自由研究こそほんものの研究〈読者の方からの便り-ヘチマとモンシロチョウ-〉

 このサイトを構築する際、詳しい方からいろいろ話を聞かせていただきました。そのやりとりの中で何人かの方たちから「教育関係のサイトは読者が増えない」「沖縄のサイトでは1日の購読者数は一桁二桁の世界がせいぜいだろう」という話を聞かされていました。しかし読者の皆さんのおかげでこの〈たのしい教育研究所 公式サイト〉はどんどん読者を伸ばしています。姉妹サイトの「たのしいグッジョブ キャリア教育 ターミナルサイト」⇨こちら をあわせると、その数はさらに多くなります。
 これからもたのしい記事を綴りたいと思います、どうぞよろしくお願いいたします。周りの方達にもアドレスを送り「こんなサイトがあるよ」と紹介していただけたら幸いです。

 さて読者の皆さんの増加も後押しし、研究所へのお便りもたくさん届いています。個別の丁寧な返事は難しいのですが、全て丁寧に読ませていただき、時には公式サイトにも書かせて頂いています。さて最近のこと、ある読者の方から〈モンシロチョウがキンレンカで成長している〉という記事に関連して、こういう便りが届きました。抜粋して掲載します。

 いつもメルマガやホームページで好奇心を掻き立てられています。ありがとうございます。

  実は先日家族であるレストランに食事に行った時のことです。
 レストランの外でヘチマを育てていたのですが、ヘチマの葉のまわりにモンシロチョウが飛び回っていました。

 蜜を吸っていたようには見えず、お尻を葉につけていた感じがしたので、卵を産んでいたのでは!? と思い、みたかったのですが、残念ながら柵がされて中には入れませんでした。

 ヘチマについて調べたらウリ科ということだったので、ウリ科も食べるのか? それとも勘違いしたモンシロチョウがたまたま間違えただけなのか、またゆっくりと調べていきたいと思います!

 

  そのお便りに答える形で続けさせていただきます。

 モンシロチョウは、花のミツを吸うためにいろいろな植物を渡ります。
ごく普通の野草である〈センダングサ〉ばかりの野原にもたくさん飛んでいます。

 これは先日私が撮った写真です。
  数年前のこと、センダングサの上をたくさん飛び交うモンシロチョウをみて、不思議に思い、理科の時間に子ども達と〈モンシロチョウはセンダングサにも卵を産むのか〉予想を立てて〈アオムシ〉がいないか調べたことがありました。卵は探し辛いのでアオムシを探すのがよいのです。

 結果としてその時はアオムシを見つけることができませんでしたが、キャベツだけでなく、キンレンカなどいくつかの植物を食べるモンシロチョウですから、もしかすると〈センダングサ〉にも、と思っています。ちなみに、何かの間違いで卵を産み付けたというわけでなければ、アオムシたちがセンダングサの葉を食べるということです。はじめのうちは少数かもしれませんけど、こうやって次第に食草を増やしていくことになるわけです。そういう行動進化には何千年とかいう長い時間はかからないでしょう。
 何しろモンシロチョウが大好きなキャベツの多くには農薬が使われていて、アオムシがつかないようになってきていますから、他の食べ物にチャレンジする必要性もあるのです。「変化に対応したものが生き残る」という生命の法則からみれば、一笑にふす予想とはいえないかもしれません。
 ヘチマ畑で飛び交っているモンシロチョウは、単に蜜だけを吸いに来ているのだと思います。しかし、ヘチマの葉の裏に卵を産み付けるチョウが見つかったとしたら、とてもたのしい自由研究で、全国の人たちが注目するものになると思います。何年かかかる自由研究ですけど、たのしみのひとつです。

 読者の皆さんも、モンシロチョウがたくさん飛んでいるところをみつけたら、アオムシを探してみませんか。もしみつかったら、ぜひお便りをください。みつからなくても、貴重な報告ですから、ぜひくださいね。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!

 

たのしい教育研究所〈おすすめ植物本〉「おきなわ野山の花さんぽ」ボーダーインク

 たのしい教育研究所でも植物の魅力を伝える教材をいろいろそろえています。〈オキナワ ウラジロガシ〉〈マメ科の大きな実 モダマ〉〈モンシロチョウの食草〉<キッチンのたね>などなど、おそらくこのサイトでもいくつ紹介してきたと思います。

 そういう中で現在進行形で教材作りがすすんでいるのが〈おきなわ花カレンダー〉です。うれしいことに完成前から、いろいろな先生たちが心待ちにしてくれています。その作成で研究所にはたくさんの植物本が並んでいて、一ヶ所に集めると厚さは1m50cmくらい、小学生の身長ほどになります。

 それらの中から〈もっともたくさん開いた本〉が「おきなわ野山の花さんぽ(ボーダーインク1700円+Tax)」です。

 収録された植物の数でいえば他に優れたものが数々ありますし、詳しい解説などが加えられた図鑑、個性的な配列を工夫した植物本などは数々あります。
 しかし〈沖縄で身近にみることができる植物〉をそろえた、という視点で選べば今のところ、この本が一押しです。

 掲載された植物は多からず、かといって少なからず〈よい加減〉のボリュームで、作者 安里肇栄(あさと ちょうえい)さんと編集者の企画がうまくマッチした優れものです。

 書店で数ある植物の本をいくつかながめてみただけで、「これがいい!」と見分けることは難しので、研究所には「おすすめの植物の本はありませんか」という問い合わせがくることもあります。そういう皆さんは「まずはこの一冊を買っておくとよいですよ」とすすめている本です。

 身近な植物を見て「これはなんだろう?」と思った時、手近においてパラパラめくる。すると、その植物にたどりつくことができる可能性が高い本だと思ってよいと思います。この本をきっかけに、もっと詳しく書かれた本が欲しい、と思ったらそれを手にしてください。

 とりあえず学校図書館には入れてもらって、給料日には〈映画を一本観た〉という気になって、あるいは〈焼肉食べ放題〉に行った気になって、自分でも手に入れておくことをおすすめします。明日土曜日は研究所に若い先生たちが何人もやってきます。その先生たちにもおすすめしようと思っています。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!

 

 

安野光雅が紡ぐ言葉の魅力〈絵のある自伝〉文芸春秋社

 安野光雅さんの作品でたしか「絵のある自伝」だったと思いますが、出展については誤記憶かもしれません。わたしのこういうメモ書きが残っています。

一人 黙りの道 長い。

 二人 話の道 短い。

-韓国を旅した時に出会ったおばあさんのことば-

 シンプルで味わい深い言葉です。

 この言葉は、出会った人物が語ったもので、安野さんの言葉ではでない、ということは問題ではありません。この言葉をいろいろな人に伝えようと書に記したのが安野光雅さんである、ということが大事なのです。

 安野光雅91歳。
 この写真は5年前のイベントの公報で利用された時のものですが、軽やかな姿です。安野さんのファンが増えるとよいな。

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 その後 記す

 このサイトを読んで感動した方が、安野光雅「絵のある自伝」を持って研究所を訪ねてくれました。この言葉をめぐっては、わたしが勘違いしていたところがありました。

 旅をしていたのではなく、安野さんが、バス停でバスを待っていた時のエピソードだったのですね。長い文章の中の一節です。切り取ってみましょう。

 安野光雅著「絵のある自伝」文春文庫 734(税込) 単行本 1,674円(税込)

 

羽化したモンシロチョウを自然にかえす 自由研究の仕上げもたのしい

 キンレンカを食べるアオムシを研究所で育てています。この容器の中にアオムシとサナギとが見えますか?

 上の写真から三日後、毎日たのしく観察している研究員のOさんが、モンシロチョウになった姿を発見。
 

 研究所のメンバー近くの野草畑に逃がしてあげまし

 元気に飛び立った姿にみんなニコニコ。

 子ども達にも、こういう体験をしてもらいたいものだと思いました。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!