画期的素材〈ビュンビュンごま〉トランプが利用できます

 〈ビュンビュンごま〉が大人気です。子どもだけでなく大人にかなり人気です。今回は〈ビュンビュンごま〉の画期的な素材を紹介します。

 トランプです。
 2組セットで100均のダイソーで扱っていますから50人分くらいつくることができます。
 安定感もバツグンで、ヒモを通す穴を決めるためにモノサシで測ったりする必要もありません。

 

 つくり方を解説しましょう。

0.使うものは
 [1人分素材]トランプ2枚、ヒモ(タコ糸)1~1.2m
 [使う道具]画鋲、ツマヨウジ、のり(両面テープでも可)
 ・このトランプの真ん中のデザインのお陰でものさしがいらなくなります

 

1.トランプを二枚重ねて〈ステックのりor両面テープ〉などではり合わせます

 

2.真ん中のデザインを確認してください。対面する〈角〉に近い場所2ヶ所に画ビョウで穴をあけます ※トランプにはいろいろなデザインがありますから、それぞれ確認してください。穴同士は1cm程度の感覚がよいようです

 
3.ヒモの太さにもよりますが、研究所ではタコ糸を使うので、ツマヨウジで穴を大きく広げます

 

4.タコ糸を通して輪っか状にします。ツマヨウジで穴に押し込むと通しやすいのでおすすめです

 ・片方通ったり折り返してください

・片側を結んで輪っか状にしたら出来上がり!

 とても気持ちよくビュンビュンと回ります!

 
 次号の最新号には〈ビュンビュンごま〉の音の実験を交えて掲載します。興味ある方はお申し込みください。応援してくださいる方は この〈いいね〉ライン を軽やかにクリック!

楽しい図画工作・たのしい図工 時代はどの様に進んでいくのか?

 たのしい教育研究所(RIDE)は国語・算数・理科・社会その他の教科だけでなく、カウンセリングであったり、アウトドア活動であったり、老後のたのしい過ごし方であったり、幅広く教育全般に関わっている組織です。

たのしい教育研究所 しかし〈浅い活動〉ではありません。そのものの本質を追求する活動ですから、たとえば一つに視点を当てても、そこからいろいろなことに広がるカギを見つけていくことになります。

 今回はたのしい教育研究所〈図画工作・図工〉に視点を当ててみましょう。研究所で開催している教員採用試験合格ワークショップに関わる内容から入りましょう。しかしそれは、いろいろな人たちが知っていた方がよい内容だと思います。

 例えば小学校の教師になるには、小学生に教えるくらいの知識内容があれば教員採用試験に合格できるかというと、そうではありません。小学校の教師として本務採用されるには数学の解の公式を利用して問題を解いたり、フレミングの法則を利用して電流と磁力と力の向きを特定する力が必要になります。一般教養の試験もあって、そこでは〈原子の崩壊〉について問われる事もあります。水泳も鉄棒もピアノもできないといけません。
 試験の中では〈学習指導要領〉を理解している前提で問われますから、文科省が公示した173ページ分の内容も覚えておく必要があります。

 研究所では今年から〈楽しい図工教室〉にも力を入れています。

 ところで図画工作・図工について日本の学校教育の基準である〈学習指導要領-H29告示の最新版〉にはどう記載されているでしょう。学習指導要領には各教科ごとにはじめに〈目標〉を示しています。
 小学校の図工では「〈表現や鑑賞〉の活動を通して子ども達の資質能力を育成する」とうたわれています。引用してみましょう。

 

第7節図画工作

第1 目標

表現及び鑑賞の活動を通して,造形的な見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の形や色などと豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 対象や事象を捉える造形的な視点について自分の感覚や行為を通して理解するとともに,材料や用具を使い,表し方などを工夫して,創造的につくったり表したりすることができるようにする。

(2) 造形的なよさや美しさ,表したいこと,表し方などについて考え,創造的に発想や構想をしたり,作品などに対する自分の見方や感じ方を深めたりすることができるようにする。

(3) つくりだす喜びを味わうとともに,感性を育み,( 楽しく豊か )な生活を創造しようとする態度を養い,豊かな情操を培う。

 こういう堅い目の文章は苦手だという方もいると思いますが、日本全体の小学校で実施されている図画工作が何をねらって授業が構成されているのか知っておく事も損ではありません。
 文意を損なわない様にして解説してみましょう。

〈表現や鑑賞〉の活動を通して子ども達の力を次の様に育てる

というのですね。
じゃあ、具体的にどの様なことを通してどう育てるの? というと

☆ 自分の感覚や行為を通して造形的な見方を理解する
☆ 材料や用具を利用して、創造的につくったり、表したりできる様にする
☆ 造形的なよさ、美しさ、表したいことや表し方などを考えて発想したり構想したりして、自分の見方や感じ方を深めていく
☆ つくりだす喜びを味わって完成を育てる
楽しく豊かな生活を創造しようとする態度を養い,豊かな情操を培う

 さて、この最後のフレーズに何が入ると思いますか?
 指導要領の文章をもう一度書きぬきましょう。

(3) つくりだす喜びを味わうとともに,感性を育み,( 楽しく豊か )な生活を創造しようとする態度を養い,豊かな情操を培う。

 

 図工を学んでいったいどういう生活を創造しようとする態度を養うのかな、と考えるとよいでしょう。

 何か思いつきますか?

〈表現的な生活〉を創造しようとする態度
 なのでしょうか。

〈便利な生活〉でしょうか。

それとも〈豊かな生活〉でしょうか。

あるいは〈意欲的な生活〉が入るかもしれません。

〈工夫改善的な生活〉はどうでしょう。

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考え中

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考え中

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 学習指導要領にはこうあります。

(3) つくりだす喜びを味わうとともに,感性を育み,( 楽しく豊か )な生活を創造しようとする態度を養い,豊かな情操を培う。

 図工で子ども達に育てたい具体的な一つは「楽しく豊かな生活を創造しようとする態度」だというのです。

 まさにたのしい教育研究所が提唱していることと重なります。

 指導要領にあるからたのしい教育を学ぶ、という事も一つのきっかけです。しかしこの〈たのしさ〉は時代に左右されてゆらぐものではなく〈人間のDNAに刻まれている大切な感覚・人間の行動の方向性を示すもの〉です。つまり教育の本質と関わる大切なカギなのです。
 たくさんの教育関係のみなさんが、たのしく豊かな生活を創造しようとする子ども達を育てる取り組みに全力を注いで欲しいと思っています。

 ところで、ここで見た最新版の指導要領は2018年4月から本格実施されます。これを書いている2018年3月後半現在は、その一つ前の指導要領です。
 そこにも「楽しく豊かな生活」という言葉が入っているでしょうか?

 今年2018年3月までの指導要領の目標はいたってシンプルです。
 そこに〈たのしい〉という言葉は見つかりません。

 時代が〈たのしい教育研究所(RIDE)〉が提唱している方向に進んでいる証の一つといってもよいでしょう。

 ここでは触れるゆとりがありませんが、いずれ他の教科についても書かせていただきたいと思います。ご期待ください。

 

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校長試験対策ワークショップから-いじめの件数は増えているのか? いじめ防止対策推進法(2013/H25年)施行以降の流れ

 たのしい教育研究所では校長試験の合格を目指す方達向けの合格WSを開催しています。もちろん〈たのしい教育〉に興味関心の高い方たち向けのコースです。
 最新のテーマは〈いじめ対策〉。
 校長試験に臨む方たちだけでなく、たのしい教育に興味関心のあるみなさんに予想を立ててもらいたい問題があります。

 2011年学校側がいじめはなかったとして隠蔽や責任逃れをしたことが原因で起こった大津市中2いじめ自殺事件が2012年に発覚したことが契機となって2013/H25年、学校や行政の責務を明らかにした〈いじめ防止対策推進法〉が成立しました。
 
 そこには〈学校に、いじめ防止対策の組織を常設すること〉〈いじめた子への懲戒、出席停止の措置をとること〉〈重大な犯罪行為は警察に通報すること〉など、これまでの学校の取り組みに対して強い改善点を要求しています。


  さて、この法律の成立後、いじめの件数はどの様になったでしょうか?

 明らかに効果をあげて、いじめの件数は減って来たのでしょうか。
 あるいは緩やかに効果をあげて来ているのでしょうか。
 あまり変化はないのでしょうか?

 法律の施行と、その対象の問題をリンクさせて数字的にみていくことはなかなかしないと思います。
 予想を立ててみませんか。

 まず2012/H24までの〈いじめ認知件数〉の推移はこうです。

 減少しつつある様にも見えた件数は2011/H23からグンと上昇しています。

 いじめ防止対策推進法はこの翌年2013/H25成立しました。

 〈いじめ防止対策推進法〉の成立後〈いじめの認知件数〉の伸びはどうなったでしょう。

予想
ア.件数が落ち始めた
イ.件数が落ちるまでではないが、伸び方がゆるやかになってきた
ウ.伸び方に特に変化はなく、そのまま上昇している
エ.もっと伸び始めている
オ.その他

 

どうしてそう予想しましたか?

 

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考え中

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考え中

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平成 29 年 10 月 26 日(木) 文部科学省初等中等教育局児童生徒課が公表した〈平成28 年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(速報値)について〉
に掲載されているグラフです。 

 少し見えにくかもしれません。
 大きくしてみましょう。

 H24からH25の間が不連続になっているのは、その時に〈高校の通信制のいじめ件数〉が加わったためです。

 どうでしょう。
 いじめ防止対策推進法が成立したH25からH26、そしてH26から27、H27から28の変化をグラフの傾きで確認してみてください。
 ますます増加して来ているというのが現状です。

 法律ができて、いじめをあいまいにできない様になり、数としてカウントされる件数が増えたという様な理解もできるかもしれません。
 しかし〈法律ができたからいじめが減って来た〉とは考えられないことも言えるグラフだと見ることもできます。

 学校教育の中でますます本腰を入れて〈いじめ対策〉に取り組んでいかなくてはけません。

 さてあなたが校長なら、どの様に学校でリーダーシップを発揮して、その対策を進めていくでしょうか。
 それは受講する方への課題です。

 学校でいじめが減ることに〈たのしい教育〉は関係ないと考える人もいるかもしれません。しかし私は〈明らかに効果があがる〉と考えています。それはまたいずれ別の機会に書かせていただきます。この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉を応援することができます !

大人が楽しめる教材の開発は子ども達にとっても重要

 沖縄大学で開催されたシンポジウム「子どもたちの意欲が高まる関わりを考える」にシンポジストとして参加してきました。主催は〈大学コンソーシアム沖縄〉です。シンポジウム当日はかなりの雨でしたが、主催の方たちの力で会場は予想以上の人数で埋まっていました。

 本島内の講演や授業などはスタッフも参加するのですけど、この時は研究所主催のワークショップと重なっていて、わたし一人の参加となったため、その時の写真が手元にありません。主催者側に提供していただいた写真を利用させていただくことになるので、他の方が写っているものは加工を強くしてあります、ご了承ください。

 大学生の皆さんなどいろいろな発表が続き、私の順番が最後になっていたので、予定していた話(プレゼンテーション)を変更して実験をすることにしました。話の連続ではない流れにしたい気持ちになったからです。とはいっても、事前に主催者の方たちに伝えていた内容から脱線するワケではなく、「子どもたちの意欲が高まる関わりを考える」という筋の真ん中を走る内容です。

 スタッフが準備してくれている〈いっきゅう先生セット〉と表示されたファイルにはブーメランなど、いくつかの教材が入っているので、こういう時にとても役立ちます。

 これがその時の様子です。
 わたしが参加者の皆さんに語りかけたのは
「みなさん、今日のテーマは〈子どもたちの意欲が高まる関わりを考える〉ですけど、子どもの意欲を高めることと大人の意欲を高めることは、どっちが難しいと思いますか?」

 会場がざわめいていくのがわかります。嬉しいことに笑顔も広がっていきます。

「大人は、やらなければいけないことがたくさんあって、もしかするとこの場に参加してくださっている皆さんも、いろいろな役割りを背負ってここにいるという面も大きいのではないでしょうか?
 では、さっきの質問に手をあげていただけますか・・・〈子どもの意欲を高めることが難しい〉と思う方・・・」

 さて、会場の皆さんが手はどちらに多く上がったと思いますか?

 圧倒的に〈大人の意欲を高めることが難しい〉でした。

 この公式サイトのいろいろな記事を読んでいただければわかると思いますが、私は幼稚園の子ども達から、小学生、中学生、高校生、大学生、一般といろいろな方たちへの授業をしています。
 小学生と中学生の〈乗り・盛り上がり〉の具合いは明らかに違います。
 小学生は始まってすぐに乗ってきてくれます。
 中学生の授業はアウェイで始まる事も多々あります。夏など「なんでこんな暑い時にクーラーも無い体育館にみんな集められて授業を受けなきゃいけないんだ」、冬は冬で「何でこんなに寒いフロアーに・・・」という様な雰囲気も伝わって来る事も少なくありません。
 実はそれを次第にこちらの授業に乗せていくのが、わたしの快感の一つでもあります。

 中学、高校、大学生となると、〈簡単には乗らない〉という感じが強くなって行きます。
 盛り上がるハードルは年齢と共に上がっていくと言ってよいでしょう。

  ですから、大人が盛り上がってくれる様な教材を作ることができれば、それは〈子ども達も盛り上がってくれる〉といってよいのです。もちろん完全ではありませんが。

 さっそくブーメランを取り出して、予想を立ててもらいながら、実験をしてみました。参加してくださった皆さんも身を乗り出してくれました。シンポジストの方達も一緒に予想してくれた。
 どんどん乗って来たので、あらかじめプレゼントとして準備してあった「グルくん」の実験まで進みました。

 
 全部終わって会場の片付けに入るころ、たくさんの方達が個人的に話をしに来てくれました。うれしい評価がたくさんで、名刺入れに準備してあった名刺がなくなるくらい、いろいろな方達と触れ合うことができました。

 実力ある子ども達がたのしく元気に成長する。その流れが明るい未来を作るのです。もちろん大人の我々もたのしく元気に成長していきましょう。それができれば、子ども達に伝わらないわけがない、そう思っています。
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