「沖縄から宇宙飛行士をプロジェクト(WAO)」の代表としてこれまで数々の活動をしてきました。
もちろん、いろいろな機会で,子ども達にそのお話をしていますし、これまで何人もの子ども達が「宇宙飛行士を目指します」と、筑波大学はじめ、いろいろなところに進みましたから、きっと将来、沖縄から宇宙飛行士が誕生すると思います。
もう一つ、私の心の中にあるテーマが
「沖縄からノーベル賞を! プロジェクト Nobel–Prize From Okinawa」です。
今でも冗談で
「うちのNPOは Nobel-Prize from Okinawa の略です」
と冗談をいったりしています。
ホラ話に聞こえる人も多いかもしれません。
しかし、本気です。
ただし、方法論が違います。
ノーベル賞級の人材を育てよう、と思ったら、一流の科学者や一流の技術者を沖縄に招いて、あるいはそういう研究所を設立しなくてはならないと思う人がほとんどではないでしょうか。
しかし、わたしはそれに懐疑的です。
人間は「意欲」「熱意」で莫大な力を発揮するのです。
目の前に、エイズの特効薬を開発する素材や機器がいくら揃っていても、いわゆる「やらされ型」の人には大した意味はありません。
そうではなく
「これがたのしくてたまらない」「この研究がしたくてたまらない」
という子ども達をどんどん育てるのです。
その対象が果物であっても、宇宙であっても、コンピュータであっても構わないのです。
世界一の◯◯です、というものを見せるよりも、子ども達にたとえば、
今から500年も昔に、小さな世界を覗いた男がいたんだよ。
ロバート・フックっていうんだけどね。
その男は、予想を立てたんだ。
生き物は、小さな部屋がたくさん集まってできているんじゃないかとね。
で、覗いてみたの。
みんなが持っている子ども用の顕微鏡よりも、ずっと倍率の低いものでだよ・・・
暗くて見えにくいから、ろうそくを灯してやっとみることができるような顕微鏡なのさ。
観察して、おどろいたの。
みんなも、見てみる?
そんな授業をするのです。
たのしい教育研究所で開発した「レンズの魅力-2-」という授業プランがそれです。
これなら、世界一の◯◯というような機器は必要ありません。
「ガリレオの科学」というプランもあります。
ガリレオが予想を立てていろいろな星を見て偉大な発見をした、その望遠鏡は、今、近くの文具店で手に入れることのできる望遠鏡よりずっと倍率も低く暗いのです。
ガリレオはそれを元に革命的といえるほどの発見をしました。
世界一の◯◯を見せる、世界一の科学者、技術者が近くにいる、ということも大切かもしれません。
しかし、興味関心を高める、これがやりたくてたまらないという子どもたちを育てるのは「教育」です。
逆に、教育の力でしか、成し得ない、と思っています。
たのしさを元にした教育の力で、子ども達の興味関心が高まる。
その中で、時間はかかっても、きっと沖縄からノーベル賞をとる子ども達が出てくると思っています。
その日が待ち遠しくてなりません。
最近、ある学校で「◯◯小学校からノーベル賞を」というテーマで授業をしてきました。
その時の子どもから、感動的な手紙をもらい、それをきっかけに、書かせていただきました。
きゆな