前に紹介した安野光雅さんの〈子どもの季節〉を注文しました、という方からお便りがきました。2000円くらいするのですね。私が学生の頃手に入れた頃はいくらだったんだろう?
わたしのお金の単位(まとまり)は学生の頃から〈映画館の料金〉です。たとえば本なら、〈この本を買う代わりに映画を観ることができる〉とか〈映画一本分より高いけど買っておきたい〉とかいう様な思考回路が働きます。
今でも映画の料金を超える本を買うのは勇気が要りますから、学生の頃はなおさらだったと思います。それでも2000円近くする本を買ったのだろうか。もう35年くらい前なので、それよりけっこう安かったのだろうか?
貴重な本なので今は年に数回しか開かないのですけど、棚から取り出してみました。大切にしていても、これまで何百回も開いてきましたし、部屋に入り込む紫外線で焼けたりしています。しかしこの表紙をみるだけで、わたしの中には、1日中、なんどもなんども繰り返し開いた、あの頃の感覚が蘇ってきます。
〈岩崎書店 定価980円〉とあります。
35年の月日というのは、本の値段を二倍にしてしまうほど長い年月なのでしょうか、驚いてしまいました。そういえば新書版の本は、学生の頃300円代がほとんどだったのに、最近は700円とかがざらになっていますね。少し研究したいテーマです。
話を戻しましょう。
前に紹介した時にこのはじめのページにある〈さくら〉が描かれた作品を紹介しました。わたしが大好きな絵の一つです。
これはその終わりのページです。「やまのはる」というタイトルです。
竹馬にのった男の子が、女の子二人と話をしています。
わたしにとっては一枚の絵ではなく、開くたびに〈里山の暮らし〉が生き生きと目の前で動き始めるすばらしい絵で、声さえ聞こえてくるほどです。実はよくよく目をこらすと、ランドセルを背負って、きっと本を読みながら歩いている男の子も見えます。薄くわかりにくいので、わたしの想像なのかもしれませんけど…
安野さんの作品は、絵だけではありません。文章も魅力的です。また関心をもっているどなたかからたよりが届いたら、書かせていただきます。こちらの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-いいねクリック=人気ブログ!-⬅︎ジャンプ後のページでもワンクリックお願いします