楽しさ考② 楽しいから笑顔が生まれる

前回の続きです。わたしが初めて足を運んだ場所にあった言葉です。
予想はたてたでしょうか。

 

額に掲げられた言葉にはこう書かれていました。

 

老人で一ばん 楽しいことは

 年令(とし)のことなど 忘れて

 好きなことに没頭(ぼっとう)することである

                    新福尚武

新福尚武(しんふくなおたけ)は老人医療の専門家

 

 

 研究所の講座では年齢に関わらずたくさんの笑顔が生まれます。そしてそれはとても素敵な笑顔です。

 

 授業の中では、子どもの様な表情もたくさん見ることができます。

 

 そして〈もっとこういう勉強をしたい〉という感想が重なっていきます。

 遊ぶことはたのしいけど学ぶことはたのしくない、それは勘違いです。たのしく賢く笑顔になる、それはたのしい教育研究所が数々実証して来た事実です。

 〈好きなことに没頭すること〉が一番たのしいことなのか疑問も残りますが、少なくとも、好きなことに没頭することはとてもたのしいことです。そして遊びだけではなく、学ぶことが好きになって、それに没頭することができたら、どんなに楽しさが深く広くなっていくことでしょう。
 そういう人たちを少しずつ少しずつ増やしていきたいと思っています。

 6月24日(日)はたのしい教育Cafeで、そのたのしさをお伝えしたいと思います。希望する方はお気軽に申込ください➡︎ こちら

楽しさ考①-「楽しさ」には〈喜び〉〈嬉しさ〉〈ワクワク感〉〈心おどる感覚〉〈笑顔〉などいろいろな表現形がある

 わたしは教育のプロフェッショナルですが、たとえば星空を学ぶ時でも、何らかの特訓でも、ものづくりでも絵画でも、たのしさが根幹だと考えています。カウンセリングでも、個人的な趣味でも人間関係でも〈たのしさ〉がそれを支えているベースです。
 人間は本来的に〈楽しいこと〉が好きなのです。それは私たち人間のDNAに刻まれた、行動の指針、別な言葉で表現すると〈道しるべ〉に違いないと思います。

 〈たのしい〉という感情は〈うれしさ〉であったり〈喜び〉であったり、〈心おどる〉感覚や〈ワクワク〉する感覚であったりと、その表現形はいろいろあります。そしてそれが形として出てくるのが〈笑顔〉です。

 病気で苦しんでいる人を助けたい。苦しみを和らげたい、笑顔にしてあげたい。人間は「そうしなければいけない」と教わったからそうしているというより、自然な行動としてその方向に進むものです。そして苦しんでいる人が笑顔になると、自分も嬉しくて笑顔になります。

 かつて私たちの祖先は、食べるものが足りなくて空腹に苦しんでいる子ども、家族に食料を届けるために全力を尽くしました。その食べ物を前に、子どもたち・家族は思わず笑顔になりました。

 

 女性の家事洗濯は今でも重いものがありますが、かつてそれは重労働でした。今では当たり前の様に存在する〈洗濯機〉ですけど、それが普及していった時、その周りでどれだけたくさんの笑顔が生まれたことでしょう。

 〈楽しい〉というと何かしら軽い感じを受けるかもしれませんが、楽しさは人間の行動の指針、道しるべであるといっても過言ではありません。
 わたしは時々〈たのしさとは私たちのDNAに刻まれた標識である〉と話しますが、ここに書いた様なことを含めて、そう力強く語っているのです。

 ところで最近、ある組織の代表の方に研究所の活動についてお話をさせていただいた時のこと、大きな額に掲げられた言葉が目に入りました。
 そこには「老人で一番 楽しいことは」と書かれていました。

 みなさんはこの中にどういう言葉が入ると思いますか?

まず1段目青の四角の中はどうでしょう。

たとえば・・・

 お金のことなど忘れて?

 過去のことなど忘れて?

2段目、桜色の四角はどうでしょう。

 仲間と語らうこと?

 美味しく食べること?

もちろんこの二つから選ぶわけではなく、自由に考えてみてください。

 〈たのしさ考②〉に続きます。
一緒に〈たのしい教育〉を広げて賢い笑顔を育てる〈簡単な方法〉があります。ここのクリックで〈応援票〉が入ります!

たのしい教育研究所の会議もたのしい/2018定期総会の様子 会議をたのしくする知恵と工夫②

 前回からの続きです。先日たのしい教育研究所の定期総会が開催されました。総会というと、昨年の予算がこうで昨年度の活動がこうで今年度の予算、仕事の見通しはこうだ、という様なものが中心になることが多いと思います。

 実際、定期総会の流れをweb検索すると、こういった流れの型いくつも出て来ます。

 たのしい教育研究所の定期総会の流れも基本的に、それと大きく違うことはありません。しかしそこで交わされている情報と参加者ののめり込み方は大きく差があります。 

 前回書いた様に、前年度予算に関してはスムーズに流れていきます。予算を数値化して、どの活動に予算をかけたか、かかったかがハッキリわかるようになっているので、研究所の活動目的に沿っているかいないか、すぐにわかります。また研究所の活動目的外の予算執行があれば見える様になっていますし、わずか一円五円でも、研究所のメンバーの複数の人々の厳しい目を通過していきますから、不正なことはできません。そういうわけで、その予算執行に関して承認するかしないか、短時間に結論が出ます。

 これは今年度の重要な議事〈前年度活動報告〉の様子です。

 

 担当者のA先生はこれを文字ではなく写真や動画で準備してくれました。参加者がとてもたのしみにしている時間の一つです。
 A先生が指差して説明してくれているところです。

 たのしい教育研究所が生み出して来た〈笑顔〉の多さ、そして、研究所のメンバー自身の〈笑顔〉の多さ、それがたくさんの写真などから伝わってきます。

 これはわたしがRIDEの過去の実績データをグラフ化したものを元に、今年度の活動について提案しているところ、グラフから見えてくること、そして、その伸びをさらに確かなものにするための具体的な提案が続きます。

 他にも事務的な内容がありますが、それらもヴィジュアル化するなど、工夫されていますから、さっとすすむところはさっとすすみ、みんなが時間をかけたいと考えるところはしっかり時間がかけられる様になっています。

  ところで、〈どうすれば会議がたのしくなるのか〉について、前回の記事のあと、さっそく質問が届いています。

「会社の中で、やる気のない人・意義を感じない人はどうしたらよいか」という相談です。

 いろいろな見方や考え方があると思いますが、私が考えていることのメインは次の二つです。

A.〈やる気のない人〉と簡単に言い切っているけれど、〈会社に、やる気のない人を雇い入れてどうするのか〉ということ、つまり雇い入れた人たちの能力と感覚を問わなくてはいけない、ということ

B.〈やる気がない〉と見られている人も、はじめから〈やる気がなかった〉〈その取り組みに意義を感じていなかった〉というわけではないのではないか? つまり組織がその人のやる気や熱意をそいできた側面はないか、ということ

A.ならそれはその会社・組織のスタート時点の不具合です。採用システムの改革が必要です
B.ならそれはその会社・組織の構造的な不具合ですから、全体的な改革が必要となります

〈やる気がない人の問題であり組織に問題ではない〉と考えていると打つ手は一つ二つですが、その組織・会社の後続を変えていくことで、方法はいくらでも出て来ます。組織のメンバーが〈たのしさや意義〉を感じて取り組む様になる組織づくりに力を入れることが重要だ、というのが私の見方です。
 そしてその組織づくりの根幹は〈予想チャレンジ/仮説⇨実験〉システムです。さらに詳しくティーチして欲しいという方は研究所の個別のスーパーバイズをお申し込みください。

閑話休題

 話し合いが終わると毎回恒例の〈おいしいオードブル〉が準備されています。どうしておいしいかというと、研究所のメンバーの手作りの逸品だからです。研究所には食べ物作りが大好きだという方が何名かいて、その味はプロレベルです。

 さらに学校や家庭で使える〈ゲーム〉をみんなでたのしむ時間もあります。

 〈会議〉は、誰か個人のアイディアや意見を超えて、たくさんの人たちの智慧を集める機会です。その会議がたのしくならないとしたら、組織にとってとても大きな損失です。会議がたのしいかどうかが、その組織の未来を決めるというくらい考えていてもよいかもしれません。

 いろいろな組織の皆さんが、参加者の笑顔があふれる会議を工夫していって欲しいと思っています。

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会議をたのしくする知恵と工夫/たのしい教育研究所の総会もたのしい 2018定期総会の様子 ①

 会議に重苦しい雰囲気を感じるのは教師をしてきたからだというわけではないようです。研究所を立ち上げて公務員以外のたくさんの人たちとの付き合いの中から、それらの会話の中から〈会議そのものがつまらない〉と感じている人たちがたくさんいることを肌で感じています。

 たとえば学校で会議というと、職員会議や学年会、生徒指導委員会をはじめとする種々の部会のほか、保護者会もあります。

 地域でも区民の会議をはじめ、婦人会、老人会、青年会など様々な会議があります。

 家庭でも〈家族会議〉があるでしょう。

 会議を充実させるためにどうしたらよいでしょう?

 そのためのアイディアを拾ってみるとこういう内容が見つかります。参考になることも多いと思います。

・会議の目的を明らかにすることが決定的に大事

・発言する時のルール・マナーが大切

・机の配置がカギを握る

・週明け、週末、昼食前後には設定しない

・資料を事前に読み込んでもらうことで活性化する

・長すぎる会議はNG

・会議の前にもう一度チェックする

etc.

 

 RIDE(ライド/たのしい教育研究所)の会議はそもそもたのしいのですけど、それがどうしてか、それはハッキリしています。

 基本的には二つです。

RIDEの会議

A.意義を感じている人が参加する設定にする

B.明るい見通し、いろいろな人の笑顔が生まれる様な展開を工夫する

 RIDEのメンバーはみんなで夢に向かってすすんでいる情熱集団ですから、これまで〈意義を感じないから出ない〉という人はいません。RIDEの周りのいろいろな人たちに声をかけることがあって、そういう場合に、参加を断りやすい工夫をしているのです。意義を感じないという人が参加するのは、その本人の時間を無駄にするだけでなく、全体としてマイナスが大きいのです。
 また、明るい見通しの持てない様な段階での会議は開かないという覚悟と、そうならない準備も大事です。
 たとえ話し合われるテーマが暗くて重いものであっても『どっちに転んでもシメタ、を本気で探す』ということがRIDEのテーマです、明るい見通しは必ず見つかります。
 たとえばそれが、その組織の解散であってもです。

 そもそも一度作ったものはずっと続ける、ということ自体がおかしなことで、板倉聖宣は〈仮説実験授業研究会〉を作った時すでに、その消滅も想定した会則を真っ先に記しているほどです。

仮説実験授業研究会会則

1. 目的・名称

本会は、科学的な・だれでもが信頼して利用できるような(検証可能な〉科学の教育・授業に関する法則の発見・確認を自的とし,これがために,会員その他の研究の交流・集積をはかるた めに設けられるものであって、当分の間その名称を仮説実験授業研究会とする。将来,会の内外に、科学の教育・授業に関する科学的研究の権威が確立されるようになれば「日本科学教育学会」といったものに吸収されることになるであろう。

 

閑話休題

 たとえ重い、暗い内容であっても明るい見通しが立てられる様なアイディアを出し合うのがRIDEの会議であり、わたしの場合には、そのための選択肢をいくつか準備して会議に臨みます。

 もしもそういうアイディアがない場合には、事前に二人、あるいは三人でアイディアを練りあって置くとよいでしょう。もしもそれもでない場合でも、参加するメンバーが、そういうアイディアを出してもらえる様な場にすると良いのです。

 先日、2018年度のRIDEの定期総会が開催されました。

 これは私が予算について説明しているところです。RIDEの予算に関しては数々の県や市の会計検査を経ていて曇りなしですから、サラリと進む内容の一つで、「一年間、こんな流れでした」という様にスラスラと語っている感じが伝わるかもしれません。メンバーは管理職や経営者もいますから、こういう数字に慣れている人たちも多いのですけど、異議などは一つも出ません。
 

 次回は、総会の様子をもう少し詳しくお届けしましょう。この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援票」が入ります!