板倉聖宣からの宿題(4)たのしい植物入門「サトウキビはどういう植物と同じ仲間でしょう?」

 板倉聖宣からの宿題 サトウキビはどういう植物と同じ仲間でしょう? /たのしい植物入門 の4回目となります。このプランはいずれ一冊にまとめたいと思っていますので、サイトに紹介するのは今回までにします。完成をたのしみにしていてください。この冬の「たのしい教育Cafeスペシャル」に間に合えば、ナイター研修で授業してみたいと思っています。

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 予想してみましたか?
 「どういう植物かわからないから予想できないものがあるよ」というかもしれません。そこで今度は写真をつけてみます。

・(   )  竹

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※節の感じがサトウキビに似ている感じがしますけど、竹の中は空どうですし、葉っぱの感じも違って見えます
あなたの考え[                   ]

・(   ) トウモロコシ

%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%84%e6%a4%8d%e7%89%a9%e5%85%a5%e9%96%80-%e3%81%a8%e3%81%86%e3%82%82%e3%82%8d%e3%81%93%e3%81%97※たっている感じがサトウキビに似て見えますけど、実のつき方は違ってみえます
 あなたの考え[                   ]

・(   ) ススキ

%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%84%e6%a4%8d%e7%89%a9-%e3%82%b9%e3%82%b9%e3%82%ad※サトウキビもこういう白い穂ができますが、茎の細さからみると、違う様にも思えます
 あなたの考え[                   ]

 のこりの植物は、説明なしでいきましょう!

・(   ) エノコログサ

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・(   ) 庭のシバフ(芝生)

%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%84%e6%a4%8d%e7%89%a9-%e3%82%b7%e3%83%8f%e3%82%99%e3%83%95 あなたの考え[                   ]

 ・(   ) ムギ(麦)%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%84%e6%a4%8d%e7%89%a9%e5%85%a5%e9%96%80-%e3%83%a0%e3%82%ad%e3%82%99 あなたの考え[                   ]

 

予想してからね

⬇︎

予想してからね

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========== お話 サトウキビの仲間たち ==========

 みなさんの予想はどうなったでしょうか。
 写真を見る前と、見て後では違う予想になった人もいるかもしれません。

 らいきくんがなんとなく予想したこれらの植物は、大きさも様々ですし、見た目に違うところもいろいろあります。

 ところが科学者たちは、これらの植物は全て「同じ仲間だ」と分類しています。  サトウキビもトウモロコシも、ススキも芝生も、全て似た仲間たちなのです。
 科学者たちは、それらのグループを「イネ科の植物」とよんでいます。

 そもそも似た植物、違う植物というのは、何を元にしているのでしょう?

 一緒に考えてみましょう。

 人間が植物を今の様にいろいろと分類する前は、植物を大きく「木」と「草」とに分ける考え方がありました。一本一本どっしりとして、かたく大きな植物を「木」と読んで、地面にはう様に生えている植物たちを「草」と呼んでいたのです。
 そのうちに竹の様な、草が大きくかたくなった様な植物が気になりはじめた人たちもいました。それらは木や草とは別に「竹」のグループとして名前をつけました。

 そうやって、今ではとてもたくさんのグループに分けられています。

 植物の分類を世界的に広めたのはリンネさんという植物学者でした。今から300年くらい前に活躍した人です。
 リンネさんは、一見似た様に見えていても、これらの植物は違うグループに分けた方がよい、とか、違う様に見えていても同じグループにした方がよい、ということを、整理して『自然の体系』(Systema Naturae、1735年)という本にまとめました。

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 上が一番大きなグループのまとめ方で、下にいくほど小さなグループになります。

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 この様に、いろいろな段階の分け方があるのですが、私たちが「この植物は似ているね」とか「似ていても違うグループだね」という様に利用するグループ分けで比較的私たちがよく利用しているのが「科」という分類です。動物でいうと「イヌ科」とか「ネコ科」という様な「科」です。

 そしてここで取り上げている「サトウキビや芝生は〈イネ科〉の植物だ」という様な分け方がそれです。

 以下まだ続きますが、公式サイトで見ていただくのはここまでとします。以後はたのCafeなどでの検討会を経て「砂糖に目をつけるといろいろなものが見えてくる」というプランにしたいと思っています。
 ご期待ください。

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板倉聖宣からの宿題(3)サトウキビはどういう植物と同じ仲間でしょう? /たのしい植物入門

 板倉聖宣からの宿題 サトウキビはどういう植物と同じ仲間でしょう? /たのしい植物入門 の3回目となります。このプランはいずれ一冊にまとめたいと思っています。続きをどうぞ。

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 さて小学生のらいきくんも、先生にそう質問されて考えてみました。そして「大きさなどは違っているけど、何となくサトウキビと似ている感じがするなぁ」と思った植物にはこういうものがありました。
 みなさんは、らいきくんの考えについて、どうおもいますか?
 同じ仲間だと思ったら○
 違うと思ったら×
 わからないという場合には△ をつけてみましょう。

「サトウキビと同じ仲間かな? ○×△」
 らいきくんの考え。

・(   )  竹
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

・(   ) トウモロコシ
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

・(   ) ススキ
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

・(   ) エノコログサ
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

・(   ) 庭のシバフ(芝生)
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

 ・(   ) ムギ
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

続く

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たのしい植物入門 板倉聖宣からの宿題(2)「サトウキビはどういう植物と同じ仲間?/サトウキビと似た植物」

 さて表題のたのしい植物入門 板倉聖宣(仮説実験授業研究会代表)からの宿題(2)「サトウキビはどういう植物と同じ仲間か?」について、少し書かせていただきます。

 サトウキビというのは、こういう植物です。
 沖縄では普通に目にすることができますから、よその県の方でも、沖縄を紹介するテレビや雑誌などで見ている人も多いのではないでしょうか。

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  普通で人間の背丈を越えるくらい大きいのですけど、中には3mくらいに育つものもあります。

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%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%84%e6%a4%8d%e7%89%a9%e5%85%a5%e9%96%80%e3%80%80%e3%82%b5%e3%83%88%e3%82%a6%e3%82%ad%e3%83%92%e3%82%993 さて、このサトウキビと似た仲間の植物にはどういうものがあるでしょう?
 たくさんある植物から見た目が似ている様に思える植物を探してみましょう。

 何か頭に浮かんできた植物はありませんか?

 まず、それらを書き取ってみてください。

 サトウキビと同じ仲間だと思う植物

 

 ○

 ○

 ○

 

  どういう植物があがったでしょうか?
 あなたはなぜ、その(それらの)植物を、サトウキビと似ている、と考えたのですか?
 教えてください。

つづく

 

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サトウキビはどういう植物と同じ仲間でしょう? /たのしい植物入門/板倉聖宣からの宿題(1)

 表題の問いは、簡単にいうと「サトウキビは何科の植物か?」という質問でもあります。そしてそれは、間違ってしまう人たちがたくさんでる質問です。「○○科」という分類は難しいという人もいるかもしれません。
「○○科」と言えば、保護者の方から職員室にグアバ(バンジロウ)の差し入れがあって、みんなで頬張っている時「そういえばね、グアバっていうのはフトモモ科の仲間なの」という話をしたら、周りに居た先生たちが大笑いしていたのを覚えています。

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 生物の分類は〈界・門・綱・目・科・属・種〉という様に分類されていて「○○科」というのは、その分類の下から三番目の分類の仕方です。

%e7%94%9f%e7%89%a9%e3%81%ae%e5%88%86%e9%a1%9e こういう段階的な分類は日常生活で気にすることはないとおもいます。
 それは、その分類を感動的に教えることができる教材が提唱されていないせいでもあります。
 「この分類の仕方はいいな」「そうか、そう分類していくと、今までと違った見方ができて、植物のことがよくわかってきた」という様な教材ができたら、きっと分類がもっと身近なものになるでしょう。
 それは、そのたくさんの段階的分類を「たのしく教えることができるのかどうか」ということと一体の問いです。それが可能なのかどうか、必要なのかどうかも交えて、「段階的分類の授業」が重要かどうか、わたし自身がよくわかりません。

 私が興味を持っているのは〈界・門などといったいろいろな段階的分類〉をとりあげるということではありません。「この植物はどの植物と同じ仲間かな?」という興味・関心がいろいろな目を開いてくれる、という様なプランを作りたいと思っています。それがもしかすると「○○科」という分類の仕方のにも繋がるかもしれません。繋がらないまま完結するかもしれません。

 実は「サトウキビは何の仲間か?」という問いは、板倉聖宣先生(仮説実験授業研究会代表・日本科学史学会会長)が以前、毎年の様に沖縄に足を運んでくれていた時、私に何度も語ってくれたことと強く繋がっています。
「喜友名くん、砂糖の授業はおもしろくなると思うんだよ。キミは沖縄に住んでいて、それを作るのにとても条件がいいんだから、ぜひ砂糖の授業書を作ってよ」
という言葉です。
 その問題意識はずっと私の頭から離れることはありません。
 忙しいとはいえ、少しずつ時間を作っては、いろいろな資料に当たっています。

 今回は、その時に取り上げようと思っている大切な問題について書きたいとおもいます。このサイトに書くには長いので、その前段をいくつかに分けて少し書かせていただきます。
 「いいね」と感じてくれる人たちが多ければ、わたしのプラン作成の日も近くなってくるでしょう。感想などをお寄せくださるとありがたいです。

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