最新メールマガジンも好評です

 たのしい教育を学ぶ通信システム〈たのしい教育メールマガジン〉の最新号ができました。毎週金曜日発行です。
 今回は意外にも、〈はじめに〉の章に「わたし(きゆな)の一週間のはじまりは金曜日です」と綴った話の反響が大きく、「わたしも真似します」というメールがいくつも届いています。
 金曜日始まりにすると、すばらしいことがいろいろあるのです。

メルマガ

 

 先日の「たのしい教育Cafe」で授業した「うさぎとかめとわたし」がとても好評で、すぐに授業にかけたいという方が何人もいましたので、正式にまとめて印刷できる様に付録を付けました。
 前半は、月刊たのしい授業に載った「うさぎとかめ」ですが、お話をわかりやすくして、後半はワークを入れました。小学生から、中学、高校生でも利用できる内容になっています。

うさぎとかめと私 興味のある方は、1号単品でも申し込みできる様になりました。 ➡︎ こちら

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授業プラン〈卵と塩とサトウ〉の様子 たのしい教育Cafeもりあがる!

 S先生の〈卵は海水に浮くのか〉というレポートはとてもおもしろいので、授業プランの様に進めようと思っていると、さらに興味深い問題が頭に浮かびました。

① 卵の中身とカラの浮き沈み…卵の中身とカラを別にして、浮き沈みを調べる
② 塩で卵が浮いたら、その塩と同量のサトウを入れて混ぜると 浮くのか沈むのか?

これについては、しっかりとプランにまとめたいと思っています。
ご期待ください。

 これは私が授業をしている様子。

たのしい教育〈卵と塩とサトウ〉 さぁ、塩で浮いた卵はサトウで浮くの?
 とかいいながら授業をすすめているところです。

 たのしい教育Cafe、毎回とてもたのしいものがいっぱいです。
 来月は2月8日(水)にオープンの予定です。

 近づいたらこのサイトに案内が出ます。
 十名少しの人数しかはいりませんので、興味のある方は、早めにチェックして申し込んでください。

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たのしむことはとても大切/そして学ぶことはとてもたのしい

 中部の小学校の「学力推進発表会」の中で「たのしく学ぶ」をテーマに講演会を依頼され、保護者、子どもたち先生方向けに講演会をして来ました。

 親子・先生で総勢 500人を超す数です。

 もりあがりました。

 はじめのうちは静かに話を聞いていた子ども達も、しだいに前に前ににじりよってきて、こうやって身を乗り出すシーンも満載の時間となりました。
 ※個人情報保護で画像加工させていただきました

たのしくサイエンス3

 実験ショー的に盛り上げたというわけではありません。

「賢くなるには、〈予想〉を立ててから〈確かめる〉ことがとても大切」という話を丁寧に確認してから、科学の重要な基礎である〈ガリレオの落下の法則〉について予想してもらいました。そしてその予想を確かめる、という科学の流れを本格的にたどると、こういう様に盛り上がっていくのです。

 たとえばこの子は一年生の子です。
 わたしが、立てた予想にたいして「どうしてそうおもいましたか?」と問いかけると、とてもしっかりと自分の考えを語ってくれた時の一コマです。たのしくサイエンス4 授業後に中学年くらいの女の子が私の処にやって来て
「いっきゅう先生、たのしすぎて頭がイタイかんじだったぁ〜」
と話してくれてました。
 初めての表現系です。

 また当初、対象の子ども達は1〜6年生だったのですけど、今朝「幼稚園児もぜひ」ということで参加したとのこと。
 授業後、幼稚園の教頭先生がやってきて
「いっきゅう先生、とてもたのしかったです(^-^
 幼稚園に帰る道すがら、こども達が口々に〈宇宙飛行士になりたい〉〈科学者になりたい〉〈理科の先生になりたい〉話していましたよ!」
とうれしい話をしてくれました。

 今回の授業には、研究所によく来てくれるYさんが同行してカメラ担当をしてくれました。
 わたしの公開講演をはじめて体験してもらったのですけど、終わってから
「たのしくてたまらなかったです。あっという間の一時間でした」
と感激して語ってくれました。
 「これだ!」と感じるものがあったらしく「自分もこんなかんじで、子ども達が身を乗り出してくる様な授業、一時間があっという間に感じる様な授業をはやくしたい」と目をキラキラさせていました。
 その人物の凄さを一番知らないのが家族、という様に、身近な人ほど人物評価はきびしいものですから、身近なYさんの高評価は嬉しいことです。

 近々、子ども達の評価も届きます。
 たのしみでなりません。

 こういう仕事が、たまらなく好きです。
 やっている私自身が
「こんなにたのしいことさせてもらっていいのか」
「いいんだ」
 と自答しながらの、たのしい教育研究所の日々です。

 夕方からは「たのしい教育Cafe」で、今度はいろいろな先生達が集まっての、たのしい時間です。

 たのCafeの様子も、後日、お伝えいたします。

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溶ける量の たのしい不思議(2)理科の問題・採用試験の問題を解く

  前回の「溶ける量のたのしい不思議」の原子論的見方、つまり科学的な見方で実際の理科の問題(教員採用試験・高校入試レベル)を解いてみましょう。「科学、特に化学が大の苦手です」という方からの質問内容です。

 みなさんも一緒に考えてみませんか。

問題 
以下の物質の中で、60℃で溶けていた物質を20℃に下げた時、結晶として出てくる量が最も少ない物質は何か?

たのしい溶解問題

 

考え方
[硝酸カリウム]
 グラフを見ると、硝酸カリウムは60℃の時110g 近く溶けています。それが20℃になる30gくらいしか溶けません。
 とすると、溶けきれない80gは結晶として見える形で現れます。
 硝酸カリウムの結晶は針の様な形をしているので、それがどんどん重なっていく様に見えます。

たのしい溶解 硝酸カリウム
[ミョウバン]
 ミョウバンは60℃でほぼ60g、20℃では10gくらいしか溶けませんから、50gくらい結晶として出てきます。硝酸カリウムが30gほどでしたから、かなりの量です。
 ミョウバンの結晶は正八面体です。糸を垂らして結晶をつくると、正八面体の宝石の様な結晶がどんどん大きくなっていくので、自由研究などでも定番のものの一つです。コップをそのままにしておくとこんな感じで結晶が見えてきます。

たのしい溶解 ミョウバンの結晶

 この様な形でグラフを読み取っていくと、食塩が最も少ないことがわかると思います。⇦答え

 はじめはまどろこしい感じがするかもしれませんが、一回はこうやって丁寧に考えて解いてみてください。
 そのうちに「グラフのカーブがゆるやかなものだ」ということもイメージできると思います。だからと言って、子ども達に「ほら、カーブがゆるやかな方が答えなのよ」という様な教え方をすると、苦手な子や嫌いな子は、ますます・・・、ということにもなりかねません。

 

  教員採用試験の合格を目指して方達向けに、少し関連することを書きましょう。

=食塩は塩化ナトリウムか?=

 

「〈食塩〉は科学的には〈塩化ナトリウム〉といいます」
という様に説明されることもあるので、混同してしまう人が多いのですが、化学的にいうと「塩化ナトリウム」という場合は、その純粋な物質です。「食塩」という場合はカリウム、マグネシウムなど、他のものも混ざった混合物です。
 ですから厳密には違うのですけど、食塩の主成分(そのほとんど)は「塩化ナトリウム(NaCl)」なので、「ほぼ同じだ」という様に扱うこともある、ということで理解してください。

 

=アルカリ性物質と中性物質とを中和させてできるものは食塩か?=

 違います。
 中和させてできる物質を「塩」と書きますが「しお」とは読まず「えん」と呼びます。実にまぎらわしいですね。日本語を少し進化させて別な名称にした方がよいと思う一つです。
 学校では酸性物質の代表として「塩酸」を使い、アルカリ性物質の代表として「水酸化ナトリウム」を使うので、結果として〈塩化ナトリウム〉ができます。つまり食塩の主成分なので、当然舐めると塩の味がするわけです。今では危険だということでなめされることはしませんが、わたしは何度も舐めたことがあります。
 酸性の〈硫酸〉とアルカリ性の〈水酸化バリウム〉をちょうどよい割合で中和させると〈硫酸バリウム〉という「塩(えん)」ができます。これは食塩とはぜんぜん違う物質ですね。胃の検査でX線撮影する時に、苦しい思いをして「バリウム」を飲んだ人もいると思いますが、あれです。

 「塩(えん)」といってもいろいろあるのです。ですから、「酸性とアルカリ性を混ぜて中和させると〈食塩〉ができる」というのは間違いです。

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