楽しい面白い自由研究:捨てる紙で〈月桃紙づくり〉

 梅雨の頃は月桃の季節。記録的な梅雨の短さにも関わらず、野山には月桃がたくさん咲いています。

 夏の講座では『簡単楽しい再生紙』のブースも設置する予定です。

 以前から応用編として〈月桃で和紙風の紙づくり〉ができるだろうかと実験してみました。

 以前も書いたのですけど、どうしてこんなに簡単な〈和紙風紙作り〉を、10~20行程に分けて、それぞれで難しい技法が必要だというような説明をしているのだろうと不思議になります。教育に〈たの研/たのしい教育研究所〉の発想法が入っていかないと、創造的な人たちは育たないと思います。楽しまなくては想像的になれないからです。

 

 これが和紙風の月桃紙です。

 実験的にパッと作ったので、形の工夫などはこれからです。
 とはいえ、いい香りが漂う紙がすぐにできあがりました。

 撥水スプレーをすればコースターにも利用できます。

 〈たの研〉にはたのしめるプログラムが満載です。

 興味のある方は気軽にお問い合わせください。 

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問題:歩道に枝が伸びて実った果物は誰のものか?

 〈たの研〉の近くにとても大きなマンゴの樹があります。かるく5~6mあって、電線に届くくらい高くそびえています。

 この季節、マンゴの実がたくさんついています。

 歩道を進むと顔にぶつかりそうな位置にいくつも実っています。

 とられるとまずい、と思ったのでしょう、幹のある家の持ち主がビニールで覆ってあります。

 何百個というくらい実がつきそうなので、「1人おひとつどうぞ」と書くのもおもしろいのにね。

 それはさておき「顔にぶつかりそうなくらい実っているマンゴーは誰のものか?」考えてみませんか。

 マンゴは屋敷を超えて、こちらが日々歩く場所に「どうぞ」とばかりに実っているわけです。

 土地の所有権というのは〈地面〉だけでなく、その土地の上の部分にも生じます、地下にも生じます。
(土地所有権の範囲) 第二百七条 土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。

 自分の土地の上空に勝手に橋を建設することはできません、地下にトンネルを掘ることもできません。

 逆にいうと、自分の土地からはみ出て実っている果実に、その土地の所有者の権利は生じないとも考えられます。つまり歩道に伸びた枝に実ったマンゴは家主の所有権が及ばないと…

 みなさんはどう思いますか?

 問題
 歩道に伸びた枝に成った果物の実は?

 

 選択肢

 ア.木の幹のある土地の所有者のもの

 イ.木の幹のある土地の所有者のものではない

 ウ.その他

 

 どうしてそう思いましたか?

 

 もめごとが起こった時、法的な判断基準が必要になります、それが「民法」です。
 民法に(果実の帰属)という項目があります。

【民法】
(果実の帰属)
第89条
1 天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。

 法律というのは実にわかりにくい書き方をしていますね…

「これを収取する権利を有する者」というのは〈元物の所有者〉〈地上権者〉〈永小作権者〉〈不動産質権者〉〈使用借主〉〈賃借権者〉〈善意の占有者〉等です。
※「善意の占有者」とは「自分に権利があると信じ込んでいる、勘違いした占有者」のこと

つまり「枝が伸びている木の持ち主(土地の所有者等)のもの」だということです。

 たとえ枝や果物が私有地から出て、歩道(公道)の上にはみ出していても、木から分離していない限り、その果物は木の一部と見なされます。
 そして、その木は土地の所有者の財産です。
 通りすがる人が勝手にとってはいけません。

 そういう中でも「危険だから、じゃまだから」と枝を切ってもらうことは可能です。切ってもらった枝についた実の所有権も〈元物の所有者〉〈地上権者〉〈永小作権者〉〈不動産質権者〉〈使用借主〉〈賃借権者〉〈善意の占有者〉に存在します。歩行者や、せり出した土地の所有者には所有権はありません。

 ということで法的には判断がついたのですけど、こういう時こそ『たのしい教育』の発想法、《みんなが笑顔になる》という原理でいきたいものです。

 所有者の人と出会ったら『地上2m以下に実ったマンゴを一個200円で無人販売しませんか』と提案したい。

 タイミングよくその地主の方がこのサイトを読んでいたら、前向きにご検討ください(´ー`

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イジュ(ヒメツバキ)の季節@楽しい野山さんぽ

 久しぶりの野山を歩いて「そうか、ヒメツバキ(イジュ)の季節だったかと気づく。沖縄の土壌の性質を大雑把に分けると沖縄南インターから北インターに向かうあたりで北と南に分けることができる。phを調べると北側はどちらかというと酸性の土壌、南側はどちらかというとアルカリ性の土壌です。この「どちらかというと」というのは「微妙な差」だということです。例えばハッキリとしたアルカリ性だとしたら細胞が痛んでしまいます。
 植物たちは、その微妙な違いをハッキリ感じて進化してきました。

 イジュ(ヒメツバキ)は北の土壌・微妙に酸性に傾いた土壌にあった植物で、南側では、特別なことがなければ見ることができない樹木です。

 私は去年までと生活スタイルがけっこう違ってきています、執筆に没頭していて、今は4冊目に取り掛かっている日々です。

 そのせいで山肌から遠ざかっていたのでしょう、イジュの花を間近に見たのは今年初になりました。

 

 学名はヒメツバキ、ファミリー(科)は「ツバキ」です。
 イジュというのは沖縄の島言葉で、それがそのまま和名になっています。

「私もイジュの花のように真っ白に美しく咲きたい」という琉歌も残されています。

  

 来週は、さらに山肌にイジュが目立つことでしょう。

 山歩きの時間もしっかりつくりたいと思う日々です。

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ひまわりの花の秘密@楽しい面白い自由研究

〈たの研〉の実験ガーデンで今年はじめてひまわりを育てています、先日紹介した写真もその一つです。

 黄色くて大きな花はよく目立ち、遠くからでもヒマワリだと気づくことができます。

 理科では、一つの花に見えるヒマワリはたくさんの花たちの集合体だということを「キク・ファミリー(科)」の植物の特徴として学びます。

 そういうキクファミリー(科)の構造がハッキリしたのはいつ頃だと思いますか?

 30~40年くらい前のことでしょうか。
 100年くらい前のことでしょうか。
 300~400年くらい前のことでしょうか…
 あるいは?

 予想して見てください。

 カール・フォン・リンネ(1707~1778年)は『分類学』の中でキク科の花の構造をハッキリとらえていました。
 つまり今から300~400年くらい前の研究者たちには知られていたわけです。

 日本でいうと江戸時代のことです。
 その頃の日本は鎖国していたとのですけど、いくつかの港を開き、海外の優れたものを取り入れていました。ですから、鎖国という言葉のイメージはあまり正しくないと私は考えています。
 本や資料だけではなく、1823年にはドイツの医者・植物学者のシーボルトが日本に来てリンネの分類体系を伝えています。キク科の基本的な花のつくりは日本の本草学者に広まりました。
 宇田川榕菴(うだがわ ようあん)は著作『植学啓原(しょくがくけいげん)』(1835年)で、日本で初めて西洋植物学を本格的に紹介し、

「花は、萼(がく)、花弁、雄蕊(おしべ)、雌蕊(めしべ)より成り、これらの構造により植物を分類することができる。」

「一つの花のように見えるものが、実は多数の小花の集合体であることがある。」

と書いています。

 さて、話はここからです。

 花の集合体であるヒマワリは、花びらに花たちと、その内側の小さな花たちの2種類に分かれます。実は、外のめだつ花びらは、昆虫たちを呼び込むためのダミーの花です。

 植物学的にいうと、〈おしべ〉や〈めしべ〉の両方あるいは一方があって、タネができるものを「花」といいます。
 外側の花びらは鮮やかな色で虫たちを呼び込むために進化したもので、そこに〈しべ〉はなく、タネができません。

 時々、こういうことを知らない人に「え~、知らないの?」というような伝え方をする人がいます。

 確かに、植物学的には〈たくさんの花の集合体だ〉っていうのが正しいにしても、どう見ても一つの花にしか見えないじゃないですか。

 こういう時には「だよね~、そうとしか見えないよね」と前置きして
「実は科学者たちが調べてビックリさ! 何と、たくさんの花の集合したのがヒマワリだっていうんだから・・・」
 というように伝えてあげましょう。

 いつまでも子どもの感覚を忘れずにいたら、きっと伝え方のセンスも育ってくると思います。

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