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予想してみよう「かけざん九九はいつからあるの?」

 「ににがし」「にさんがろく」と唱えながら覚える〈かけざん九九〉、日本の学校では、小学校2年生で習うことになっています。皆さんは、そのかけ算九九は、日本ではいつ頃から使われていると思いますか。そして、その〈かけ算九九〉は日本で作られたものでしょうか。それともどこか他の国から学んだものなのでしょうか?
 まず予想を立ててみていただけますか。

問題1日本でかけざん九九が使われるようになったのは、いつの時代からでしょう? 下の時代で予想してください

  • 縄文時代 – [紀元前1万4000年頃 ~ 紀元前300年頃]
  • 弥生時代 – [紀元前300年頃 ~ 250年頃]
  • 古墳時代 – [250年頃 ~ 600年代の末頃]
  • 飛鳥時代 – [592年 ~ 710年]
  • 奈良時代 – [710年 ~ 794年]
  • 平安時代 – [794年 ~ 1185年]
  • 鎌倉時代 – [1185年 ~ 1333年]
  • 室町時代 – [1336年 ~ 1573年]
  • 安土桃山時代 – [1573年 ~ 1603年]
  • 江戸時代 – [1603年 ~ 1868年]
  • 明治時代 – [1868年 ~ 1912年]
  • 大正時代 – [1912年 ~ 1926年]
  • 昭和時代(戦前/戦中) – [1926年 ~ 1945年]
  • 昭和時代(GHQ占領期) – [1945年 ~ 1952年]
  • 昭和時代(戦後) – [1953年 ~ 1986年]
  • 平成時代 – [1989年 ~ ]

 

問題2 かけざん九九はどこで生まれたのでしょう?
  ア.外国(       )で生まれた
  イ.日本で生まれた

 

 最近、気になっているのが〈かけざんの歴史〉です。
 わたしの周りの人たちに質問したところでは、明治以後、近代教育ができあがってから使われる様になった、と考えている人たちが圧倒的に多かったのですが、みなさんの予想はどうでしょう。
 子どもたちも興味を持ってくれるテーマになる予感がしています。

 最近、たのしい教育研究所の講座で〈古文をたのしもう〉として取り上げた作品の中に「醒睡笑(せいすいしょう)」という、江戸時代初期のエッセイがあります。


 その中にこういう章が出て来ます。

 作意ある人の犬あり。名を廿四とつけたり。「廿四々々」と呼べば來(きた)る。「なにとしたる仔細にや」と問ふ。「しろく候(さふらへ)ば」。「さて實(げ)にも實(げ)にも」と感じ家に歸り、白犬をもとめ廿四と呼ぶ。「いかなる心持ぞ」と尋ねられ、「しろう候へば」。

 

 要点をかいつまんでいうと
 ある人が飼っている犬を〈二十四〉と呼ぶので、「どうしてか」と問うと「うちの犬は白くある。四六は二十四でしょう」
と答えたという話です。

 白く(四六)は二十四だから、というわけです。つまりかけ算になっているのです。江戸時代初期で〈かけざん九九〉が唱えられていたことがわかります。とすると、使われていたのはもっと前なのかもしれません。

 私がよく引くウィキペディアには「九九」としてこう説明されています。

 奈良市の平城宮跡で出土した「九九」を記した8世紀の木簡に、中国の数学書「孫子算経」と同じ「如」の文字[4]が書かれていることから、九九は中国から伝来したと考えられると、奈良文化財研究所が2010年12月3日に発表した[5]

 もともとは九九から唱える(うしろからはじめる)もので、このなごりから九九と呼ばれるようになり、のちに一一からはじまるようになった。現在では、一の段(一一から一九まで)、二の段(二一から二九まで)、…、九の段(九一から九九まで)のように各段に分けて唱えることもしばしば行われる。

 かつては半九九と呼ばれる半分だけの九九が用いられていた。これは割り算九九と混同しないためにであったと考えられる。割り算九九が廃れるにつれ全九九が主流となった。

 

 日本では奈良時代にすでに〈かけ算九九〉が伝来していたということです。その元は中国でした。いろいろ調べてみたものを整理すると

① かけざん九九を記憶用に唱えるものとして整理したのは〈中国〉
② 中国では紀元前700年前あたりから使われていた

といってよいようです。異説もあるので、もう少し詳しく調べてみなくてはいけませが〈少なくとも「紀元前」には中国で使われていた〉ということは確かな様です。かなり古い歴史をもっていることになりますね。それほど古い時代から、かけ算九九を利用していたということに、私自身驚いています。みなさんはどうでしたか?
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