溶ける量の たのしい不思議(1)

 この宇宙はすべて原子・分子の世界です。お砂糖も塩も水も空気も、原子・分子でてきています。科学の歴史は原子論の歴史であるということもできます。科学は、この世界が原子・分子の世界である、ということを発見し、その原子論の元でいろいろなことをイメージできる様になってから、どんどん発展していきました。最近わたしのところに「いっきゅう先生、科学が苦手で特に化学が意味不明で、高校の授業が苦痛です」というお話がありました。今日はその方を中心に化学が苦手で苦手で、という方達向けの、原子論を基にしたお話です。一般の方達にも読んでいただける内容になると思います。

 さて、ここにAB二つのコップがあって同じ量の水が入っています。Aのコップに砂糖をBのコップに塩を入れてかき混ぜます。同じ量の水なら、塩も砂糖も同じ量とけるのでしょうか? それともどちらかが多く溶ける、ということがあるのでしょうか?

たのしい原子論予想
 ア.塩がたくさん溶ける
 イ.砂糖がたくさん溶ける
 ウ.ほぼ同じくらい溶ける
 エ.ぴったり同じ量溶ける

どうしてそう予想しましたか?

 

==== 実験すると ====

簡単に家で実験できますから、やってみましょう。
砂糖がはるかにたくさん溶けます。たとえば25度くらいの水なら砂糖は塩の4倍くらい多く溶けます。
実は、物質が水にいくら(何グラム)溶けるかし正確にわかっています。

 表とグラフを見ていただきたいのですが、その前の予備知識として二つ。 
1) 砂糖を科学的には「ショ糖」と呼んでいます。砂糖というと「砂状の糖」という意味になりますから、ショ糖というのは科学的・化学的な成分を意味した言葉だと思ってください。
2) 塩は科学的には「塩化ナトリウム」といいます。書くと長いので「NaCl」という書き方をすることがよくあります。

 ではこの表とグラフを見てください。表にはいろいろな物質が書き込まれていましたが、砂糖・ショ糖と塩・塩化ナトリウム(NaCl)だけ切り取ってみました。少数第二位までで止まっていますが、詳しく書けばもっと長い数字になります。しかし、これくらいの数字でほぼ、他の物質との違いがわかるので、長くても第二位くらいでおさめている表が多いのです。 たのしい化学2 そのいろいろな物質が溶ける量をグラフにしたものが下です。砂糖・ショ糖は黒で、塩・塩化ナトリウム(NaCl)は青で描かれています。

たのしい化学 たとえば〈20度Cの水が100g〉あれば、砂糖・ショ糖は197.62g 溶けます。これが、アメリカではそうだけど日本では196gだなんていうことはありません。
 実は物質が水に溶ける量は〈気圧〉も影響するのですが、それはとても小さいので、一般に表にすることはありません。
 塩・塩化ナトリウム(NaCl)は35.83g溶けるのです。

 ここのxy二つの物質があります。
 xは砂状で、yは2-3mmくらいの四角い粒で、見た目が違います。
 その二つを40℃の水100グラムに入れて溶かしたところ、どちらも36.33g溶けました。すると、このxとyは同じ物質だといって間違いありません。しかも、上の表から、見た目の大きは違っていても、それは塩・塩化ナトリウム(NaCl)だと言って100パーセント間違いありません。

 それが科学です。
 実際に科学者たちは、目の前にある物質が何であるのかを特定するために、この溶解度をよく利用するのです。
 純粋な○○なのか、混ざり物があるのかも、この溶解度を調べればわかります。

 では、この性質を利用して、実際のテスト問題を解いてみましょう。(2)に続く。

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