「人の話は最後まで静かに聞くのが大切だ」は、どれくらい大切なのか? たのしい教育メールマガジンから 板倉聖宣の語ったこと

 毎週発行している〈たのしい教育メールマガジン〉が好評です。今回はその中からタイトルにある「人の話は最後まで静かに聞くのが大切だ」という、ごく普通の教育に疑問を投げかけた板倉聖宣の話の一部を紹介させていただきます。

 みなさんもきっと〈最後まで聞く〉という指導を受けたことがあるのではないでしょうか?

 わたしいっきゅうにはこういう思い出があります。
 中学の英語の時間です。
 窓側の席だったわたしは、突然降り出した雨の音に
「あらら今日傘もってないんだけど・・・」と外を眺めたわけです。
その瞬間
「おい、きゆな、立て。
 今、先生が説明している時に外を見ただろう!」
と、その後、今なら〈この先生、減給処分間違いなし〉という様な指導を受けました。

 空手家を目指していたわたしは心が折れることはありませんでしたが「人の反射行動まで否定するこの教師は間違っている」と心に刻んだ思い出です。もしかすると、わたしが学生時代に英語が大嫌いになった一因かもしれません。

 今ではここまで極端な先生はもういないでしょう。
 しかし〈威圧度の違い〉はあれ「人の話は最後まで聞く」という指導はずっと続いているのではないでしょうか。

 もちろんその大切な意味があるでしょう。最後まで聞いて理解できることもあるからです。

 ところが、別な考え方もあります。
 それを知っておくことで教育者として、また親としての力も格段に高まると思います。
 板倉聖宣が1985年、今から40年くらい前に語った話です。
 メルマガやこのサイトに書かなければ、もしかすると忘れ去られてしまうかもしれないという考えもあって、研究所のIM先生と一緒に、広くいろいろな人たちに触れてもらいたいという内容は積極的に出していこうという判断の元に掲載しています。

板倉聖宣

 文章を読むということは、途中でわからなかったら立ち止まる。

 読んで分からないところがあったら、先に行けないというのが人間でしょう。

 

 人の話を聞いているときですら、ぼくはそうです。

 ぼくはわからない話を最後まで聞く能力がありません。

 

 わからなければ途中で質問したりして結果的に相手の話を折っちゃうこともあるんだけれども、ぼくはそれが人間らしいと思うんです。

「人の話は最後まで静かに聞くのが人間だ」という人がいたりします。

「その方が相手を尊重することだ」というけれども〈意味もわからなくて聞いている〉なんて相手に失礼です。

 

出典 仮説実験授業研究会ニュース1993年 別冊

 「必ずこうだ!」という絶対的なものとして指導することは、大抵失敗するようです。教育的な指導は科学的に導かれたものではなく、経験上こういうことがいえそうだ、という様なものが多いからです。

 いくつかの見方や考え方をもっていることで、教師、親としての力も高まり、魅力も高まっていくことでしょう。

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満員御礼〈沖縄県グッジョブフェア:いっきゅう先生のワークショップ〉+ 準備をたのしむ先生たち

 たのしいキャリア教育をテーマに沖縄県のグッジョブフェアで、わたし〈いっきゅう〉が来る7月1日(日)にワークショップを担当します。月曜日に申込みがスタートして翌日火曜日にはほぼ満杯となり、人数を増やして受付けていましたが、今は申込みできない状況になっています。満員御礼申し上げます。
 主催がRIDEではなく〈沖縄県〉なので勝手に人数をさらに増やすことはできませんが、毎回、当日のキャンセル待ちで受付で待機してくださる方たちがいて、参加できることもあります。
 前半の小林さやかさん(映画〈ビリギャル〉主人公)のコーナーは申込みできるそうで、宣伝して欲しいという要望も届いています。興味のある方はぜひ申込みください。

 

 さていつもの様に、グッジョブ当日に向けて、いろいろな学校の先生たちと知恵と工夫を重ねています。
 その時間はとてもたのしい時間です。

 こういうすてきな先生は、たのしい教育研究所の宝ものです。
 日曜日の授業の日、この先生たちと一緒に、いろいろな人たちの賢さと笑顔をたくさん育てたいと思っています。

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絵本「けっこんしき」-絵本の可能性はまだまだ広がる たのしい教育Cafeで大人気

 インクルーシブ教育をテーマにした〈たのしい教育Cafe〉でM先生が紹介した絵本「けっこんしき」が大いにうけて、何名かの先生がすぐさま注文を入れているほどでした。

 その後、問い合わせもありましたので、このサイトでも紹介しましょう。

 

 絵本の副題が〈おでこはめえほん〉。

  絵本を開くと、まずこういうページになります。

 

これは、まさに絵本をおでこにはめようとしているM先生です。

 

おでこはめ絵本「けっこんしき」

 

 めくるたびに、けっこん式場に参列した、いろいろな人たちに変身してしまう絵本です。

 海賊の船長も参列しています。これは絵本の紹介サイトにあった写真です。

 みごとなアイディアだと思いませんか。
 絵本の可能性はまだまだ広がりそうですね。

  M先生は、この絵本で小学校の1年生から5年生まで、読み語り、特別支援の子も普通学級の子も、みんな一緒に楽しんでくれたそうです。

 注文したい方は、こちらからどうぞ! ⬇︎

けっこんしき (おでこはめえほん)

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自由研究にもつながる仮説実験授業〈足は何本?〉他-たのしい教育cafeスペシャルの様子①ー子どもも大人も一緒に賢く笑顔になる〈たのしい教育〉はインクルーシブ教育が目指す姿

 たのしい教育cafe 6月は〈インクルーシブ教育〉をテーマに、大人も子どもも一緒にたのしく盛り上がりました。小学校低学年の子から大人、教師まで一緒にたのしく賢く盛り上がることができる教材がいくつも紹介され〈これがインクルーシブ教育です〉という言葉に、参加した先生たちが深くうなづいてくれていました。

 子ども達の特性によって細かく分け、特別支援のクラスをいくつも作り続けていくのではなく、どの子も同じ教室で学びながら賢くなっていく。
 たとえば〈言語的なレッスン〉が必要な子が週に数回、専門の先生から学ぶ時間などがあったにしても、ほとんどの時間はみんなと同じ場で学ぶことができる。それが〈たのしい教育〉です。そしてそれが未来の教育だと思っています。

 今回の〈たのしい教育Cafe〉の内容をいくつか紹介しましょう。

 これは仮説実験授業の授業書〈足はなんぼん?〉の様子です。特別支援コーディネーターをしているA先生が授業してくれました。

 虫たちの足の数に目をつけて、動物分類学の科学的な基本を学ぶ授業です。教師をしていた頃、この授業を発展させて〈自由研究〉にしてきた子どもたちが何人もいました。興味のある方は、ぜひいつか次のチャンスをねらってください。

 授業がはじまると、たのしい授業内容に大人も子どももみんなのめりこんでいきました。

 この写真は、教室の周りので何種類くらいの〈アリ〉がみつかるのか、それらのアリの足はみんな同じ数かを予想してもらっているところです。
 大人も子どもも、一緒に予想を立てて、自分の考えを出し合っていました。

 予想を立ててあと、教室から外に出て、みんなでアリ探しです。

 これは大人。
 子どもたちと同じ様にアリ集めに熱中しています。

 

これは子ども。
大人も子どもも子どもの様にたのしく〈アリ探し〉しています。

 

 

 小さな袋に入れたアリを教室に持ち帰って、アリの観察がはじまりました。
 たまたま隣同士になった大人子どもペアで仲良く調べています。みんな一緒にたのしく賢くなっていきました。

 

 これはたのしい教育研究所でよくとりあげる〈皿回し〉の様子です。

 

 しばらく練習時間をとると大人も子どもも大はしゃぎ、加工してあるので見えづらいかもしれませんけど、大人も、子どもの様なとてもステキな笑顔です。

 

 子どもたちはというと、天下を取ったかの様な喜びようです。

 学校関係の方たちの中には「〈皿回し〉なんて単なる遊びでしょう」と思う人もいるかもしれません。この笑顔を見ていただければ、それでも十分とりあげる価値があると感じてくれる人も多いのではないでしょうか。

 それにあわせて、たとえば小学校の新学習指導要領の体育の目標である〈豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を次のとおり育成すること〉ととらえたり、各学年の目標の筆頭に掲げられた「各種の運動遊びのたのしさにふれる」ことをテーマにとりあげたりすることも可能です。ルールを決めて体育の中の〈ゲーム〉の内容として扱うこともできます。
 また教えあい学びあう活動として取り上げることもできるでしょう。
 「どうやって回し方を伝えたらよいだろう」というテーマで国語の説明文の教材として使うこともできるでしょう。
 もちろん「英語活動」として〈スピン:回転〉〈スティック:棒〉〈皿:ソーサー〉などの、日常使う単語の体感的レッスンとして扱ってもものあがると思います。

 たのしい教育が突破するものはとてもたくさんあります。ぜひたくさんの方たちに、体験していただきたいと思っています。来る日曜日7/1午後は沖縄県主催の〈楽しいグッジョブフェア〉で授業をします。6/25(月)からWeb申し込みがスタートしています。興味のある方はぜひどうぞ⇨ こちら

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