前回の論理学入門でいくつもの便りをいただきました。
大人だけでなく子ども達からのメールもありました。
もっと書いてほしいということもあったので、もう一つ「論理的に考えるたのしさ」ということで書かせていただきます。
こういうクイズを考えてみてください。
一郎はウソしかつきません。
二郎はホントウのことしかいいません。
三郎はいいかげんで、その時々です。さて、こういう会話がありました。
どれが誰の言葉だかわかりますか?A.ボクは二郎ではない
B.ボクは三郎だ
C.ボクは一郎ではない
論理的に考えてみましょう。
まず「一郎はウソしかつかない」ということですから、もしも「A.ボクは二郎ではない」という発言が一郎のものだとするとどうなるでしょう?
この時にも集合で利用する図(ベン図・ヴェン図/Venn diagram-ヴェン ダイヤグラム)が活躍します。
描くとこうです。
「二郎ではない」ということですから「私は一郎か三郎ですよ」というわけです。
これは正しいことを言っていることになってしまいます。
「一郎はウソしかつかない」のですから、「A.ボクは二郎ではない」という言葉は一郎の発言ではありません。
とすると、一郎の言葉はBかCです。
B.ボクは三郎だ
C.ボクは一郎ではない
さて「二郎はホントウのことしか言わない」ということです。
すると
A.ボクは二郎ではない
B.ボクは三郎だ
C.ボクは一郎ではない
のうちの A.ボクは二郎ではない は二郎の言葉ではありません。
もちろんB.ボクは三郎だ でもウソをついていることになりますから、
二郎はの言葉は
C.ボクは一郎ではない
しかありえません。
ウソしかつかない一郎は〈BかC〉でしたから、ここで、一郎の発言は
B.ボクは三郎だ
です。
いいかげんな発言をする三郎が言ったのが
A.ボクは二郎ではない
です。
いかがだったでしょうか。
論理学、たのしく使えると思っていただけたら幸いです。
いつか「たのしい論理学入門」というプランを作りたくなりました。