授業の準備でドライアイスを買いにいく道すがら、美しく咲くトックリキワタの花が目に止まりました。背丈の高くない樹木にたわわに花を身につけています。
トックリキワタのメシベはピンクに輝いていてキレイです。 なのに「幹」はこんな感じで驚いてしまいます。
硬く尖った針の山が表面を覆っていて、アメフトのプロテクターみたいなものでガードしないと上れないのでしょう。
そのトックリキワタをめぐって、たのしい教育研究所によく顔を出してくれるA先生とのたのしい会話がありました。
きゆな先生、理科の時間に子ども達が〈先生、最近桜がたくさん咲いてるよねぇ〉と声をかけてくれて、それはトックリキワタだというお話をしようと、いろいろ調べたら、その名前の由来が面白くてですね・・・
「トックリキワタ」の〈トックリ〉は、お酒を入れる〈トックリ〉から来ているんですね。
キワタの〈ワタ〉というのが、沖縄ではお腹のことを〈ワタ〉というんですけど、お酒をたくさん飲むと、こんなお腹になるよ、ということで「トックリ キワタ」となったらしんですよ。
とのこと。
笑うと傷つく人もいるのですけど、おおらかなA先生のキャラを知っているので、遠慮せず笑ってしまいました。「誰から聞いた話なの?」と返してから
「トックリに似ているから、っていうのはそうなのだけど、〈ワタ〉はお腹のことではなくて、綿(わた)なの。
だから漢字で書くと〈木綿〉。
実が熟していくと、なかから弾けてたくさんの綿が表面に現れて、風にのってふわりと舞い上がり、種を遠くまで運んでくれるんだよ。
一度、それが舞い上がるシーンを見たことがあるんだけど、あたり一面白い雪が舞っているかのようで、それはそれは見事なのさ」
A先生は、子ども達に話す前にわたしに話してくれたとのことですから、ちょうどよかった。
ちなみに「桜に似ている」っていう感覚は子ども達だけでなく、トックリキワタは「南米桜」とも呼ばれて、いろいろな人たちに親しまれています。
まだしばらくは沖縄でも見事な色合いを見せてくれると思います。ぜひ近くにいって愛でてみませんか。ちなみに、幹に棘のない品種も出ているようです。
近くにないよ、というみなさんは、沖縄の高速道路で北向けに走らせていると、宜野座近くにたくさん並んでいたと思います。
南米桜が咲き終わると沖縄も本格的な冬に入ります。冬は冬でたのしいことを見つけましょう。