写真が送られて来ました。ダールは私が大好きな小説家です。

 

 学級担任をしていた頃、朝の会の後〈朝の連続小説〉の時間をとって毎朝子ども達に読み語りをしていました。

 私が読んだことの無い作品を選ぶので、読んでいる私が〈つまらない〉と感じる事もあります。それで途中でアンケートを取って、子ども達の〈つまらない評価〉がある数を超えたら、やめて、読みたい人は自分で読む、というシステムにしてありました。幸いそういう作品は少なかったのですけど、逆に「〈この著者の作品〉を選ぶとハズレがない」という様な作品もあります。

  その筆頭がロアルド・ダールでした。

 

 まずおすすめはこの三作です。もちろん最初のの写真の中にもあります。

「魔法のゆび」

「マチルダは小さな大天才」

「ぼくらは世界一の名コンビ」

 ダールの作品は少しの〈毒〉が含まれたものが多く、その毒がうまく効いて作品全体を盛り上げてくれます。※大人向けの小説は毒が効きすぎで苦手な人もいると思います
 まだ読んだことがない、という方はぜひ一度手にとってみませんか。みなさんも〈たのしい教育〉を一緒に広げませんか ➡︎ このリンクをクリック

 

文学より科学の方がずっと優しい 板倉聖宣(仮説実験授業研究会代表)が語ったこと

 板倉聖宣が「文学より科学の方が〈優しい〉」と語った文章を読んだ時、文学好きな私は疑問を感じたものですが、次第に〈それは確かに言えている〉という気持ちになりました。数学教育協議会で1973年に語った内容です。以前〈たのしい教育メールマガジン〉で紹介したものですけど、前半分をここにも掲載します。

 科学についていくつかの間題を出して考えていただきましたが、子どもたちの気持ち、子どもたちが教室ですわっているときどういう授業がたのしい授業になり得るか、ということを考えていただきたいと思います。
 もしいま、私がだした問題がうんとやさしい問題だったとします。みなさんの95%ができていて、5%だけができないような問題だったとするんです。すると、ほとんどの人たちができるわけですから、そういう授業はたのしい授業になるでしょうか?
 「他のヤツよりオレが上だ」と思うことが授業の楽しさであったとすれば、95%の人間にとって楽しい授業で、5%の人間にとってはたいくつな授業ということになりますが、実はそんなことにはなりません。

 仮説実験授業でとりあげる問題は、ほとんどすべてのみなさんが知らない、あやふやな説明しかできないという問題です。おそらく、ここにいるみなさんは大学を出ていると思うのですが、大学を出てもなおかつ知らない問題がけっこうあります。私たちは、そういう問題を小学校で教えるわけです。
 教師であるみなさんでもできないんだから、子どもたちにもできないのがあたり前です。

 そういう問題ですから〈優等生はできる〉ということはありません。優等生が他の子どもをだしぬくことができないのです。みんなができない、つまりみんな同ーの地盤にたっています。
 予習をしておいて、自分は知っているということを発表する授業でもありません。自分の頭で考える、自分の直感で考える授業です。

 

 それが正しいかどうかということについては、多数決でもきまりません。議論をして、議論で勝った方が正しいともかぎらない。これは精神衛生上たいへん良いことです(笑)。

 

 よく「科学というものは冷酷で文学は優しいものだ」というのですが、私にはそうは考えられません。文学よりも科学の方がずっと優しいのです。

 文学には文才が必要ですね、普通の人間では太刀打ちできません。
 科学の方は〈少数派〉であっても〈口下手〉であっても〈文章下手〉であってもよいのです。

 ポツリと真実をいえばいい(爆笑)。
 そして実験をすれば勝てるんです。

 

 客観的な、つまり多数決でも教師のいい分で決まる様なものでもなくて客観的に決まるような授業です。

 私は今ここで実験をするような形をとりましたが、ここで実験をしなくても「科学者が得たデータから、こういうことがわかっています」といってもかまわないのです。
 子どもたちが自分たちで実験できそうなことは、実験する。そして子どもたちが容易に実験できないことについては、「科学者の実験の結果、こうこうこういう様になりました」と説明してあげる。
 そういう時に科学者の結論を疑うようなことはほとんどありません。たとえば「水素原子には電子が1つあるんだよ」といったとき「あやしいなあー」とは思わないですね(笑)。
 こういうわけで、いわゆる実験ができない場合でも、たのしい授業が可能です。

 こういう授業のおもしろさというのは、「ああそうか」とわかっただけにとどまらず、そこで教わったことを利用して、また違う問題を解いていくことにあります。「ああそうか」とわかったあと、次に似た問題があると、たいがいできちゃう。
「ああそうか」で終わらないで「ああそうか、確かにオレはわかったな」というところまでいかないとおもしろくないのです。

 これがたのしい授業の構造です。

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たのしい昆虫入門 〈赤とんぼというトンボはいない〉 ナツアカネのみごとな赤

 昆虫は地球上で最も成功した生物種であるという話もあるほど、私たちの周りにはたくさんの種類とたくさんの数の昆虫がいます。今回は〈たのしい昆虫入門〉として〈トンボ〉を取り上げます。「夕焼け小焼けの赤とんぼ ♪」という動揺でも有名ですし、見たことがあるという人も多いでしょう。


 ところで「赤とんぼというトンボの種はいない」という事を知っていましたか?

 アカトンボとはどんなトンボでしょう。実はアカトンボという名前がついた種のトンボはいません。アカトンボというのは、あるよく似たグループ(分類学的には「属(ぞく)」というグループ)につけられた名前です。ただ、そのグループの名前も正しくはアカネ属といいます。最近はこれをアカトンボ属と呼ぼうという考えをもつ人もあります。

       サイト 神戸のトンボより

 

 赤トンボとは、体の赤いトンボまたはアカネ属に属するトンボの総称です。

 アカネ属はかつて「アカトンボ属」と呼ばれていたのですが、実はアカトンボ属の中でも体が赤くない種類もいるので、アカネ属に変更されました。

         サイト 自然の力 より

 

「〈アカトンボ属〉とかつて言われていた」という話や「最近ではアカトンボ属と呼ぼうと考えている人がいる」というように逆な内容を書いている人もいますが、いずれにしても〈アカトンボ属〉は一般に認められていない呼び方だと考えてよいでしょう。

 「赤いトンボ」のことをニックネーム的に〈あかとんぼ〉と呼んでいるわけです。

 さてある日、研究所から少しはなれたところを散歩していると、みごとな赤が目につきました。〈ナツアカネ〉です。


 まさにこれが〈あかとんぼ〉だと思える様な目の覚める様な赤です。沖縄県中部天願川の川沿いで見つけました。

 輝く様な美しさでした。みなさんも〈たのしい教育〉を一緒に広げませんか ➡︎ このリンクをクリック