たのしい教育研究所の野草たち-研究員だより-

 植物が大好きな方が、素敵なお花を届けてくださいました。
 わたしは思わず「あ、猫じゃらし!」
 元気な〈エノコログサ〉たちが並んでいます。
 夏に向けてすくすく育つ野草たちの様に、たのしい教育研究所も伸びていきたいと思います。

エノコログサ

  エノコログサ(狗尾草、学名Setaria viridis[1])は、イネ科エノコログサ属植物で、一年生草本である。ブラシのように長い穂の形が独特な雑草である。

夏から秋にかけてつける花穂が、に似ていることから、犬っころ草(いぬっころくさ)が転じてエノコログサという呼称になったとされ、漢字でも「狗(犬)の尾の草」と表記する。ネコジャラシ(猫じゃらし)の俗称は、花穂をの視界で振ると、猫がじゃれつくことから。穀物アワ(粟)の原種とされ、交雑もよくおこる[2]

 wikipediaより

たのしい教育としつけ

 たのしい教育研究所に〈たのしい教育〉の実践方法を学びにくる先生たちから、いろいろな便りが届きます。「四月からさっそく〈自由研究こそ本物の研究〉をテーマに授業しています」とか「研究所で教えてもらった〈出会いのたのしい教育〉を試して大好評です」という様な便りも届いています。
 そんな中、ある方からこういう質問が届きました。

 たのしい教育で子ども達とのいい関係もできつつあります。であえてよかったです。
 ところで〈たのしい教育〉を実践し、子ども達と盛り上がった後に普通の授業にもどる、という時、気をつけておいた方がよいことはありませんか?

 「たのしい教育」は面白おかしい教育ではなく、子ども達の興味関心を高め、その教材を深く味わい、感動を伴って学んでいくことができる教育です。たとえば〈国語の本読み〉をたのしく行ったり、〈地図記号〉をたのししく学んだり、〈かけざん九九〉のすばらしさをたのしく学んでいける教材がいろいろそろっています。しかし実際問題として、そういう様に興味関心を高めていく授業ばかりではなく、単調な漢字の書き取りや、単元テストなど、これまでの様なごく普通の授業をやる場合もあるでしょう。ですから、この方の質問の様に、この後どうしようか、と考えてしまう方も少なくないと思います。

 教師として、カウンセラーとしてたくさんの先生達のスーパーバイズをしてきた経験上
「たのしい教育で子ども達の興味関心を高める中で人間関係が出来上がっていくと、少々無理なお願いも聞いてもらえて、逆に、強制や押しつけをベースにした関係づくりをしていくと次第にうまくいかなくなる。それがひどくなると学級崩壊につながる危険性が高い」ということが言えると思います。

 たのしい教育教材を実施していて、たとえば国語の時間に「たの作」という〈たのしい作文指導〉をしていて、あっという間に時間がきてしまい、「はい、じゃあ、今日の〈たの作〉はここまでです。次回をたのしみにしていてください。後半は宿題にしていた国語の〈本読み〉をやるよ」という展開も特に違和感なく子ども達に受け入れられるようになるでしょう。

 逆に、子ども達の興味関心はそっちのけで、〈とにかくこれをやるべし〉的な授業が続いていくと、いわゆるよい子ちゃんたちはついてきても、自分の興味関心を大切にしている元気な子どもたちのフラストレーションは高まっていくことになります。時代が進むにつれて必然的に、子どもたちも〈今の自分の幸福感〉を大事にするようになってきています。命令や押しつけに従うような子どもたちは減ってきているのです。その変化は素晴らしいことで、そういう子ども達が満足してくれるような上質な教育内容を提供していくことが大事なのであって、〈今の子ども達はいうことを聞かない〉とか〈わがままだ、生意気だ〉という見方には賛成できません。そのことについてはまたいずれ書かせていただきます。

 話を戻して…
 学校や教師の都合、それから〈たのしい教育の教材の関係〉もありますから、いつでもでこでもたのしい教育とばかりはいきません。ですから、たのしい教育で子ども達の興味関心を高めるような授業ができてきたら、こちらの都合をちゃんとお願いするといいのです。押しつけや強制をベースにした授業をしている先生よりも、聞いてくれると思います。

 具体的に書きましょう。

「今日の前半は〈たの作〉で、後半は〈本読みのテスト〉ね」と話してあったのに、後半の時間も多くの子ども達が「たの作をした〜い!」と要求してきた。そういうときには「そうもいかないのよ、だって先生、本読みの成績つけなきゃいけないんだからさ」とニコニコ話してあげるといいと思います。
 もちろん場合によっては「みんな、なかなか作文が止まらないようなので、あと15分延長して、本読みのテストは、今後の時間と次の社会の時間のはじめの5分くらいを使うというのでもよいですか?」と聞いてみる方法もあります。こういう場合は多数決ルールでいく、という雰囲気も作っておくとよいでしょう。

 では「多数決に従わない。どうしても自分は作文がしたい」と強く主張する子がいたらどうしますか? 「そこはさ、みんなと同じ様にしてちょうだいよ」と頼んでも引かない子です。
 わたしのおすすめは〈その子に選択肢で問いかける〉ということです。
 「じゃあ〈休み時間にテスト〉〈帰りの会でテスト〉のどっちにする?」というようにです。

 勘違いしてはいけないのは、その子は「授業したくない」と言っているわけでも〈授業を破壊しよう〉としているわけでも〈教室から逃げ出そう〉としているわけでもない、ということです。
 子ども達は大人と比べて自分の気持ちを丁寧に伝えることが苦手ですから、ついつい乱暴な口調になったり、ふてくされた態度をとってしまているかもしれません。しかし、もしも子どもが丁寧に話すことができたとしたら
「先生、今やっとボクは作文を書くのがたのしくなってきたんです。この国語の時間はどうしてもこのまま作文を書いみたいんです。ボクの本読みのテストは休み時間にやってもらえませんか?」と話したかもしれません。一般には作文を書くことは苦手な人たちが多いわけです。それを〈作文を書くことがとめられないです〉と言っているわけですから、その子の成長にとって、明らかにプラスだと思うのですけど、どうでしょうか。
 ちなみにこの事例はフィクションではなくて、〈たの作〉をたのしんでいる先生の教室で実際起こったことです。

 たのしい教育で子ども達の興味関心も高まって盛り上がってきた。次はごく普通の授業である。そういうときには「いろいろな授業をもりあげたいな」と思いつつ、それは今後の自分の目標にとどめておいて「はーい、みんな、次は◯◯だからね」と、にこにこしながら伝えてあげてください。

 たのしい教育を進めて行く中で、子どもたちとの人間関係もよくなり、必要だと思う躾けも伝わっていく様になると思います。

 ということで、今回はここまでとします。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!

  
 

 

 

 

たのしい自由研究のためにも、気をつけたい身近なキケン生物〈キドクガ〉

 ミツバチの安全性について書いたところ、予想以上の反応が返ってきました。以前、顔いっぱいにミツバチをつけている〈ミツバチおじさん〉という人がいたそうで、そのわけがわかったと書いてくれた方もいました。今回は逆に身近な危険生物について書きましょう。

 理科を教えている時は、みんなでよく散歩しながら草花ウォッチングやバードウォッチング、海岸ウォッチングなどをしていました。海は海で「これは避けようね」という生き物がいますが、全体的にみて、春先にもっとも注意しておきたいのが草はらで出会う〈キドクガ〉です。毒蛾の種類には〈キドクガ=黄毒蛾〉と〈チャドクガ=茶毒蛾〉がいますが、沖縄で出会うのはキドクガが圧倒的に多いのです。成虫も幼虫(毛虫)もどちらも毒があるのですけど、子ども達が被害に会うのは圧倒的にキドクガの〈幼虫(毛虫)〉です。

 いかにも毒毒しい色合いなので、見たことがある、という人も多いのではないでしょうか。この細かい毛に触れるととても痒く、湿疹も出ます。

 毛虫の体長は2-3cmくらいです。

 モンシロチョウの様に偏食ではなく、雑食性なのでモモタマナやハイビスカスなど、いろいろな植物の葉で見かけます。この色などを見て、触ろうとする子どもはほとんどいないのですけど、知らずに、毒のある毛に触れてしまうことがあるので注意が必要です。

 もしも毛がささったら、ガムテープなどで毛を取り除いてから、洗い、氷などで冷やすとよいでしょう。学校なら保健室に必ず行ってくださいね。

 キケンな生物を知っていれば、それを避けることができます。
 たのしむためにも、こういう知識は大切です。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!

ミツバチは危険? たのしい暮らしの知識

 ミツバチは野原まで行かなくても学校や公園などで普通に目にします。鋭い針があって刺されるけっこう痛いので、子ども達や先生たち、保護者の皆さんの中には〈怖い生き物だ〉というイメージをもった人も多いと思います。

 学校では「喜友名先生、花だんで観察をしようと思って、子ども達と行ってみたらミツバチが何匹もいたので観察できませんでした」と相談にくる先生たちもいましたし「先生、ミツバチ退治してぇ」と訴えにくる子どもたちもいましたから、〈ミツバチ は 危険生物〉だと思っている人たちは何人もいるでしょう。

 しかしアウトドア派としての長年の経験上からいうと、スズメバチと違ってミツバチは、こちらから刺激しなければ刺されることはありません。外国で攻撃性のあるミツバチがいる、という話は耳にしたことがありますが、日本でそういうミツバチの話は聞きません。
 学校にいると外での作業も多く、草刈りをしているそばでミツバチが飛び回っている、ということも多々あります。それでも刺された経験は皆無です。これまで一度だけ刺されたことがあって、それは子どもの頃、両手で包む様にしてとろうとした時です。痛みも腫れもありましたけど、薬局の薬を塗ってからまたそのまま遊び回っていたのを覚えています。

 ミツバチに刺されるのではないかと心配して質問にくる先生たちには
「ミツバチを払いのけようとして手を振り回すと、ミツバチ側には〈攻撃してきた〉という感覚で、もしかすると刺されてしまう可能性がありますけど、観察していたり、他の作業をしていたりする中で、ミツバチ側から攻撃をしかけてくるということは、経験上〈ほぼありません〉」
と答えるようにしています。

 危険なハチはスズメバチです。スズメバチは大きさ的にもミツバチとかなり違いがあります。この写真の左、大きい方がスズメバチ、その右側で飛んでいるのがミツバチです。

 スズメバチは大量に毒を注入するので、年間何十名という死亡者が出ています。ですから、スズメバチを見つけたら急ぎ、非難する必要があります。家の近くにいる場合は、強力な駆除スプレーも市販されていますから、それを利用した方がよいでしょう。学校でも、学年の始まりに、

 ミツバチに刺されて死亡したという話はこれまで聞いたことがありませんが、毒は毒なので、アナフィラキシーショックとかいろいろ心配する人もいるかもしれません。インターネット上では〈ミツバチの方が大変だ〉というような書き込みもありますから、心配になる人もいるでしょう。
 では実際にミツバチに刺されて死亡した人がいるのか、いろいろ調べてみました。結局、ミツバチに刺されて死亡したというしっかりとしたデータに行き着くことはできませんでした。
 そういう中に「都会のスズメバチ」という詳しいサイトがあって、統計データなども載っているのですけど、それにはこうあります。
「ハチに刺されたことが原因で死亡した人の数は,厚生労働省の人口動態調査の結果で知ることができます(毎年9月に前年分の集計結果が公表されます).大部分がスズメバチによるものと考えられますが,一部アシナガバチ等によるものも含まれています」

 このサイトからも、ミツバチに刺されて死んでしまう、ということは考えられないといってよいかと思いますが、詳しいデータをお持ちの方がいましたら、ぜひお知らせください。
 子ども達へ伝える時にも、伝える側の心配が先にたってしまうと、〈とにかく屋外は危険なことばかりだ〉というように受け取られてしまうかもしれません。危険だ危険だ、ということを強調したいとしたら、ミツバチよりも〈蚊〉の心配をしないといけないかもしれません。何しろ蚊は「ウエストナイル熱 (ウエストナイル脳炎)・マラリア・デング熱・日本脳炎・チクングニヤ」など、いろいろな病原菌を伝染させる生き物ですから。
 ですから、あまり心配ばかりすることの方が心配だ、ということもあるのです。

 もしもミツバチに刺されてしまったら、ガムテープなどで針を取り除いてから水で流し、冷やすとともに、薬をつけましょう。かゆみ程度で済む人から、二日くらい痛みを感じる人まで、状況によって差があるでしょう。普通は市販の薬で対応可能ですが、気になる人は病院にいくとよいでしょう。

 最近は研究所に行く前に公園などを散策して野草を見ていることが多いのですけど、横たわったり座ったりして花の写真を撮っていると、すぐ目の前にミツバチがやってくることもあります。
  これはつい昨日、私の顔先20-30cmくらいで撮った動画です(読み込みに少し時間がかかるかもしれませんが、クリックすると飛翔の様子を見ることができます)。 こんな感じで、ごく普通に観察していれば安全に撮影することがでると思います。

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