とっても怖いクーラーバッグ/怖がりの方は見ないでください

 4月後半、沖縄はとても暑くなってきました。
 こういう時には〈ひや~〉っとするのもよいものです。

 わたしいっきゅうは毎日その体験をしています。
 少しおすそわけいたします。
 怖がりの方は見ないでくださいね。

 ア~ルがたのしい教育研究所(RIDE)の三つある研究所を行き来する時には、身体が大きいので、大きめのクーラーバッグを利用しています。

「ア~ル出かけるよ!」
と声をかけ、クーラーバッグを開くとア~ルは自分で入っていきます。

 入って後、チャックを閉めようとすると、毎回こういう状況が繰り返されます。

 

 閉めようとする手に向けてア~ルがすごいスピードで連続パンチをくりだしてきます、早回ししているわけではありません。
 ちなみにア~ルはじゃれてのあそびなので爪は立てていませんから痛くはありません、しかし毎回びっくりします。

 ヒヤヒヤしたい方は、見えないところから来るア~ルの猫パンチ、体験してみてください。
 無料です。

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難しめの文章を読むのも楽しい/板倉聖宣が語ったこと/たのしい教育の発想法&哲学

 このサイトを読んでくれている方たちには、高校受験、大学受験、教員採用試験などを控えた受験生の方たちもたくさんいます。管理職試験を控えている方もいます。
 毎回できるだけ分かりやすい様に記事を綴っていますけど、今回は、たのしい教育研究所の応援団長であった板倉聖宣が、大学の論文にやや近い調子で書いた文を紹介しましょう。
 一般の皆さんも、少し複雑めの文章を読むことで、知的レッスンになりますよ。

〈たのしい教育メールマガジン〉の古い号からです。
 新しく購読している方たちにとっては初めて目にする内容だと思います。古くからの読者の方たちも、時々サイトに掲げる内容をみて「新鮮に読めます」「新たに学びなおしています」という様な好反応が届きます。
 今回はメルマガ第147号(2015年)の中で紹介した〈教育者のための科学誌入門〉として板倉聖宣(1968年)が語った内容です。

 

 実験が行なわれるためには、それによっていかなる考えの正しさまたは誤りを示そうとするのか、その動機がなければならない。
 そのような動機を提供するものは〈実利的関心〉か〈哲学的関心〉かのいずれかである。
 そのために要する労力・費用よりも、そのことを明らかにすることによって得られる利益のほうがはるかに大きいことが見通されるとき、はじめて人々はその研究に手をつけるであろう。

 しかし「落下法則」などはさしあたってそのことによって得る利益は全くないといってさしつかえない。だから落下法則を明らかにしようという動機は哲学的関心から起こるよりほかにはない。しかもこの研究はそう簡単ではないから「このことがわかったら少しおもしろいだろうな」というようなちょっとした知的関心・趣味的興味から行なわれることはほとんどないということができるであろう。

 

 落下法則のような研究は、アリストテレスの白然哲学の体系のように一つの大きな自然像の真偽性を問うという形ではじめて切実な問題として浮かび上がってくるのである。

 

 地動説か天動説かという問題もそれと同じである。天が動くか地球が動くかという問題は、人々の自然観から人生観にまで影響してくる大問題である。だからこそガリレイはその研究に真剣になったのだし、またローマ法王庁もみずからの権威の保持のために地動説を弾圧したのである。

 

 このように、科学史の主流をなす科学研究の動機となったものは哲学的関心であることが多いが、実利的関心によって行なわれた実験がもとになって哲学的関心が呼び起こされた例も少なくない。

 たとえば、最近筆者が最近調べた例として磁気歪(じきひずみ)の研究をあげることができる。
 磁気歪あるいは磁歪(じわい)というのは、私ゃニッケルなどの磁性体を磁場の中において磁石にすると、その磁性体が歪みをうけて伸びたり縮んだりする現象をいうのである。

 

 筆者がそんな現象にどうして興味を持つようになったかというと、じつは、明治時代の日本の物理学研究の中で、この磁気歪の研究が大きな比重を占めていたからである。 
 東京大学理学部物理学科の外人教師ノットは日本でこの磁気歪の研究を行なって、その研究の伝統を日本にうえつけた。日本の原子物理学の生みの親である長岡半太郎も、長岡と共に日本の地球物理学の開祖であった田中館愛橘(たなかだて あいきつ)も、日本の金属物理学の生みの親である本多光太郎も、みなこの磁気歪の研究から出発して、それぞれの領域に進んだのである。
 このように磁気査の研究は日本の物理学史にとってきわめて重要な役割を果たしたのであるが、筆者が疑問に思ったのは、その磁気歪という現象がいかにして発見されたのかということであった。というのは、鉄やニッケルが磁気をおびると伸びたり縮んだりするといっても、それは偶然に発見されるにしてはあまりにもわずかだからである。鉄は温度を0度から100度にまで上げると、長さ1mのものが1mmほど伸びるが、磁気歪ではそれよりもずっと伸びが少ない。
 そこで、磁性体が磁気をおびると伸びたり縮んだりするということは、いつだれによって発見されたのか調べてみると、それは、ジュールによって1842年に発見されたものであることがわかった。

 

 ジュールというのは、ジュール熱やエネルギーの原理で有名なあのジェームズ・P・ジュール(1818-89)と同一人物である。

 ジュールがこの磁気歪の発見を確認した論文には、かれがどのようにしてこの現象を発見するようになったのか、その事情も具体的に書いてある。
 それによると、この研究は彼の電動モーター改良研究の一環として行なわれたものであった。かれは蒸気機関のかわりに電動モーターを使えば、燃料費なしにいくらでも安い動力が得られると考えて、電動モーターの研究をしていたのであるが、そんなところへ、かれの友人の一人がこんなアイデイアを出したのである。
 もし軟鉄棒に電線コイルを巻いた電磁石に電流を流したり切ったりすると、その度に中の軟鉄棒が仲ぴたり縮んだりするとしたら、その現象を使って新しい動力機関をつくることができるのではないか、というのである。
 軟鉄俸は伸びたり縮んだりするとしても、それはどうせごくわずかであろうが、てこを使ってその伸び縮みを拡大してやればよい。
 電流の点滅は簡単だから1分間に非常にはげしい往復運動を起こさせることもできようというわけである。

 

 ジュールはこのアイデイアを取り入れ、コイルの中の軟鉄棒は、コイルに電流を流すとほんとうに伸び縮みするかどうか、もし伸び縮みするとすればそれはどのくらいで、それは実用になるほどのものかどうか、実験してみたのである。
 つまり、磁気歪は、実利的な関心のもとにあらかじめ予想されていたのであって、ジュールの実験はその存在を確認することになったのである。

 しかし、この歪の大きさは拡大して利用するにしてもあまりに小さかった。ジュールの実験は磁気査の存在を確認することにはなったが、その当初の実利的な目的には合わなかったのである。

 しかし、磁気歪の現象が一度見いだされると、今度はこれが磁気一さらには物質そのものの基本的な性質を追及する上で重要な鍵を提供することになるかもしれない、ということが考えられるようになった。
 そこで多くの人々が磁気歪の正確な測定やその本性の研究に乗り出したわけである。

 日本に来た外人教師ノットもその一人だった。

 

 ところが、この磁気歪の研究は物質の本性の追及に役だっただけではなく、多くの実用的な成果をもたらすことになった。

 本多光太郎が新しい鉄鋼学の分野を切り聞くことができたのも磁気歪の研究のおかげだし、第1次大戦の時にはフランスの物理学者ランジュパンたちは磁気歪を利用した潜水艦探知機を開発した。
 そして現在では、電気的振動を機械的振動に変える場合やその逆の場合に磁気歪が広く応用されるようになっているのである。

板倉聖宣

 

受験生に向けて、少し質問を加えてみましょう。

問1.例えば落下法則は、人間のどういう関心で研究されたと筆者は述べているでしょうか

問2.実利的関心によって行なわれた実験がもとになって哲学的関心が呼び起こされた例として筆者は何をあげているか

問3.コイルの中の軟鉄棒はコイルに電流を流すことで伸び縮みしたのか、しなかったのか、それがわかる部分をぬきだしなさい

 これくらいにしましょうかね。

 複雑であっても大切な内容をもっている文章は読む価値があります。
 古文と呼ばれる、今では使われなくなった言葉を含んだ文章も、読みこなす力があると、ものの見方・考え方の広がりが出てきます。それらは人生の豊かさを与えてくれるものにもなります。

 興味のある方は、そういう文章にも触れてみることをおすすめします。

 かといって、難しいだけで内容の深くない文章もたくさんありますから、寺田寅彦の二点を紹介します。クリックすると、その文章をダウンロードできます。

寺田寅彦

 流言蜚語
https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/card43260.html

 耳と目
https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/card42769.html

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皿回しのコツ

 たのしい教育Cafeの終了後、低学年の先生が、子ども達の前で披露したいと〈皿回し〉の練習をしていました。


 皿回しを得意とするA先生が、それを見て、コツを伝授していくれました。

 すると、まるで絵に描いた様に皿回しに成功して、研究所に残っていたメンバーから拍手をもらっていました。

 

 こんなに簡単にうまくいくのかな、と思う方もいるかもしれません。
 何度も練習を重ねてやっとうまくいくのが世の常だという人生観を持っている人もいるでしょう。

 誰でもその通りやるとほぼ同じ結果が出せるというのが〈技術〉です。それに対して、その本人の特別な才能や技で成り立つのが〈技能〉です。

 皿回しは〈技能〉より〈技術〉に近い技です。

 止まっている物体を安定的に動かすには〈ゆっくり〉力を加えて続けていく必要があります。そのゆっくり加減を、微妙に強くし続けていくのです。

 〈回転〉の場合にも同じです。

 皿回しを経験していない人は、このゆっくり加減のイメージがなかなかつかめないので、実技で教えてあげるのが簡単です。

 皿回しの時に、皿を安定させるまでの間、棒が描いているのは円錐形の側面の形です。
 手はこの下側の点、棒と皿が触れているのは上の円を描く様に動かすのです。

  これをゆっくりゆっくり回して、少しずつ速さを増していくわけです。

 十分速く回った時に、ポンという様に中心をとります。


 この状態ばかり見ているので、はじめに円錐形の動きをしていることを知らない人が多いのも無理ありません。

 皿回しをクラスの子ども達に披露してたのしませたい&たのしみたい、という方は、この記事をヒントにトライしてみてはどうでしょうか。
 なかなかうまくいかないという場合には、たのしい教育研究所(RIDE)で特別レッスンが受けられます-受講費がかかります、ご相談ください。

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たのCafeバージョンアップ②/たのしい教育の発想法

 メルマガ最新号に〈たのしい教育Cafe〉の私いっきゅうのワークの前半を載せたところ、さっそくいくつも反響が届いています。
 今回は、そのワークのはじめの部分をメルマガから紹介させていただきます。

  バージョンアップした「たのしい教育Cafe」第一回目の内容の一つ「いっきゅう先生の〈たのしいクラスづくり〉」を紹介します。
 内容はすでにこのメルマガで紹介したものがほとんどですけど、メルマガの読者の皆さんもとても熱心に聞き、たのしんでくれましたから、復習することも大切だということでしょう。
 この内容は当日参加した皆さんにも再確認していただける様に構成しておとどけします。

 四月は一年のはじまりです。
 早い段階でたのしいクラス作りに取り組む先生と、決まりや約束を守ることができる様になたら、たのしいことに取り組もうという先生と、二つのタイプの先生がいます。
 たのしい教育研究所(RIDE)が提唱するのはもちろん〈たのしさ優先〉です。
 〈決まり優先派〉の先生たちの中にも、子ども達とたのしい関係をつくっている人もいます。しかし実はそういう先生も魅力的な授業つまり授業のたのしさを追求している場合が多いといってよいでしょう。

 これが当日のわたしのメニューです。
 小さくで読めないと思います、視点をあてて紹介します。

 

まずタイトルから。

「たのしいクラスが好きか、つまらないクラスが好きか」と聞いたら答えは自ずと決まるでしょう。子ども達も先生も〈たのしい〉ことが好きなのです。
 それなのにどうして〈たのしいクラス〉にならないのか?

 教師が実は本質的なたのしさを求めているのではない、という場合もあるでしょうから、その場合には当然うまくいかないでしょう。
 たのしさを求めていても手ごわい子ども達がいる場合もあるでしょう。保護者との関係で崩れてしまうこともあるでしょう。体調がすぐれないことがあるかもしれません。
 ただしそういう場合でもあまり後手に回らなければ〈たのしい教育〉を実践していく中でゆっくりと改善していくことは、いろいろな実験結果から明らかです。特別な状況に関しては要請していただければカウンセリングやスーパーバイズも可能です(別途費用が必要になります)。

 今回は、どの様にたのしいクラス作りを実践していくか、その骨子になるものを四つに分けて整理してみました。

1.まずは〈気持ち〉と〈発想法〉の面から
 こういう部分を〈なんとなく〉で曖昧にしてノウハウ中心で学ぶのはおすすめではありません。
 例外的な場面に対応できなかったり、違う方向にすすんでいることに気づかないなど、いくつもの不具合が予想されるからです。

 習慣や決まりが優先なのか、たのしさが優先なのかについてははじめに触れましたが、次の質問について考えてみてもらえませんか。

自分の子どもに、いない場合もいたとして、その子に〈決まりや習慣だから勉強する〉という子に育ってほしいのか、〈算数の図形の問題おもしろい!〉ということで勉強して欲しいのか、どちらでしょう。

 もうひとつ
「ボクは私は〈いじめてはいけません〉という決まりがあるからいじめないよ」という子に育って欲しいのか
「〈周りの人たちが笑顔になることが嬉しい〉から
いい人間関係を広げていく」という子に育ってほしいのか?

 私たち大人の場合で考えてみましょう。
 たとえば職場で〈セクハラはいけない〉という決まりがあるからがんばってセクハラしない様にしている人と、周りの人たちの笑顔や元気が好きだから、気持ちよい人間関係を広げようとしている人と、どちらが豊かな人間関係だと思うでしょう。

 やはりたのしさ優先で育てていくことが、より豊かな人間関係、より笑顔広がるクラスだと思うのですけど、どうでしょうか。

 まずこういう骨格の部分がしっかりしていないと、ついついフリカケの様に〈道具としてのたのしさ〉をパラパラとふりかけるくらいのことになってしまうのです。
 目指す方向がはっきりしていない人、何となく〈たのしいのもいいよね〉くらいで考えている人は、気づいたら、目指している山とは違う山に、あるいは迷いこんで密林を歩き続けることになったりします。

 たのしい教育を目指しているとはいっても毎日たのしく、毎回たのしくというのはほぼ不可能です。
 しかしそういう場合でも方向がしっかりしていれば大丈夫。
 富士山の山頂を目指している人も迂回することがあります。
 荷物を降ろして休むこともあります。
 時々はごろ寝したり´ー`)
 それでも富士山頂にゆっくり迫っていくことは間違いありません、安心してください。
 具体的にどういう登り方をするのかは、例えばこの「メルマガ」や「月刊たのしい授業」、RIDE(ライド)の講座、たのしい教育系の講座などを受講してもらえれば、たくさん学んでもらうことができます。

 たのしい教育を目指す人もまずは〈週に一度〉を目標に、子どもたちが「先生とってもたのしかった!」と言ってくれるものを目指してみるとよいと思います。
 うまくいってきたら〈3日に一度〉。
 調子が出てきたら「1日に一度は〈たのしい〉といってくれる授業をめざす」という様にすすめていきましょう。

 私の師の板倉聖宣は「一年で一回でもいいんです。子ども達がほんとにたのしんでくれたら、それは一生想い出に残るものになります。それが理科の授業なら、子ども達はその後、たとえば中学高校でつまらない理科の授業を受けていっても〈本当は理科ってたのしいものなんだ〉と思ってくれる。そして何かきっかけがあれば、また学んだりすることも出てくるんです」と語ってくれました。
 それは真実だと思います。

ここまでにしておきましょう。

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