上下逆転の面白さ@景色にみとれる

 先日の記事に感動した読者の方から写真が届きました、記事に触発されてしばらく見とれていたそうです。

 ほれぼれするような夕焼け空の写真です、右の影に見えているのはマンションでしょう。

 

 

 以前も書いたことがあるのですけど、こういう空をみていると、上下逆転して、まるで自分が空にいてずっと下に雲があるかのように見えてしまうことがあります。

 こんな感じ。空中から湖をみているようなイメージです。

 

 錯覚なのだけど、面白いので、しばらくそれをたのしんでしまうことがあります。

 駐車場に車を停めた瞬間、隣りの車が出ていって、まるで自分の車が突然動きだしたように感じることもあります。

 錯覚だと自分が認識できるといいのだけど、本当だと思うと困ったことになります。学校に勤めている時、ある先生が「滝に行った時幽霊がみえた」と言っていました、錯覚を真実だと思い込んでしまったためです。

 一つの授業になりそうです。

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本を楽しむ・本に親しむ@ファーブルさんが書いたのは昆虫記だけではない

 本を楽しむとか本に親しむというと、多くの人はその中身を味わうことをイメージするでしょう。

 確かにそれもあります。

 でもこういう親しみ方、楽しみ方もある。

 これは私が師の板倉聖宣先生(たのしい教育研究所 設立当時からの強い支援者/仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学史学会会長)と古本屋に入った時に「きゆなくん、これいい本だよ」と言われて購入した一冊『ファーブル植物記』です。
 2階の執筆室が久しぶりに片付いて、使えるようになったので、久しぶりに手にしました。
 カバーの内側でファーブルの母国フランスの言葉になっているのですけど、中は日本語に訳されています。

 
 え、ファーブルは〈昆虫記〉だけでなく植物についても書いていたの?

 と思う人たちもいると思います、ファーブルはたくさんの科学的な文章を書いています。

 ファーブルが亡くなってあと、植物について書かれたものをまとめたものが『ファーブル植物記』です、日本では平凡社が出してくれています。

 古本で手に入れたので、カバーはかなり傷んでいました。
 ブッカーで覆っても傷みが目立ったままになるので、そうせず、といっても書棚から出し入れするうちにビリっと裂けてしまうことがみえてきたので、文字や絵の部分を切って、背表紙は栞(しおり)にしました。

表紙は本の内側にはりつけました。

 カバーを折った裏側にあるファーブルさんの紹介や背表紙のイラストも、本の中にはってあります。

 新しい本のようにはいかないのですけど、これが結構気に入っています。

 近年、本はどんどんデジタル化されてきました。

 私のように紙の本に親しんでいる人たちは激減してきているでしょう。

 紙の本のたのしみをあじわえることは、とても嬉しいことです。

 今日は、この中にある〈クリ〉の話を読みました。

 機会があったら紹介させていただきます。

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景色にみとれながら夕陽の小径を歩く

 〆切ものに追われることがわかっていたのだけど、週に一度は自然を味わいつつたのしく歩くことはやめられません。

 仏桑花(ぶっそうげ)と夕陽が美しいコントラストをみせてくれました。

 ブッソウゲはハイビスカスの別名でもあり、ハイビスカスの原種ともいわれています。琉球・沖縄では直球で「アカバナ/赤花」とも呼ばれます。

 これまでじっくり見たことはなかったのだけど、夕陽をバックにした美しさに見とれてしまいました。

 その姿をじっと見ている心のゆとりをたのしみつつ、その後いつもの畑の道を歩いているうちに陽は落ちて、暗くなっていきました。

 散歩なんかしないで〆切ものをまとめていた方がよいのではないか、と考える人もいるでしょう。

 そうかもしれません。

 でも自然をたのしむ時間をもちながら仕事に取り組む方が結果的にうまくいくかもしれません。

 両方同時にはできないけれど、感覚的には後者に軍配があがる気がしています。

 また早く散歩に行きたいものです。

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「もしいま何か大異変が起こって科学的知識が全部なくなってしまい、たった一つの文章だけしか次の世代の生物に伝えられないとなったら?」@リチャード・ファインマンの言葉

  すべての科学の根幹には「原子論(アトミズム)」があります。

 大分前の〈たのしい教育メールマガジン〉にこういう話を書きました。

 私の好きなリチャード・ファインマンが『ファインマン物理学』の「はじめに」でこう語っています。

 もしいま何か大異変が起こって、科学的知識が全部なくなってしまい、たった一つの文章だけしか次の世代の生物に伝えられないと言うことになったら、最小の語数で最大の情報を伝えられるのはどんなことだろう。

 私の考えでは、それは「原子仮説(原子事実、そのほか、好きな名前でよんでよい)」だろうと思う。
 すなわち「すべてのものは、アトム(永久に動き回っている粒で、近い距離では互いに引き合うが、あまり近づくと反発する)からできている」というものである。

 これに少し洞察と思考とを加えるならば、この文の中に、我々の自然界に関して実に膨大な情報量が含まれていることがわかる。

 

 原子論と相入れない考え方が〈あらゆるものに霊が宿る〉という「アニミズム」、〈霊的・精神的〉な力をたよりとする「スピリチャル」です。

 ユバァル・ノア・ハラリが解き明かしたように人間は創造した物語の世界に集団で入っていくことも得意ですから、アニミズムやスピリチャルの広がりは容易に想像できます。

 以前、知り合いのカウンセラーから、霊的な世界に入り込んで精神病棟に入院したクライエントの話を聞きました。悪い想像の方向にどんどんすすんでいき、心が持たなくなったのでしょう。

 人間には科学的認識だけでなく想像的認識があって、それは素晴らしい作用なのですけど、だからといって想像した宗教の違いによって相手の命を奪っていくことが許されていいわけはありません。
 私たち人類が叡智をよせて克服しなくてはいけない重要な問題です。

 まだまだ少数派とはいえ原子論者・無神論者は着実に増えてきています。
 だからこそ敵対してはいけません。

 アニミスト(アニミズム論者)やスピリチャリスト(スピリチャル信仰者)はどうしてそういう見方・考え方をするのか、その不思議さを楽しみながら、つまり心を傾けて探っていくことです。

 科学の進歩でできた、たとえば抗生剤は、アニミスト・スピリチャリストにも、もちろんアトミストにも確実に効きます。
 科学技術を集めた自動車は誰が運転しても行きたいところに連れていってくれます。

 予想・実験の過程の中でいつの日か『アニミズム・スピリチャルを想定してもしなくても同じだねとか、想定しなくても解決の道はあるんだね』となっていくでしょう。

 アニミスト(アニミズム論者)やスピリチャリスト(スピリチャル信仰者)もアトミスト(原子論者)もみんな幸せを願っていることに違いはないのですから。

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