大学の頃、ラジオから流れる「子ども電話相談室」が大好きでした。
いろいろな質問に対して、自分ならどう答えるのだろうと予想しながら、わくわくして聞いていたのを覚えています。
ある時、小学生の子が
「山はどうしてできたんですか?」
と質問してきました。
わたしは、小学校の子ども達に、山ができる仕組みを伝えるということで
・実は地面は動いているという驚くべき事実
⇒ぶつかったところが盛り上がるという作用
・雨風で、高いところがどんどん削られて低くなってきている状況
という様なお話をしようかと考えながら待っていると、回答を担当した、ある人物(その人は常連の回答者で、教育界でも、とても名の売れている人物です。今でもハッキリ名前を覚えているのですけど、あえて記さないでおきます)が、短い言葉でこう答えました。
「あのね〜、◯◯くん。
人間は、高いところを やま と名づけたの。
低くて水が流れているところを かわ と名づけたの。
高いところだから やま なの。
わかったかな」
それだけの事を、いろいろ説明するだけでした。
みなさんは、その答えについてどう思いますか?
わたしは、それはいけないでしょう、と思いました。
質問した男の子は、いかにも困ったという様に
「は・・・い」
と答え、担当の電話のおねえさんの
「◯◯くんの住んでいるところには山があるのかなぁ」
とかいう話の中で電話が終わりました。
以来、子ども電話相談室は聞かなくなりました。
今は、わたしの師匠の的川泰宣https://ja.wikipedia.org/wiki/的川泰宣 が出ていることを知った時に、時々聞くくらいです。
子どもが質問して来た、しかもラジオ番組に電話するほどの質問で、それぞれのエキスパートがしっかり答えてくれると思って、がんばって電話してきた。
その子の質問をまったくはぐらかしてごまかしてしまったら、その子は、いったい何を頼ればよいのでしょう。
もちろん、そういう大人たちのいい加減さを気づいて、自分で解決していくということもあるのですけど、少なくとも、真摯な質問をそんな答えで返してはいけない、と思います。
子どもは「山はどうしてできたのか」という事が知りたくてたまらない。
それに対して「高いとこを山というのです」という答えの恐ろしさ。
「このキャベツのかき揚げはどうやって作ったのですか?」
と質問して来た友人に
「この料理を キャベツのかき揚げ と名づけたのですよ」と答えていることと同じです。
「話にならない」という言葉は、こういうやりとりのために在るようなものかもしれません。
たのしい教育研究所は、批判ではなく、新しい方法を提案する組織です。
研究所を設立して約3年。
これまで、いろいろなところで授業や講演をさせていただきましたが、そこで取り上げる内容は、私が当然の様に知っていたものではありません。
私が長い間、疑問に思い続け、それがやっと解けた。
その時の感動を伝えたい、という思いで組み立てた内容です。
宇宙を思う時のわくわくした気持ち、
NASAで学んで感動した内容、
「おまえ、そういう事をいうなら死刑にするぞ」と言われても、ガリレオがなお研究をやめなかった程にのめりこんだ科学、
そういうものを伝えたくて、全力で走りまわっています。
ですから私の講演や講座は、
「これはこうでね。こうなってね。こうなるわけなのです」
という様な淡々とした話とは、迫力が違うと思います。
先日のカウンセラー養成講座で評価がとても高かったのも、
「クライエントさんの不安や悩みを解決していく時の有効な方法の一つを、私自身がやっと見つけた! これは使えるぞ、と私自身が感動した」
というものを取り上げているからです。
感動的でない内容を伝えるために時間を割く、そういう気持ちはさらさらないのです。
話を戻して、みなさんの周りの子ども達の疑問に、真摯に向かい合うことは、とても大切です。
もしも、子ども達からの質問にどう答えてよいかわからなかったら、親も教師も
「それ、お父さんも前から疑問だったんだよ。今質問されて、またとても調べたくなった。一緒に調べよう。ありがとう」
と答えたり
「先生も、それ分からないの。時間もらっていい? 明日までには調べてみるね」
という様に、答える。
どうしても答えることができない時には
「ごめんなさい、お母さん、その分野、まったく苦手なの。調べて、教えてもらえない?」とか「お母さんの友達の◯◯さん、それ得意だから、今度一緒に聞きに行く?」
というのはどうでしょうか。
沖縄の元気を本気で応援するたのしい教育研究所です。
みなさんが興味関心を持ってくださるお陰で、
たのしい教育研究所はますます元気です!
いろいろな場所で「たのしい教育研究所ってとてもいいらしいよ」と
伝えて頂けると嬉しいです。
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内容を提供させて頂きます。