たのしい図工〈ビスケットのスケッチ〉

 四国徳島に以前から親しくやりとりしているN先生がいます、中学の英語の先生で、校長となり退職し、今は悠々自適に読書暮らしをしている方です。
 仮説実験授業研究会の初期のメンバーで板倉先生も信頼をよせていました。
 これまでN先生から膨大な資料をいただき、今も定期的に価値ある資料が届いています。
 N先生の実践は大切に保存してあります。
 その中に、かつてN先生が英語の教師をしていた頃にたのしんだスケッチの授業の記録があります。

 とてもたのしい記録です。

 ビスケットを食べて、それをスケッチする。
 描き方も丁寧に指導して、多くの子が自分の絵に見惚れてしまうような授業です。

 描き終わったら残りを食べるので、子どもたちが喜ばないわけはありません。
  今週のメルマガで紹介しようと考え中です。

 子どもたちがたのしく自分の可能性を高める、そういう授業のできる先生をたくさん育てたいと思います。
 そして子どもと一緒に自分もたのしむ、そんな親もたくさん増えて欲しいと思っています。

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楽しい自由研究:ススキは〈ほうき〉に利用しただけ?

 私いっきゅうは夏休みの自由研究で、祖父が得意気に教えてくれたススキの箒(ほうき)を提出したことがあります。いつも学校で利用している市販のホウキと比べると丈は小さいけれど、隙間に詰まったホコリやゴミもサッと除いてくれる優れものでした。
 こんな感じのホウキです、これほどカールしてはなかったけど⇩

https://www.yaeyamacraft.com/items/87164278

 子どもの頃からものづくり系は好きだったのに、作業そのものがたのしい経験だった記憶はありません。祖父は「使うものをお店で買うんじゃなくて、昔はこうやって自分でつくっていたんだ」と言いながら、ほぼ全ての工程を自分ですすめてしまって、私は不ぞろいのススキの穂をカットするくらいだったので、楽だったのだけれど、

 それでもしっかり記憶に残っているのは、その時、一本ずつはひ弱でも二、三十本束ねると、折れないくらい丈夫になることに驚いたからだと思います。そして「野山にこんなにたくさんあるススキをホウキにするだけというのはもったいないことだ」と感じたことも大きいと思います。

 そのことが何十年の時を経て解決しました。
 ススキにはある重要な利用法があったんです。

 私が無知だっただけで、たいていの人は知っている、ということもあるかもしれません。
 まず質問。

 その昔、ススキは何に利用していたと思いますか?

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ススキの重要な利用法

 ススキはイネ・ファミリー(科)です、米や麦などもイネ・ファミリーです。

 ほとんどのイネ・ファミリーの茎はストローのような中空構造です。

 表面は木目ががびっしりつまっていて、プスチックのようにツルツルになっています。

 そういう性質を利用して屋根の素材に利用していました。
「カヤ(茅)ぶき屋根」という言葉を聞いたことがありませんか、その「かや:茅」というのは〈いね科の植物チガヤ・ススキなどの総称〉です。

 高床式住居も茅(かや)の屋根だと説明されています、だいぶ昔から使われてきたわけです。https://kids-kouko.com/housing/

 日本の白川郷・五箇山など合掌造りの古い住居も茅ぶき屋根です。https://machiyane-kagoshima.com/column/2019-12-25.html

 ススキは人間の住居の歴史の中で重要な役割りを果たしていたわけです、なるほど・・・

 こういうことも自由研究の一つです。自由研究で長年の謎が解け続けている日々です。

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たのしいSDG’s:食べ物を無駄にしない⇨予想を立てて実験するたのしさが基本

 〈たの研〉にはいろいろな依頼が来ます。「オキナワウラジロガシを入手したい」「物語を書きたい」「研究授業の授業作りをしたい」etc. 〈教育〉に関わることならたいてい相談にのっています。

 最近あった相談が《家庭科の授業作り》でした。その方が準備してき動画が「環境保護のために食べ物を無駄にしない工夫が大切です」というテーマでした。

 こども達を含めて環境保護の重要性、必要性を否定できる人はほとんどいないと思います。そういう前提にたつと「だからモノを大切にしなくてはいけない」という話にすすむのが普通です、つまりそのパターンは広く進められている流れといってよいでしょう。

 〈たの研〉の環境教育のテーマは『環境を保護するのはたのしいことだ』という感覚を育てることです。それは私たちのDNAに刻まれた部分、本能に響く教育です。

 前に「シークワーサーの皮は捨てずにジュースにするととっても美味しく栄養満点」という話を書きました。
 それと同時にたのしんでいるのがゴーヤースムージーです。

 今回はゴーヤースムージーをきっかけに「たのしい環境教育」の話をしましょう。

 ゴーヤーをミキサーでかけてあと、スッキリした味にするために茶こしで粒を濾しとるのですけど、その時に残ったものをどうするか?

 これが茶こしに残った素材です、下にはとっても苦いゴーヤージュースが滴り落ちています。

 これを利用すると、卵焼きに入れてゴーヤーエッグがたのしめます。

 クッキーに入れてゴーヤークッキーはどうだろう?
 ほろ苦いクッキーで斬新な味わいになるかもしれません。

 ゴーヤーのペーストでジャムをつくることもできそうです、子どもには好まれなくても苦味のあるジャムで大人にはうけるかもしれません。

「もともと、食べてもいい部分をクッキーにしたりするわけだから環境保護ではない」と思った方もいるでしょう。
 たしかにそうです。でもたのしくいろいろな利用方法を考えて実際に試してみるというスタイルを身につけていくことが大きな環境保護につながるのも事実です。

 ニンジンや大根は皮をとりのぞかず、そのまま料理しても美味しいという話もありますね。
 最近はシークワーサーの葉が利用できないかと考え中です。
 すでに料理の香り漬けには利用されているようです。
 お茶にすることは十分可能だと思います、渋いかな?
 さっそくこの休みに、ティーにしたり葉のジュースをつくって試そうと思っています。

 何をやるにも予想⇨実験です。
 それをたのしむ人たちを増やすことで、環境保護についてもいろいろな取り組みが出てくるでしょう。
 みなさんも、たのしい環境教育を一緒にすすめていきませんか。

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楽しい算数:数字のウソを見抜く

 前回の「言葉はごまかしやすく、数字はなかなかごまかせないからです」という話の続きを書きましょう。メルマガでもおたよりで「〈数字は嘘をつかない〉という話は聞いたことがあるけれど、〈なかなかごまかせない〉というのは〈数字はごまかせる〉というわけですね」という話がありました。

 できますよ。

「うちの会社の平均給与は88万円です」と書いてあって、ここに入ることができたら今よりずっと良い暮らしができると思ったら、ほとんどの従業員は18万円くらいで、社長と役員が一千万円近くの給与をもらっている会社だった

ということはあり得ます。

「去年より売り上げが200%にアップしました」という数字をみると、すごい会社だと感じます。ところが去年の売り上げは5000円の商品が一個売れたくらいで、今年は二個売れたということだった

これもウソではない。

 まだ考えられます、カウンセリングでクライエントから「これこれのサプリを試そうと思っています」という話がでることがあります。 聞いてみると《82%の人たちが良くなったと答えている》と書いてある、とのこと。
 そういう数字も実際には一部の若い被験者だけのデータを抽出して使って出していることがあります。
 医薬品なら臨床試験でプラセボ(偽薬)との対照実験も実施と、その研究実験を実施した機関名も記載されるので信頼できるのですけど、医薬品でないもので、そういう点をごまかしてアピールすることがあるわけです。

 あるテレビ番組で「現役の◯◯大学の学生が〈美味しい〉と答えたのが一番多かった」と紹介されていたお菓子が、実はわずか10数名くらいに聞いた「このAというお菓子とBというお菓子ではどちらが好きですか?」という二者択一のアンケートだったという空いた口が塞がらないような話もあります。

「数字はウソをつかない」というのは間違いで、騙すための数の加工は可能です。

 話は広がるのですけど〈たの研〉の

講座、ワークショップ満足度評価99%

というのは信じるに足る数字でしょうか?

 大丈夫です。個人情報が入っているのでここに公開することはできないのですけど、誇大広告審査などがあれば、その元になるデータを見てもらうことは可能です。
 また、講座・ワークショップの講師陣は、講座後に全員が輪になって評価感想を確認するのがルーティーンなので、このサイトを見てくれているこれまでの講師の方達から「あれはおかしいですよ、つまらないと答えた人たちが何人もいたじゃないですか」というツッコミも入るでしょう、それは皆無です。そもそもそんな口だけ集団が十数年も存続するのは無理でしょう。

〈たの研〉の活動はたのしく学び、本物の力を身につけてもらうことです。

 数字に騙されないで、それは本当なのかと自分で予想を立てて確かめていくことのできる子どもたちをたくさん育てたいと思います。

 「たのしく賢く」がテーマなら、小中学生数名のミニワークショップも可能です。教科を指定してもらうのもよいし、こちらからプログラムを準備するのも可能です。講師のスケジュールの都合に合わせることになるので、ご希望の方はお問い合わせください。勉強嫌い、学校嫌いという場合は優先して対応いたします。

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