美味しいパパイヤを食べながら 呼び方について考える

 友人がパパイヤの実を持って来てくれました。とても美味しくて、どんどん減っていきます。赤銅色に完熟したパパイヤは、沖縄に住んでいてもなかなか味わうことはできません。これだけの実を〈二酸化炭素と水と日光〉で作ってしまうのですから植物というのはすごい生物です。

 食べながら思い出していたことがあります。

 わたし〈いっきゅう〉の子どもの頃の話です。
 自宅にはパパイヤの木が何本かあり、毎年美味しい実をつけてくれていました。


 祖母・祖父はそれを「パパヤ」と呼んでいました。
 私もそのまま覚え、ある時、作文で普通に「パパヤ」と書きました。
 担任の先生はそれを読んで「パパヤではありません、パパイヤです」と書き直しを命じました。

 担任の先生に言葉の修正を命じられた私は、今度は「パパヤではなくて、パパイヤって言うんだよ」と、祖父母の言い方を訂正する役にまわっていました。

 温かくてやさしい祖父母だったからでしょうか、孫のその意見に反論はせず、しかし自分の言い方を訂正しようとはしていなかったと思います。

 祖父母が亡くなってあとのことです。

 アメリカ人の友人が何人かでき、その人たちと会話している時に「英語で言うと〈パパヤ〉に聞こえる」ということに気づきました。

 英語のスペル(書き方)を見ても〈 papaya パパヤ 〉となり、「イ」の音は含まれません。

 正式な学名も Carica papaya (カリカ パパヤ)です。

 祖父母は、私よりもずっと学名としてなじんだ呼び方をしていたのです。あの頃に戻ることができたら、「ごめんなさい」という言葉と一緒に「英語の言い方で、正しい学名的な読み方だったんだね、すごい」とたたえてあげたい気持ちがしています。

 教育界には「呼び方」をめぐって混乱することが多々あります。海外から来たものの呼び方は「この言い方が正しい」と決定づけるのは難しいのです。
 さっき書いた様に、パパイヤだってパパイアという言い方が存在しているくらいです。

「いいえ、たとえば植物の呼び方なら国の機関である農林水産省がいう通りに使わなくてはいけません」と考える人がいるかもしれません。しかし植物の表記を農林水産省の表記に統一しなくてはいけないという法律はありません。

 他にも例えば〈コンピュータ〉と〈コンピューター〉と、どちらが正しいのか難しいですよね。こういう場合には「両方の言い方がある」という様に理解すると良いのです。

 そうは言っても、何か基準となる様な名前がよい、ということがあるので、「とりあえず〈コンピュータ〉と書きましょう」という様にすすめるのはよいのですが、だからといって「〈コンピューター〉と書く人は間違いです」といってはいけません。英語の中でもコンピュータという単語はよく出てきます。たいてい「ター」と伸ばして聞こえます。

 ですから、そういう時には「こういう呼び方もあるけれど、こういう呼び方もある。だって、実際そう聞こえるんだから」という様に伝えて上げたほうが、より正確に近いと言えると思います。

 私が子どもの頃、そういう発想で教えてもらっていたら、祖父母の言い方を間違いだと思うことも無かったでしょう。そういう意味で、教師はより広く物事を見ていく必要があるのだと思っています。

 美味しいパパイア・パパヤを食べながら、そういうことを思い出していました。

 

 ところで、ウィキペディアの〈パパイア〉の項にこうあります。※ウィキペディアでは〈パパイア〉と表記しています

熟すると黄色い果実ができる。粒々の黒い種が中央の中空部分にたくさんあるが、種は取り除いて、周りの果肉を食べる。甘さが強く独特の癖があるので、レモン汁をかけて、酸味を加える場合もある。

果肉は、細く切って乾燥させ、ドライフルーツにすることがある。台湾(特に高雄)では、牛乳と果肉をミキサーにかけて混ぜた、パパイア牛乳が名物となっており、紙パック入りの商品もある。香港には黄色く熟れた実の先端をくりぬいて、壷状にし、スープを入れて蒸す料理がある。順徳料理のデザートとして、シロップ煮にしたパパイアがあり、同じくシロップ煮にした白木耳鶏卵などと組み合わされる場合もある。
 なお、除かれてしまう種子は成分が同一なことからワサビと同じ味がする

 

 なんと〈パパヤのタネはわさびの味がする〉というのです。
 今度ためしてみなくてはいけません。
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