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ものづくりの教育で大切なこと:仮説実験授業研究会代表 板倉聖宣〈ものづくり〉について語る

 板倉聖宣(仮説実験授業研究会代表)が〈ものづくり〉について語った内容を最新のメールマガジン「教師は辞めてもたのしい教育はやめられない」に載せたところ、いくつもの反響が返ってきました。

 研究所のメンバーにとっては〈基本中の基本〉としての見方・考え方ですけど、初めて読む人たちにはとても新鮮だったようです。
 少し紹介しましょう。

 たのしい教育研究所で開発した〈ものづくり〉もいくつか取り上げてもらった〈雑誌『たのしい授業』〉に掲載する時の判断について〈1990,12 高知県での講演 たのしさを求める教育の意義〉で語ったものです。

 『たのしい授業』に〈ものづくり〉を載せる時には、原則としてそれを作った人が「できる」といったって信用しません。一番初めに作った人がいくらうまく作ったってそれは怪しい。
 その人が名人かもしれない、だから信用しないんです。

 私どものような最も無器用な人ができたらこれは信用できる。

 私達の雑誌では、ものづくりで〈誰かが作ることができた〉という話があった時に、初めからできると信用のない2-3の人がやってみて楽しくできたら、それではじめて載せるんです。

 誰かができるといっても、それは怪しいんですから。

 『たのしい授業』に載せるようなものはそんな手間をかける。

 そうやって〈すべての人がまねっこしてできる〉ということまでにしてはじめて〈楽しい授業〉ということがうそでなく〈本当〉にできる。

 〈不器用な人にもできる〉ということが分かつてきた段階で『たのしい授業』にも載せていくんです。

 私どもが文部省その他の権威ある機関にお願いするととは〈楽しい授業ができたら教科書とか指導要領とかからはみでたっていいでしょ、そういうことは大目に見て下さいね〉ということです。

 でもその位のことは文部省だってちゃんと言っているんです。指導要領を見て下さいちゃんと書いてあるから。〈現場の教師の創意工夫を持ってやってほしい〉と。

 その位の見識は文部省は持っている。だって私を雇っているんだから。

※板倉聖宣はこの頃、文科省の教育研究所室長

 

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