自由研究のテーマにもおすすめ−オオゴマダラのさなぎ〈たのしい教育研究所 動物図鑑〉

 オオゴマダラをご存知でしょうか。日本最大級の蝶で、羽を広げる大人の手のひらほどの大きさになります。たのしい教育研究所の応援団の方から黄金色に輝く蛹(サナギ)が届きました。


 オオゴマダラ(大胡麻斑・学名 Idea leuconoe)は、チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科マダラチョウ亜科に分類されるチョウの一種。
 白黒のまだら模様が特徴的な大型のマダラチョウで、金色になることでも知られている。

 前翅長7cm前後、開長は13cmに及び、日本のチョウとしては最大級である。
 翅は白地に黒い放射状の筋と斑点がある。
 ゆっくりと羽ばたきフワフワと滑空するような飛び方をする。

wikipedia

 これが届いた蛹です。

 研究所の中に下げておきました。
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アンリ・ファーブルのすっかり分かりやすい略伝〈板倉聖宣 語る〉たのしい教育メールマガジンから

 今回も板倉聖宣の発想法をお届けします。毎週発行の〈たのしい教育メールマガジン〉は四本立てで、それぞれ充実した内容をお届けしていますが、今週発行の最新号に「板倉聖宣が語るアンリ・ファーブル略伝」を編集して載せたところ予想以上の高い評価が届いています。
 その多くが「すっきりまとまって分かりやすい」「これまで知らなかったファーブルの話だったので、また昆虫記を読みたくなった」という様なお礼のメールでした。

 紹介したのは、板倉聖宣が1992年に東京都杉並図書館で開催された「科学読み物研究会例会講演会」で語った内容からアンリ・ファーブルについて抽出して私が編集したものです。

 ここで、さらに手を加えて、前半部を紹介させて頂きます。

板倉聖宣

 私は、本を書く時は、それに関わる本を全部調べています。

 ファーブルを書く時には、ファーブルの本を全部買いました。

 ファーブルのことを書く時は大変なのです。
 まず、集めるのに時間がかかります。値段はたとえば10万円ぐらいですんでしまいますが、時間で計算すると100万円分ぐらいかかる。10万円の本を保存するのに、土地代と建物代と20万円かかるんです。しかし、そうしなければ書けないのです。

 ファーブルという人を〈昆虫学者〉と思っている人がいますけれども、彼は師範学校を出て小学校の先生の免許をとっています。その後資格を取って中学校の物理の先生になりました。
 ですからファーブルが一番初めに書いた科学啓蒙書は「空」とか「大地」とか「気象」とか、物理科学的なものが多かったのです。
 そういう中、ファーブルは「しょせん中学校の先生で、高等師範学校などを出た名門の人とは学歴が違う」とばかにされてしまいます。そこで、しゃくにさわって『新しい科学の時代の始まり』という本を書きました。それがけっこう売れて、それまでの自分の月給よりも印税の方がはるかに入るようになりました。正規の仕事よりも高い収入が入るわけですから、複雑な気持ちも出て来ますね。

 そんな時にある事件がおこりました。
 公会堂で植物の生殖、つまりオシベとかメシベの話をしたのです。その参加者の中には若い女性も入っていて〈若い女性の前で、そういう生殖の話をするとは何事だ〉とおばさんたちに怒鳴られてしまいます。

 その中に自分の下宿のおばさんも入っていて「お前たちすぐ出て行け」と言われてしまいました。
 という流れの中でファーブルは「ばかばかしい」と思って、学校の先生をやめてしまいます。(きゆな解説:ファーブル48歳の時です)

 月給が生きる全てだったら学校の先生はやめることができませんね。しかし原稿料の収入がたくさんありましたから、やめて、科学の教科書なんかを書くようになります。

 そのうちに悠々自適になり、今度は昆虫の研修に熱心になっていきました。

 彼の書いた初期の本は、後で書かれるものと全然雰囲気が違っているのですよ。『昆虫記』の頃のファーブルとは全然違うのです。
 はじめの頃のファーブルの本では、なにしろ〈昆虫は敵〉なのです。
 農民にとっては昆虫は敵ですね。日本の明治以来の教育でも戦前まで、昆虫教育をすごくやりました。蚕は味方ですけれど、ウンカとか何とか、昆虫は我々の生活に敵として現れます。
 ファーブルさんの本でも初めは昆虫は敵として現れるのです。
 初めの彼の昆虫の本にはこういう文章があります。
「ある時、子どもが丹精に植えた木が、朝起きた時には食いちぎられていた。
 犯人は誰だ・・・
 初めは人間だと思っていたが、実はそれが昆虫のネキリムシだった。
 ネキリムシはけしからん!」
 というようにしてネキリムシの研究を始めているのです。

 『昆虫記』の頃のファーブルはおじいちゃんになっていますから、何でも許してしまうということもありますし、生産に従事しなくなっているから虫は敵ではなくなってしまっているのです。

 『昆虫記』はどれくらい売れたと思いますか?

 実は売れなかったのです。

 

 なんと、ファーブルは餓死寸前までいったという衝撃的な話に続くのですけど、興味のある方はメルマガをお申込みください。

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たのしい教育研究所の一年

 たのしい教育研究所には、一年で忙しい波が何度も訪れますが、今のころは、NPOの総会を控えたとても忙しい日々です。
 総会は毎回とてもたのしく盛り上がります。そのメイン・イベントの一つに〈映像で観る たのしい教育研究所の一年〉があります。参加者がとてもたのしみにしている一つです。
 今回は、これまで担当してくたれR先生、S先生が転勤と重なったのでわたしが受け持つことにしました。
 「ある程度できたな」と思って、前年度までR先生やS先生の作成したものを観てビックリ・・・
「足元にも及ばない(・∀・; 」

 気持ちをあらたに作り直しているのですけど、どこまで近づけるのかな。

 写真はとにかくふんだんにあります。その中からいくつか抽出しているのですけど、〈東北から研究所に語らいに来てくれた方〉の写真を見ても、〈手乗りブーメラン〉の重さ変化による飛び方実験の写真を見ても、〈傘袋グライダー〉を作ってM先生と研究していたりしている写真を見ても、どれも何年も前のことの様に思えてしまいます。


 間違いではないかと、写真のタイムスタンプを確認してみても、間違いなく、すべてほんの数ヶ月前のことなのですね。

 そうやって作成しながらつくづく「たのしい教育研究所の一年は、これまでの自分の人生の4年分くらいあるのだな」と感じています。すると設立して5年になる研究所は20年くらいになるのですけど、実際、そういう感覚なのです。
 わたしは大学を卒業してすぐに教師として採用されました。いくつだったんだろう?  22歳として、それから教師を30年くらい経験して、のちフリーとなって、この研究所を設立しました。設立した5年前のことを思い起こすと、本当に20年くらい前の様な気がしてしまうのです。そうやって、教師となるまでの22年と、学校で教師をしていた30年と、研究所の20年を足して、72年間程の人生を経験して来た気持ちになってしまうのですけど、物理的な年齢はまだ五十歳半ば、ますます油の乗り切った今日この頃です。

 みなさんのお陰で、たのしく充実した取組みが続いています。このサイトを見て、できるところは真似をして、講座などがあれば足を運んでいただいて、応援してくださることを願っています。今後共よろしくお願い致します。1日一回の「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-〈人気ブログ〉いいねクリック⬅︎ジャンプ先のページでもワンクリックお願いします

どうして新しい本より古い本がおもしろいのか

 前回のたのしい教育メールマガジンで〈どうして新しい本より古い本がおもしろいのか〉ということをめぐって板倉聖宣が書いた内容を紹介したところ、いろいろな先生方から国語の時にそのお話を使わせていただきます、という頼りが届いています。

 板倉聖宣が〈少年少女科学名著全集〉の編集記で書いたものなのですけど、私自身が影響を受けたものでもあります。1964年といいますから、もう50年以上前です。しかし、今でもその見方考え方は色あせていないと思います。一部紹介しましょう。


 板倉聖宣の問題意識はこうです。

 ぼくははじめに書いたようなことが、ふしぎに思えるようになってきた。
「本や雑誌を書く人は、前に出た本や雑誌を参考にして、そのよいところはぜんぶとりいれることができるのだから、新しく出る本や雑誌の方がよいはずだ」一一ぼくはこう考えたのだが、どうもそうなっていないからである。

 そして

 いまではぼくにもこのからくりがだんだんとわかってきた。

 もともとよい本というものは、人の本をまねしたりして決してできないのだ。

 知識の切りうりをするような本なら、まねもできるが、読者に科学のすばらしさ、考えるよろこびを、わけあたえるような本は、そう簡単にはできないのだ。
 だから古い本でもよい本は大事にとっておかなければいけないとぼくは思うようになった。

と記しています。

 古くても貴重な本はたくさんあるのです。
  長い時の流れという強いふるいにかけられてなお残っている本たちというのは、たくさんの人の興味関心に耐えうるものなのです。古くても、自分自身が〈おもしろい〉と思った本があったら、子どもたちにも、どんどん紹介してあげてください。子ども達の興味関心もきっと高まってくると思います。

 明日(公開時点では今日)発行のメールマガジンでは35年前の絵本を紹介してあります。評価が高ければ、このサイトでも紹介したいと思います。1日一回の「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-〈人気ブログ〉いいねクリック⬅︎ジャンプ先のページでもワンクリックお願いします