自然をたのしむ達人 甲斐 信枝(かい のぶえ)さん 学校の先生たちへ紹介すると大きな反響

 研究所の所内研修で取り上げた「甲斐 信枝(かい のぶえ)さん」という人物がいます。現在86歳、現役の絵本作家です。

 ホントに根っからの野草(本人は「雑草」と呼んでいる)好きです。
 いわゆるポーズで「雑草が好きだ」と言っているのではないことが、この人の語る言葉や表情、表現からはっきりとわかります。

 とても魅力的な人物なので、学校の先生たちにも紹介しました。これはその中の一枚。

 子ども達は生活科や理科などで、植物のことをたくさん勉強します。けれど、こういう〈たのしさの感覚〉はなかなか学ぶことができないと思います。こういうたのしさを伝えられる先生達を少しずつ少しずつ増やしていきたいと思っています。

 甲斐さんの絵本はきっと学校にもあると思います。いくつか紹介しましょう。

 

 甲斐さんが植物たちとたわむれている様子が「足元の小宇宙」というタイトルでテレビ番組になっています。youtubeなどでも見ることができると思います。1日一回の「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-〈人気ブログ〉いいねクリック⬅︎ジャンプ先のページでもワンクリックお願いします  

 今週のメールマガジンでも取り上げる予定です。購読者の皆さんはご期待ください。メルマガの注文⇨ こちら(クリック)

必要性も知らず計算するような人間ではいけない

 最新号の〈たのしい教育メールマガジン〉に書いている記事を少しUPさせていただきます。仮説実験授業研究会代表・日本科学史学会会長 板倉聖宣が語った内容です。数学教育協議会(数教協)で語った内容ですが、相変わらず迫力満点です。

 たとえば、クラスの平均身長をわり算でだしなさいという問題が出されたときに、なぜ平均身長をださなければならないかわからなければ、平均値の計算をしない方がよいのです。
 もしクラスの平均の身長を出して、そのあと座高を出してイスの大きさを決めるというなら、これはクラスの平均を出す意味がありません。全員が同じイスに座るわけではありませんから。クラスの平均値を出して、その平均値に合ったイスを揃えるなどという発想がおかしいわけです。イスを揃えるなら〈どういう区間に何人の子どもがいるか〉という統計をとらなければいけないのです。
 そのことを知らないですぐに〈わり算〉をしたり〈かけ算〉をしたりして答を出してしまう人がいる。これは困ったものです。
 そういったことをはっきりさせてやれば、こういう場合にはこういうことをしなければならないということがわかってきます。そういう様に、子どもたち自身が「ああ、学んでよかった」ということが授業の途中でわかってくるような、そういう内容をとりあげて教える必要があるのです。
 ところがその点、数学教育というのは、昔から教えることがだいたいきまっているような感じがするのですからいけません。なんとなく教えていて「昔からオレも教わって知っているんだから、これからの子どもも知っている必要がある、どうせ入学試験にも出るんだからなあー」ということになってしまう。

 子どもたちがわかるに値すると思ってこれることを教える。そのことをはっきりさせなければなりません。

1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!

 

たのしい〈楽描きコンテスト〉のすすめ 

 たのしい教育研究所の講座やたのしい教育Cafeなどで何度か取り上げてきた〈たのしく描く〉⇨〈楽描き〉をたのしんでいる様子がメールで送られてきました。五味太郎の「らくがき絵本」を利用して簡単にたのしむことができます。このサイトでも何度か紹介しています。たとえば ⇨ こちら 「らくがき」は普通「落書き」をイメージしますが、たのしい教育研究所では〈たのしく描く〉⇨「楽描き」という表現をオススメしています。描くこともたのしく! です。

 今回送られて来たのは、その中の〈アイスクリームパフェをかこう〉というページに挑戦している時の様子です。

 写真からも集中している様子が見えてきませんか。

 アウトドア派の元気な少年たちも、とても熱心に描いていたそうです。担当の先生は、その姿に感心したとのこと。

 この楽描きコンテストは、何しろアイディアが勝負ですから、絵が上手だという子が上位にのこるとは限りません。きっと子どもたちのたのしいアイディアに感心することと思います。1日1度の「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!

 楽描きコンテストを全校で実施して〈グランプリ賞〉まで選出しようと取り組んでいる学校もあると聞き、ますますたのしい教育活動が広がる春を感じている、今日この頃です。

 みなさんも、たのしい授業の様子をどんどんお届けください。個人情報に配慮して、必要に応じて加工した画像を掲載します。
 

 

 

 

たのしいということは程度が高いということ、応用範囲が広いということ 板倉聖宣

 板倉聖宣の発想法を読みたいという方からのお便りがいくつも届いているのですけど、なかなか書くことができませんでした、すみません。今回は、たのしい教育は〈おもしろおかしいもの〉ではなく本格的なものである、ということに関連して、板倉聖宣が語ったことを紹介させていただきます。数回前に、わたしが先生方に〈原子分子〉の話をした記事を載せましたが、そのこととも関連しています。最新号のメールマガジン「たのしい教育はやめられない」に書いた内容から少し抜粋したものです。タイトルにあるように、たのしい教育とは「程度が高い」ことであり、「応用範囲が広い」ことである、という内容です。

 今の子どもたちは学校の勉強というのが嫌いじゃないのです。高級なこと、程度の高いことを教わるのが大好きです。
 ボクは小学5、6年生のころに〈原子や分子が見えるメガネがある〉というウソの話を読んで感動しました。それで大学に入っても、ずっと原子や分子が見えるような錯覚におちいっていました。ボクの頭の中では原子や分子が動いて見えるんです。
 そこでボクは。子どもたちに向けて『もしも原子がみえたなら(国土社)』という絵本を書きました。ボクが〈原子や分子が見えるメガネがある〉ということを学んだのは小学5、6年生のころです。ですから、そのくらいの子どもが読んでくれたらいいと思って書きました。
 ボクが子どもの頃に読んだ本よりずっといい本です。なにしろ私が書いたんですから(笑)。それはなにも私が優れているんじゃなくて、人類全体が進歩したんですね。私が読んだ本が出たときにはまだ原子模型なんかの研究が進んでいませんでしたから、その後の研究成果を受け入れれば、もっといい本が書けるわけです。
 教科書に出てくる単元と重なるわけではありませんが、仮説実験授業のかなりの方が、その授業をやってくださっています。小学5、6年生で教えるだけじゃなくて3、4年生で教えたり、1、2年生で教える、幼稚園で教えるーーというふうになってきています。
 原子分子なんていうのは見えないんです。だから、やり方によっては押しつけです。だけど私たちは社会的に確かだということは受け入れる能力があるのです。
 子どもたちが「ウソだい」と思うことを無理に教えたら押しつけになります。しかし子どもたちが学びたいと思うことなら、逆に〈教えないぞ〉といういことが押しつけになります。それで私たちは小学校1、2年生でも原子分子を教えちゃうんです。

1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!