ミツバチは野原まで行かなくても学校や公園などで普通に目にします。鋭い針があって刺されるけっこう痛いので、子ども達や先生たち、保護者の皆さんの中には〈怖い生き物だ〉というイメージをもった人も多いと思います。
学校では「喜友名先生、花だんで観察をしようと思って、子ども達と行ってみたらミツバチが何匹もいたので観察できませんでした」と相談にくる先生たちもいましたし「先生、ミツバチ退治してぇ」と訴えにくる子どもたちもいましたから、〈ミツバチ は 危険生物〉だと思っている人たちは何人もいるでしょう。
しかしアウトドア派としての長年の経験上からいうと、スズメバチと違ってミツバチは、こちらから刺激しなければ刺されることはありません。外国で攻撃性のあるミツバチがいる、という話は耳にしたことがありますが、日本でそういうミツバチの話は聞きません。
学校にいると外での作業も多く、草刈りをしているそばでミツバチが飛び回っている、ということも多々あります。それでも刺された経験は皆無です。これまで一度だけ刺されたことがあって、それは子どもの頃、両手で包む様にしてとろうとした時です。痛みも腫れもありましたけど、薬局の薬を塗ってからまたそのまま遊び回っていたのを覚えています。
ミツバチに刺されるのではないかと心配して質問にくる先生たちには
「ミツバチを払いのけようとして手を振り回すと、ミツバチ側には〈攻撃してきた〉という感覚で、もしかすると刺されてしまう可能性がありますけど、観察していたり、他の作業をしていたりする中で、ミツバチ側から攻撃をしかけてくるということは、経験上〈ほぼありません〉」
と答えるようにしています。
危険なハチはスズメバチです。スズメバチは大きさ的にもミツバチとかなり違いがあります。この写真の左、大きい方がスズメバチ、その右側で飛んでいるのがミツバチです。
スズメバチは大量に毒を注入するので、年間何十名という死亡者が出ています。ですから、スズメバチを見つけたら急ぎ、非難する必要があります。家の近くにいる場合は、強力な駆除スプレーも市販されていますから、それを利用した方がよいでしょう。学校でも、学年の始まりに、
ミツバチに刺されて死亡したという話はこれまで聞いたことがありませんが、毒は毒なので、アナフィラキシーショックとかいろいろ心配する人もいるかもしれません。インターネット上では〈ミツバチの方が大変だ〉というような書き込みもありますから、心配になる人もいるでしょう。
では実際にミツバチに刺されて死亡した人がいるのか、いろいろ調べてみました。結局、ミツバチに刺されて死亡したというしっかりとしたデータに行き着くことはできませんでした。
そういう中に「都会のスズメバチ」という詳しいサイトがあって、統計データなども載っているのですけど、それにはこうあります。
「ハチに刺されたことが原因で死亡した人の数は,厚生労働省の人口動態調査の結果で知ることができます(毎年9月に前年分の集計結果が公表されます).大部分がスズメバチによるものと考えられますが,一部アシナガバチ等によるものも含まれています」
このサイトからも、ミツバチに刺されて死んでしまう、ということは考えられないといってよいかと思いますが、詳しいデータをお持ちの方がいましたら、ぜひお知らせください。
子ども達へ伝える時にも、伝える側の心配が先にたってしまうと、〈とにかく屋外は危険なことばかりだ〉というように受け取られてしまうかもしれません。危険だ危険だ、ということを強調したいとしたら、ミツバチよりも〈蚊〉の心配をしないといけないかもしれません。何しろ蚊は「ウエストナイル熱 (ウエストナイル脳炎)・マラリア・デング熱・日本脳炎・チクングニヤ」など、いろいろな病原菌を伝染させる生き物ですから。
ですから、あまり心配ばかりすることの方が心配だ、ということもあるのです。
もしもミツバチに刺されてしまったら、ガムテープなどで針を取り除いてから水で流し、冷やすとともに、薬をつけましょう。かゆみ程度で済む人から、二日くらい痛みを感じる人まで、状況によって差があるでしょう。普通は市販の薬で対応可能ですが、気になる人は病院にいくとよいでしょう。
最近は研究所に行く前に公園などを散策して野草を見ていることが多いのですけど、横たわったり座ったりして花の写真を撮っていると、すぐ目の前にミツバチがやってくることもあります。
これはつい昨日、私の顔先20-30cmくらいで撮った動画です(読み込みに少し時間がかかるかもしれませんが、クリックすると飛翔の様子を見ることができます)。 こんな感じで、ごく普通に観察していれば安全に撮影することがでると思います。
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