板倉聖宣(仮説実験授業研究会代表 )の明確な議論について「自分で考えることが哲学だ、なんていうのは間違いだ!」

 仮説実験授業研究会代表 板倉聖宣(日本科学史学会会長)の発想法を毎週メールマガジンで紹介しています。たのしい教育を語る時のより処となるものがたくさんあるからです。

板倉聖宣 今週は、哲学についてかなり売れた書籍の内容について、板倉聖宣が触れた言葉を紹介しましたが、その明快な話の内容に、文字打ちしている私自身がうなる場面がたくさんありました。少し紹介させていただきます。 最新版のメールマガジンの中からの抜粋です。
      ※語られている書名はあえて記さないでおきます。

 結局、この本では「自分で考えることが哲学だ」と言っているようです。これはとんでもない間違いだと私は思います。

 哲学は学問です。
「自分で考えることが哲学だ」というなら、それは〈学問〉ではありません。
 学問なんだから、まず学ぶことです。

 学ばないで独創的にやっていこうとする人がいますね。
 そうすると独自なことが言えるかもしれないけども、これまですでに克服済みの考えに自分がとらわれて、すごくムダしちゃう恐れもあるでしょう。

 「観念論か唯物論か」というのはすごくデリケートです。
 そこに物があるから見えるのか、思うからそこに物があるように見えるだけなのか。
 あるに決まっているんです。
「思うから、それがあるように見えるだけだ」というのが観念論です。そうすると研究が何も進みません。
 科学は〈本当〉ということを追究するんですから、〈本当〉が自分の心の中だったら大変なんですよ。だって〈本当〉が自分の心の中にあるというなら〈何でも本当〉になっちゃうんだから。

 〈本当〉は向こうにあるんです。だから「実験」して向こうに問いかけてはじめてわかるんです。
 唯物論的な考え方をしなければ、科学はにっちもさっちもいきません。
 そうやって「そんなことはわかりっこないよ」といわれていた事柄がわかってきちゃったのです。目に見えないものがどんどんわかっちゃった。

 古代ギリシアの段階から重さの加法性で「原子はこういうものに違いない」とか主張してきたんですから。

 

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「たのしい教育メールマガジン(週間)」をオススメします⇨こちら

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たのしい教育を学ぶなら➡︎たのしい教育Cafe12月スペシャル

たのしい教育を学ぶ方法はいろいろあります。メールマガジン、年数回の講座、スーパーバイズ、教材研究etc. その中の一つが「たのしい教育Cafe」です。毎月実施されています(講座のある月はそれとセット)。12月と8月は時間を延長してスペシャルとして実施しています。今月の「たのしい教育Cafe」の案内が担当のM先生から届きました。とてもたのしい内容がいっぱいです。%e3%81%9f%e3%81%aecare 募集人数に達したとのことですが、下見したところ、予想以上に大きかったということなので、もう少し人数が増えてもよいようです。希望する方は、お問い合わせください。教育関係者(教師希望の学生も)は参加可能です ⇨ こちら

====== 転載 ========

%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%84%e6%95%99%e8%82%b2cafeこんばんは。
寒いですね。クリスマスが近づいている足音なのでしょう ^ – ^

いよいよ、たのカフェスペシャルも再来週となりました。
当日は、おいしい食べ物や飲み物を囲んで、たくさん盛り上がりましょう。

スタッフ会議で、予算なや内容、準備するものなどを話し合いましたので、その連絡をさせていただきます。
また近づいたら、補足の情報などもお届けできるかと思います。
質問などは遠慮なく、どうぞ。

それから、予定どおりの人数が集まりましたが、話によると、アメリカン住宅で、思っていたより広目の会場の様です。
「もうすこし増やしても大丈夫かもしれない」ということがありましたので、周りにもっと誘いたい方がいたら、声をかけてみてくださいね。

1.日時 12月29日(木)
前半 いつもの「たのcaféスタイル」・・・16:00〜20:30
    ※乾杯・美味しい食べもの・プレゼント交換・片付けなど含む
後半 夜もたのしく「ナイター研修」・・・ 21:30〜 
    ※眠りたくなるまでつづく 最後起きているひとが一人になったら終了。アルコールあり(^^

場所 北中城の高台 ※申込者に直接連絡いたします(きゆな)

予算・・宿泊なしの方は2500円くらい   宿泊者は、3000円くらい  
 ※たのしい教育研究所からの補助が出ることになり、前回の予測よりも
  安くなりました! つまり宿泊がお得です^ ^
   パーティも充実した内容になっていますので、
   宿泊も可能な方はぜひ連絡してくださいね

駐車場・・会場の駐車スペースは3台なので、近くの場所に停めて、スタッフが迎えに行くことになると思います。できるだけ、乗り合いで来てください。それから、午前中は「たのしい教育研究所わくわくお掃除大会」なので、それに参加して、研究所からみんなで一緒に向かう、というのもよい方法です

==== 内容 ====

第一部「たのcafé & パーティー」16:00〜20:30
① たのしい授業書 仮説実験授業の本格的な授業書・・・喜友名先生
② 子どもと仲良くなる ものづくり2本・・・A先生
③ おいしいおかしづくり・・・B先生
④ 先生達の忘年会や新年会などでもたのしめるゲーム
 「漢字モクモクなど」・・・C先生
⑤ 道徳プラン「わたしの心」・・・D先生
⑥ 読み語り・・・A先生
 その他 授業希望者はお知らせ下さい
⑦ ラストの乾杯の時に、ケーキ、プレゼント交換

第2部「ナイター研修」 21:30〜 
内容が少し変わるかもしれませんし、順番はこの通りではありません。全部できるのかどうかも不明(最後までみんなが起きているかもしわからないので)。でもいつものたのCafeと雰囲気が違ったたのしさがありますよ!
① たのしいゲーム・・・A先生
② (実験)電気パンづくり・・・喜友名先生
 なんと、電気をビリビリ流してパンをつくるんだって。今では電子レンジとかで簡単に作ったりできるけれど、戦争でものがなくなった時に日本人が発明したすばらしい発明を実演してくれるそうです。美味しいのかどうかは不明。小学生にも大人気。
③ お待たせしました「生類 憐れみの令(小学校高学年 社会)」の後半・・・C先生 ※これまでたのしい教育Cafeで授業を受けていない人も大丈夫です。仮説実験授業の本格的な授業書です
④ 図書館の仕事はやめられない&読み語り・・・B先生
⑤ きき○○大会(研究所のパーティー定番のたのしい大会)・・・C先生
⑥ 授業で使える短い動画の紹介・・・きゆな先生が、授業で子どもたちにとても人気のあった動画(2ー3分ものなど)をいくつか紹介してくれるそうです
⑦ たのしい初任者研修の工夫・・・D先生・E先生 & きゆな先生
⑧ ちはやふる「百人一首」大会・・・C先生 賞品あり
⑨ 線香花火・・・寒くなかったらね
⑩ 外で乾杯・・・寒くなかったらね
(11) D先生のほんわかゲーム
 ほか、やりたいものがあったらぜひ申し出てください

参加者全員プレゼント交換用の景品を準備していただける様にお願いします。
自宅にある〈もらったひとが喜びそうなもの〉あるいは〈購入して準備する方は1000円以内〉

ということで、書いている私がわくわくします。
いまから待ち遠しいですね。

学期末で忙しい方もいらっしゃると思いますが、体調に気をつけていきましょう。

 何かご質問等がありましたら、このメールへ返信お願いします。

☆連絡先☆ 略   ※問い合わせは ⇨こちら へ

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たのしい管理職試験特訓 テーマ「教師のメンタルヘルス」

「たのしく賢くなる教育=たのしい教育」に賛同する管理職の方はたくさんいます。これまで県内のいろいろな学校、教育委員会を訪ね、教育長さん、校長・教頭先生をはじめ、関係者の方達とお会いして意見交換をさせていただきました。その中で「たのしい教育」についてとても肯定的な感想評価を数々得てきました。
 わたしの授業に参加して後、私の手を握り「これですね、喜友名先生」と深い感動を伝えてくれた教育長さんや校長先生が何人もいます。「喜友名先生の授業を子どもの頃受けてみたかった」という感想を伝えてくれたり、慰労会で「喜友名先生、わたしが退職したらぜひ研究所で一緒に活動させてください」と語ってくださった管理職の方もいます。とても光栄なことです。

たのしく賢く学力向上3 以前も書いたと思いますが、もともと「たのしいことは嫌いだ」という人はいないのです。心をゆさぶれる様な教育、子ども達が学校に早く行きたいと考えてくれる様な教育ができるとしたら、教育者として本望ですし、その思いは、教育を志した人たちに共通する思いでしょう。

 ただし大切なことは、それが目標や理念として独立したものではなく、その目標・理念が実現できる〈具体的な教育内容〉と「一体」になって広まっていくことです。

 私がいろいろなところで「たのしい教育の魅力を語るだけ」の人間だとしたら、この研究所は一年後にはなくなっていたと思います。あるいは逆に、マスコミをターゲットにして引っ張りだこになり、お金を貯めることが目標となったり、人気目当ての空虚な人生になっていたかもしれません。

 理念や目標とした語ることと同時に、いろいろなところで授業し、子ども達や保護者の方達から高い評価を得て、「たのしい教育」を志向してくれる先生たちが着実に増えてきてくれたからこそ、五年目の今も着実な進歩を続けることができるのです。

 理念と実践を一体にして「たのしい教育」を広めていく時、わたし自身がいろいろな学校に足を運んで、たのしい教育を広めることも大切ですが、たのしい教育を実践することができる実力ある先生たちを育てることも大切です。そして、その先生たちを強く支持し、支援してくれる校長先生や教頭先生が増えていくことも、とても重要です。そういった管理職の方達を育てる活動はかなりやりがいのある活動の一つです。

 さて某日、管理職試験を受ける方の〈論文特訓〉を実施しました。
 テーマは、ある担任の先生が、クラスの子ども達、そして保護者の方達とうまくいかなくなり、精神的にかなり参って学校に来なくなってしまった。管理職としてどのように支援していくか、です。

 たのしい教育研究所の論文特訓では「すぐに書き出してはいけない」ことも学んでいただきます。「ブレインノート(下の方に少しだけ写っています)」といって、わたしが開発した構想ノートを作成する手法からすすめていきます。

%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%84%e7%ae%a1%e7%90%86%e8%81%b7%e7%89%b9%e8%a8%93 今回の特訓で、構想の重要性と、その具体的な手法を掴んでくれたようです。
 きっとこの方も、たのしい教育派の先生達をあたたかく、そしてしっかりと支え育ててくれる一人になっていくものと思っています。
 ゆっくりではあっても着実にたのしい教育の広がりを感じる冬の日々。
 たのしい教育の活動そのものがたのしくてならない今日この頃です。

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瀬を早み 岩にせかるる 滝川の/古典に親しむ

 たのしい古典・古典に親しむとして少し書かせていただきます。たのしい教育研究所は何しろ「たのしい教育」に関する森羅万象を対象にしていますから、古典も十分にその範疇です。
 研究所に熱心に通うA先生からこういう便りが届きました。

 読解の苦手な私は、以前きゆな先生が「無人島に持って行く一冊なら高校の国語の教科書だ」といっていたのを思い出して、高校の国語の教科書を手に入れました。
 とてもたのしく読んでいます。ゆっくりですけど、以前より苦手意識が薄らいできた感じがしています。

 さて、古典や漢文もこの調子で力を高めたいと思うのですけど、高校の古典や漢文を入手した方がよいですか?

 残念ながら「古典漢文を高校教科書で、というアイディアはNo-Goodです」と答えました。古典・漢文は、その人の苦手度合いがかなり大きく影響するので、その方には、具体的に話を聞きながら、アドバイスしてあげることにしました。

 ところで、かなり苦手な人から、ある程度親しんでいる人たちまで、おすすめの作品があります。本ではありません、DVD作品です。

 映画(DVD)「ちはやふる(上の句・下の句/二本)」です。

 以前、メールマガジンに詳しく綴りましたが、このサイトにも少し書かせていただきます。

 パッケージを見ると、ちゃら系の作品に思えるかもしれません。
 しかし騙されたと思ってレンタルすることをお勧めします。ちなみに私は20年以上前から「1日一本映画マラソン」をスタートさせ、教師を辞職して研究所を立ち上げてからは、さらにその数が増えています。もちろん20年以上まえから映画を観て来ていますから、軽く数えても1万本は下らない数の作品をじっくり観ています。さらりと観た数を入れると、その数はもっと多くなります。その中から「古典に親しむ」というフィルターにかけても、この「ちはやふる」を越す作品は見つかりません。

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 この作品には和歌(百人一首)がいくつも出て来ます。
 その一つが今回のタイトルにある

「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢むとぞ思ふ」です。

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 でもいつか再び出逢いましょう

 そういう歌です。

 

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〈サ行変格活用〉とか〈係り結びの法則〉とかに惑わされて嫌いになるのではなく、心から湧き出でた思いを表現するには、この言葉しかない、そういう優れた作品たちが長い歴史の試練にも耐えて「古典」として残ったのです。私たちの感動にもきっと重なるものがたくさん見つかるはずなのです。

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