楽しい島言葉「行く」と「来る」/県外の先生の怒りが和らいだ時

 恩納村の学校に勤めている時のことです。県外から嫁いできたA先生と職員室で珈琲を呑みながら語り合っていたとき、なんの拍子にかA先生が「私、沖縄の人たちの言い方で、とってもイヤなことがあるんです」という話を始めました。ずっと溜まってきた思いだったのでしょう。

 曰く「沖縄の人たちは〈行く〉を〈来る〉というでしょう、それがもうずっとイヤで・・・」

 なるほど「あとで行くからね」を「あとで来るからね」という親類のおばさんとか、確かにいるなぁ~

 独特の島言葉なら「これはそういう意味か」と理解できるのに、標準語の「行く」と「来る」が逆の意味として使うことが、A先生には許せなかったのかもしれません。

行く⇨    来る⇦

 なるほどね、すみません。

 と感じつつ、実はその話については、以前、別なシチュエーションで話をしたことがあって、それを伝えてみることにしました。

わたし
「沖縄の表現ではなく、たとえばこれまで学校で勉強してきた英語の表現で〈これ、ゆるせない〉というのはありませんか?」

 しばらく考えたA先生は「いや~、無いですね」

「アメリカ人って〈そっちに行くよ〉って言う時 I’m coming. って言うんですよ。相手の立場にたったいい方で、ごく普通に使ってるんです。
 沖縄の人たちって、アメリカ人の感覚に近いのかもしれませんよね(´ー` 」

 さすがのA先生も「アメリカ人の感覚はゆるせない」とは言いませんでした。

 きっと琉球・沖縄の人たちが、自然に相手の立場に立つことができる感覚ということも理解してくれたような気がします。

 言葉には、それを使う人たちの、ものの見方・考え方がダイレクトに残されています、まさに知的文化財です。

 すてきな表現、すてきなものの見方・考え方を、いろいろな人たちに伝えていきたいものです。

① 一記事につき1回の〈いいね〉クリックは「たの研」の大きな応援の一票になります!⬅︎応援クリック

② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

⭐️ 「いいね」と思った方は〈SNSや口コミ〉でぜひこのサイトを広げ、応援してください!

琉球の地図 300年くらい前の姿/無料で利用できます〈国立公文書館デジタル資料〉

 国立国会図書館や国立公文書館では著作権の切れたものを中心に無料で閲覧、印刷できるコンテンツをたくさんそろえていて、「私たちの税金で嬉しいことをしてくれている」という感じがします。
「私たちの税金で建てた公共施設なのに、なかなか利用できません」という相談があったりして残念な思いをしていたのですけど、こういういい仕事をどんどん増やしていってほしいものです。

 さて今回は300年くらい前の琉球の地図を紹介しましょう、国立公文書館が公開している「元禄国絵図/げんろく くに えず」の中に入っています、江戸幕府が1700年ごろにまとめた地図です。

 今から300年前の地図というのは、現在の最新の地図と比べてどれくらい似ているのでしょう?
 かなり形が違っていたり縦横の比が違っていたりするのでしょうか。
 みなさんはどう思いますか?

 これが300年くらい前の地図です、どうですか?
  全体的にみて、かなり現在の地図に近い形を描いていることにおどろいたのは私だけでしょうか?

 拡大してみていくとおもしろいことをいくつも見つけることができます。

 平安座島などもしっかり描かれていることは当然として、勝連半島から平安座島までは「干潟」と書かれています、潮が引くとこれだけ長い距離を歩いて渡ることができたわけです。
 もう一つ、達筆で読めないところもおおいのですけど「平安座」という名前はこの頃からあったわけです。

 勝連半島の根元には「具志河間切」という言葉も見えます、具志川(河)という名前はこの頃から定着していたわけです。

 今の那覇市あたりはかなり広い湖状態だったこともわかります。
 海と繋がっているので、海水が入り込んでいたのでしょう。
 海の魚もとれたのだと思います。

   
 みなさんも自分で開いていろいろ眺めてみませんか。

 ⇨ https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/view/detail/detailArchives/0301000000/0000000232/00

① 毎日1回の〈いいね〉クリックで「たの研」がもっと元気になる!⬅︎応援クリック

② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

⭐️ 「いいね」と思った方は〈SNSや口コミ〉でぜひこのサイトを広げ、応援してください!

読者の方からの嬉しいたより/賢治さんの「星めぐりのうた」考

 嬉しいことに公式サイトの読者の方から質問や問い合わせがたくさん届きます。
全て目を通し、直接返事ができない場合でも、その方がわかるように、記事内容に反映させています。

 今日も元気がでるたよりを受け取りました。

 いつもこのサイトを楽しく拝見しています。毎回毎回、新しい視点に刺激を受けています。

 今回も

 どこかの文献に残っていたものではなく、実際の言葉として伝える力のある子どもたちが増えていってくれることは、素晴らしいことだと思うのですけど、どうでしょうか。
 たとえば、焦っている、慌てている、困っている友だちに「よんなー よんなー どー」
そう言ってくれる子どもたちが増えてくる。
そういうことも、たのしく学んでくる子どもたちから広がっていくことでしょう。

という内容に深く共感しています。

これからもお身体に気をつけて、素敵な発信を続けてください!

 ありがとうございます。
 きっと沖縄県内にお住まいの方なのでしょう。

 こういう質問も届きました。

賢治さんの「星めぐりのうた」の詩の最後に「こぐまのひたいのうえは 空のめぐりのめあて」とあります。
こぐまのしっぽの方角に北極星があるのでは・・・
と気になります。
どうして「ひたいのうえは 星めぐりのめあて」とあるのでしょう?

 宮沢賢治作詩「星めぐりのうた」をご存知ない方もいると思うので歌詞をのせておきます。

あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の  つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。
オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、

アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。
大ぐまのあしを きたに
五つのばした  ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。

 曲はwikipediaで聴くことができます、作曲も賢治さんです ⇨ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8A%E3%81%AE%E6%AD%8C

 その方には直接、こういう内容の返事を送りました。

いっきゅう

いつも読んでくださってありがとうございます。
さて「星めぐりのうた」に出てくるその歌詞は、賢治さんの間違いだという人がほとんどです。

小熊座のひたいの上ではなく尻尾の先に〈ほしめぐりの目当て〉になる「北極星」があって、賢治さんは尻尾と頭を間違ったのだろう、というわけです。

他にも怪しいところがあるから、きっとそうだ、ということになっているようです。

でも、次の画像にあるように、こぐまの額の上には大熊座の「北斗七星」があります。
北極星はあまり明るい星ではなくみつけにくいので、たいてい「北斗七星」や「カシオペア」を目印にして北斗七星を探します。理科の星空の授業でも「まず北斗七星かカシオペアを探して、その星をめあてにして、こっち側に何倍すると北極星がみつかります」というように教えています。

ということで「こぐまのひたいの上」は北斗七星という「星めぐりの目当て」になる星座があるんだよ、というようにもよめると思います。
私は勝手に、そう考えています。

◯◯さんはどう思いますか?

 みなさんも、気軽にお便りをください。

① 毎日1回の〈いいね〉クリックで「たの研」がもっと元気になる!⬅︎応援クリック

② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

⭐️ 「いいね」と思った方は〈SNSや口コミ〉でぜひこのサイトを広げ、応援してください!

 

Googleマップがやめられない/安野光雅さんの故郷〈津和野〉をたどる

 〈たのしい教育メールマガジン〉にGoogleマップを活用した記事を書いていたら、地図フィル(地図を愛するもの)の高揚がとめられなくなって、封印していたたのしみに手を出し始めています。

 地図をたどり、Googleのストリートビューとの合わせ技で、何時間でもたのしめてしまいます。

 私が教師になったその年、体育の研修で山口県に派遣してもらいました。たまたま研修が早く終わって夜の話し合いまで時間があったので、大好きな安野光雅の生まれた〈津和野〉へ行けないかと、駅に向かいました。

 駅員さんに津和野駅までの時間を尋ねると「今出る列車に乗れば1時間くらいで行ける」とのこと、それを聞くとどうじにチケット購入&ダッシュで飛び乗ったのが、私が旅好きのスタートになりました。

 今のように便利なスマホなどありません。思いつきで飛び出したのでガイドブックなどもありません。
 太陽が傾いて、夕暮れ間近の津和野駅につきました。

 Googleストリートビューでたどってみましょう、これが津和野駅です。

 駅の向かい側に貸し自転車屋さんがあって、それを借りて回ろうかと考えたのですけど、いやいやせっかくだから自分の足で歩こうと、どこに何があるのかも知らないまま右側に進路をとりました。

 ストリートビューをみると、今も貸し自転車屋さんがありました。私がみたのがその店だったのかは特定できないのですけど、何となく位置的には同じに思えます。

 

 その時の記憶のままストリートビューでたどってみました。
 ここで私は川を渡ります、橋を渡る前のところに喫茶店があって、そこに入って店の方とおしゃべりしながら津和野の情報を仕入れました。周りをみても、もうその喫茶店はありません。

 そうやって大切な想い出をもとにたのしんでいると、2時間あっても3時間あっても足りません。

 午前中があっという間に過ぎていきました。

 次は、宮沢賢治さんの人生をたずねた時の足取りをたどってみようと思います。

 みなさんも行ってみたい場所があったら、地図&ストリートビューでたのしんでみませんか。 子どもたちにも伝えたい楽しみ方の一つです。

① 毎日1回の〈いいね〉クリックで「たの研」がもっと元気になる!⬅︎応援クリック

② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

⭐️ 「いいね」と思った方は〈SNSや口コミ〉でぜひこのサイトを広げ、応援してください!