いろいろなところから科学教育に関する相談や依頼が届きます。
そういう時「最先端の科学や技術などをとりあげることが、より望ましい科学教育である」という考えをお持ちの方がとても多いことが気になります。
もちろん、それも大切な科学教育です。
そしてわが沖縄は、県を先頭にして、その点に関しての取り組みは決して劣っていないと思います。東京などのトップ集団と比べると、まだまだというのが実情かもしれませんが、全国的に劣っているとは思えませんし、沖縄県の科学教育に対する力の注ぎ方は、とても心強いものを感じます。
それでももっと最先端のものを、という場合には、10年以上前から私が提案しているように「沖縄にNASAと連携した宇宙ロケット基地を!」の実現を目指しませんか。まさに世界最先端の科学が、これでもか、というくらい集積していきます。
単にロケット工学だけではなく、「宇宙で人類が生活する」ということが必然的なテーマになるわけですから、移動手段、食生活、衣料、医療、健康、安全、空気浄化、エコシステムその他の研究がどんどんすすめられていきます。
わが沖縄は、海に面しているので発射場所にも適していますし、地球の遠心力を利用する視点からも経度が低い地域よりずっと適しています。
宿泊施設もたくさんありますから、その発射に合わせて、観光を兼ねてたくさんの人たちが集まることでしょう。
日米の平和協力のシンボル的存在にもなると思います。
科学教育は、そういうような、ある意味「ハデ」な力の注ぎ方と、これから書きたい「地味」な力の注ぎ方があります。
この地味な方の教育は、地味なだけに、一見スルーされそうなきらいがあるのですけど、実は、とてもとても重要です。
そして、とてもとてもたのしいのです。
いろいろな科学者たちが「基礎科学が重要である」というような話を耳にすることがあると思います。その「基礎科学」につながるものでもあるのです。
ニュートンが語った言葉があります。
その「巨人たちが発見してきた科学」を味わうことは、とても胸躍ることで、感動的な教育となります。そして、その巨人たちはスーパーコンピューターを使ったわけでも、電子顕微鏡を利用して発見したわけでもありません。
自らの予想をもとにして、身近な材料でいろいろな実験を重ねてきているのです。
最近わたしが、ある小学校で実施した「原子・分子」の存在をテーマにした授業も、運動場にある石や、教室にある紙、そして家にあるだろうハンマーを利用したものでした。
子どもたちは、その授業の中でとても賢くなっていきました。科学が好きになったという子どもたちも、たくさん生まれました。
最先端の科学に、わが県は、とても力を入れて、たくさんの方達がそれに取り組んできています。きっと成果もゆっくり上がっていくことでしょう。それを讃えつつ、もう一方の地味な方、ガリレオやフックやファラデーといった科学の巨人たちが、身近なもので、この宇宙の法則を見出してきた科学を、子どもたちに伝える努力も大切だと思っています。
そしてそれは、地味なままでは終わりません。
先月、ある自治体で授業させていただきました。
「こま」を作って回転をたのしむ授業でしたが、人工衛星がコマの力を利用して微妙な位置コントロールをしているところまで発展する内容です。
子どもたちは「コマと科学のつながり」にとても喜んでくれました。
その中である付き添いで来た大人の方が
「コマの勉強が宇宙にまでつながっているということに、ぞくぞくしました。自分でももっとたくさん作ってみます」
と話していました。
子どもたちへの授業なのに、大人も熱中してしまっていたです。
巨人たちの科学を伝えることにも、もっと力を注ぎたいと思っています。
授業を実施したい、企画したいという方は、御相談ください。
このサイトの右側(パソコン画面)に送信できる場所があります。
沖縄の科学教育にも全力投球
「たのしい教育研究所」です