海の自由研究-海の生き物をたのしむ/沖縄の海はなかなかすごい ②

 海の自由研究2回目です。ところで自由研究というのは宿題・課題を意味するのではありません。自分の興味関心にしたがって、いろいろなものを調べて、実験してたのしんでいくものです。

 身近な海に降りて、例えばここで紹介している様な生き物たちを写真に撮って、オリジナルの図鑑を作れば、みなさんだけの素晴らしい自由研究です。たとえば四年後、同じ場所に降りてみたとき、きっと皆さんだけが知っている変化に気づくでしょう。
 あるいは海に降りて撮った写真がきっかけで、もっと海のたのしさを味わって、いろいろなことを知るきっかけにもなるでしょう。

「沖縄の海はなかなかすごい」それは今回、私いっきゅうが強く感じた感覚です。
 沖縄の県庁所在地那覇市から海沿いをわずか5分ほど北上したところが、今回のフィールドワークの場所です。

 沖縄といえば青い海と白い砂のイメージ(下)ですけど、さすがに都会でその姿を期待するのは難しいものがあります。

 

 前回の場所は、ここ(下)。詳しく知りたい方は、前のページの地図に戻って確認してください。白い砂はほとんど見えません。
 

 

 降りて歩いてみると岩と岩の間に砂が見えています。
 水そうなどでは十分使えそうな砂ですね。
 真ん中の方に、魚の子どもが写っています。
 
 前回に続いて、生き物たちの写真を紹介しましょう。

 潮の引いた岩と岩の間にアマガイたちが集まっています。
 水分をできるだけ保つために太陽の光と熱をさけて、こういう感じで集まっていますから、海岸にいったときには、影になった部分を探してみてください。

 これはニシキウズガイ、沖縄で普通に見られる貝です。
 ちなみに、これは海水の底の方です。

 これはマガキガイ、沖縄ではティラジャーと呼ばれる美味しい貝です。

 大きなハマグリも見つかりました。
 ただしこれはカラの貝殻です。

 

 これは岩に埋まっているケイトウガイ。そのまま取るのは不可能です。
 ハンマーなどで割ってとります。美味しそうですけど、取るのは写真でがまんしておきましょう。

  前回も書いた様に、名前を特定するのは、図鑑やwebサイトを利用してもなかなか難しいものがあります。
 はじめのうちは〈巻き貝〉〈二枚貝〉〈海草〉などの様に大きく分類して写真をはるといいでしょう。

 海は人間をワクワクさせてくれます。きっとそのワクワク感はDNAに刻まれているものなのでしょう。
 泳ぐのもサーフィンも釣りもたのしいと思います。
 その一つに海の生き物たちを眺めることを加えてみませんか。たのしい教育に全力投球、RIDE( ライド:たのしい教育研究所 )です。この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援票」が入ります☆いいね☆

自由研究-海の生き物をたのしむ/沖縄の海はなかなかすごい ①

 大人の自由研究としても子どもの自由研究としても、海の生き物に親しむことはおすすめです。今回は沖縄の海の自由研究をお届けします。海が大好きな私なので長くなりそうな予感がします、何回かに分けて書かせていただきます。

 朝早く那覇市で一仕事済ませて研究所に向かう途中のこと、海を眺めていたら干潟が目に入りました。うまい具合の引き潮です。
 こういうタイミングに出会うのは貴重です、そのまま通り過ごすわけにはいきません。

 場所は那覇市の海岸沿いに宜野湾市に向けて新しく開通した湾岸道路、この赤の四角で印した那覇市から五分程度のところ、浦添市です。

 

 那覇市から南に行くと白い砂が続く場所がいろいろあるのですけど、那覇市やその隣りの浦添市、宜野湾市は都会なので、人口的なビーチでないと白い砂の輝きはなかなか見ることができません。

 しかし沖縄の海をあなどはいけません。降りてみたらきっと生き物がいろいろ見つかるはずです。さっそく降りてみましょう。

 邪魔にならない様に車を停めて、さっそく海へ。

 会議のあとなどでもこうやってすぐに海に降りることができるには、外見上は会議でも違和感無しで、実は底が車のタイヤの様な素材の靴を履いているからです。
 もちろん山もこれで歩きます。

 なかなか行けない沖の方まで歩いていけそうです。
 空も青く澄んでいて、夏なのに気持ちがいい風が吹いています。

 生物は貴重ですから、個体をそのまま獲るのではなく、写真に撮るのをお勧めします。
 そうやって記録したものは〈◯◯年◯月のどこどこの海〉という、とても貴重なものになるに違いありません。
 名前を特定するのは、本やインターネットの図鑑を利用してもなかなか難しいかもしれませんから〈貝の仲間〉とか〈カニの仲間〉という様にして、写真を張っていけばよいと思います。
 いつかもっと海の生き物が好きになって来たら、自分で調べることができる様になると思います。

 では、みていきましょう。
 いましたね。

 赤い目が特徴のイワオオギガニ。500円玉くらいの大きさです。
 どうも元気がない。
 もしかすると太陽の熱でうだってしまっているかもしれません。
 平たい石で影を作ってあげました。

 

これはカニモリの仲間でしょう。

 
海草類も生えています。
 素晴らしい。

 

これは先端が丸くて葉が太いのでリュウキュウスガモでしょう。
ジュゴンが好んで食べる海草です。

 サンゴが白化したものもみつかりました。
 つまり、しばらく前までは生きていたわけです。
 こんな都会にもサンゴは生きていたか。
 考えてみたら、研究所の近くの北谷町ももなかなかの都会なのに、すばらしい海の自然が残っていて、ダイビングでかなりたのしませてもらったものだ。

 書いていると、やはり、簡単には終わりそうもありません。続きはまた近々書かせていただきます。たのしい教育は末広がり! RIDE( ライド:たのしい教育研究所 )この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援票」が入ります☆いいね☆

自由研究 イルカとサメ 動物分類から広がる世界②

 自由研究というのは夏休みの宿題だからやる様なちっぽけなものではありません。「自由研究こそが本物の研究」で、それはたのしくてたまらないものです。
 前回のお話を読んで「とても興味深いです」というメールがいくつも届いています。おもしろいと思って自分で調べていくうちに、きっといろいろな発見が生まれるでしょう。たのしいと感じたら、それが生活を豊かにします。どんどんたのしいことを見つけていってくださいね。

 さて前回、イルカは哺乳類でサメは魚類だというお話をしました。
 それが、外見のどういう違いにつながるのか・・・
 いきましょう。

 哺乳類の仲間の身体の動きを見てみましょう。
 身体を移動するときのネコの動きです。哺乳類は基本的にこういう身体の動きします。

 もちろん足を動かして前に走っていくのですけど、線の部分〈背骨〉の動きを注意して見てください。
 地面から空の方向で見ると、体の骨を〈上下〉に骨を動かして前に進んでいます。

 

 

 ところが魚はそうではありません。

 これは魚の骨です。魚たちは地面に対してヨコ向きに身体をくねくね動かして進むのです。

 

 こんな動きですね。地面から空に向かう方向で見ると、上下ではなく横にクネクネひねりながら進んでいくのです。骨の構造がそうなっています。

 この向きの動きで水をかくとすると〈尾びれ:尻尾の部分〉は、地面から空に向かった方向に広がっていなくてはいけません。そうでないとうまく前に進むことができないからです。

 サメは魚類ですから、他の魚と同じ様な向きに尾びれがついています。

 ところがイルカは哺乳類です。

 背骨の動きはヨコにクネクネではなく、タテ向きに動かします。すると、魚の様な向きで尾びれがついていては、水を刀で切る様な動きになって、前に進むことができません。
 尾びれは地面と同じ向き、横向きについています。
 この写真で確認してみてください。

 これが、サメの様な魚類とイルカの様な哺乳類との大きな違いです。

 サメの尾びれを見てください。
 魚類は身体をヨコにクネクネ動かして進みますから、地面に向けてタテ向きですね。


 海で、サメかイルカか確認するときには、尾びれを見てください。
 こんな感じで背びれと尾びれが水面から出ているとしたらイルカではなくサメなのです。

  

 〈イルカかサメか〉、それは動物の進化の分類で整理していくとはっきりと違いがわかってきます。

 そうそう、前回の記事に載せた写真をもう一度見てください。
「あ、これは・・・だ!」と分かる様になっているのではないでしょうか?
 わかったとしたら、今回の内容がうまく頭に入った証だと思います。

 興味を持ってくれた方は、どんどん自分でも調べてみましょう。
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自由研究〈サメとイルカ〉-尾ひれから広がる世界 ①/興味が深まればいろいろなところから深く学ぶことができます

 〈自由研究〉の質問がいろいろ届いています。今回はテーマとして魚好きの方たちのヒントになる話にもなるでしょう。

 以前書いた「国際通りの近くの川でサメが釣れた」という話を書いて後、釣り人の知人とこんな話で盛り上がりました。

いっきゅう先生、海で近づいて来たものがサメかイルカか簡単に見分ける方法を知ってる?

 海中は陸上より視界が悪い上に、向こうは動いていますから、細かく違いをチェックすることはむずかしくなります。そんな時でもあるポイントを知っているとサメかイルカかわかります。


 顔を見ればわかる、確かにそうかもしれません。
 しかし例えば船からこういう姿が見えたらどうでしょう。イルカだと思えばよいのか、サメなのか? 今回の前後編のお話で、きっと見分けられるようになると思います。

 私はダイバー免許をもっていて海で実際にサメと遭遇したこともあります。
 サメとイルカの違いは、理科の時間のたのしい学習にもなります。すでにそれをお話のプランにまとめていて、メルマガで紹介しようと考えているところですけど、その始まりの部分を紹介しましょう。

 進化の違いに興味を持つきっかけ、あるいは自由研究のきっかけになると思います。

 「分類」というのは、人間の発想のおもしろさが表現される分野で、わたし自身、とても興味を持っています。植物の分類などもいくつか書いてきましたから、興味のある方は検索して読んでみてください。

 さて、2000年前のアリストテレスはまず〈血液のありなし〉で動物を大きく分類しました。
 血液のない動物がいるのかどうかについては、興味深い話になるのですけど、それはいずれ何かの機会に譲ります。

 今の動物の分類の仕方はアリストテレスの分類からかなり進んでいて、まず〈背骨のありなし〉で大きく分類しています。

 サメやイルカなどは背骨があります。
 背骨のある動物は〈せきつい動物〉と呼んで、それをさらに

魚類、両生類、ハチュウ類、鳥類、哺乳(ほにゅう)類

に分類しています。

 サメもイルカも海の中で生活しているから〈魚類〉だと思うかもしれません。しかし違います。

 サメは魚類、イルカは哺乳類です。

 ちなみに人間も哺乳類ですから、イルカは大きく分けると人間と似た仲間なのです。

 「それがどうした」と思うかもしれません。だって外からみた形は似ていますから、それが魚類でも哺乳類でもあまり関係ないではないか・・・そう思うかもしれません。

 しかし進化の流れから見ていくと、そうでもないのですよ。

 もともと生命は〈海〉で誕生しました。

 動物たちはもともと〈魚〉の様な暮らしをしていたのです。つまり〈魚類〉の仲間が脊椎動物のもっとも古い形なのです。

 それが進化して〈両生類〉〈ハチュウ類〉〈鳥類〉〈哺乳類〉という様に陸に上がっていきました。

 イルカたちの様に海に住んでいる哺乳類は、陸に上がらず、そのまま海で進化していったと考える人もいるかもしれません。
 しかし違うんですよ。
 海から陸に上がった私たち哺乳類の仲間たちが、水中の生き物をとって食べているうちに、海中で過ごすことに適した姿に変わっていったのです。

 ではイルカたちが〈陸に住んでいた時〉はどういう動物に似ていたのでしょう?
 科学者たちはその姿をはっきりと特定しています。

今のイルカたちがまだ陸上で暮らしていた頃はどういう姿だったか?

あなたの予想

 ア.ワニみたいな長い姿
 イ.像みたいな鼻が長い姿
 ウ.キリンみたいな首の長い姿
 エ.その他

どうしてそう思いましたか?

 

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お話 イルカの祖先

 イルカたちの元の姿は、犬に近い外形をしていました。

 イルカの祖先はすでに絶滅したメソニックスという動物です。
 犬にとても似ています。

 信じられない、と思うかもしれませんけど、科学の研究の中で突き止められてきた事実です。
 
これが次第に姿を変えていく過程のメソニックスです。

 ぜひ自分でも進化の流れを調べてみるといいですね。

 さて、今のイルカたちは、外からみるとサメに近い姿形をしています。

 実はこの進化の中で、魚の仲間ととても違う場所がハッキリとわかります。

長くなりましたから、続きは次に書かせていただきます。
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