たのしい教育を目標にしている校長先生の話

 今週のこと
「子ども達が〈勉強することがたのしい〉と感じてくれる様な講演会を企画したいのですけど、お願いできませんか」

という電話が研究所に入りました。
 A小学校の校長先生からです。

 直接お話を、ということになり、お会いしてみると、とても元気で熱心な方でした。

 授業も好きな校長先生で、わたしとの話の前には、六年生の社会科の授業を終えてきたところとのこと。ちょうど教材もありましたので、話を聞かせていただくと・・・

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「たとえば社会科の歴史で学ぶ偉人が、テストに出るから学ぶということではなく、自分で図書館に行って学びたくなる様な授業をしたいと思っています」
とのこと。
 そういう問題意識を持っている人物だからこそ必然的に、うちの研究所の活動に興味関心を持ってくださったのでしょう。

 たのしい教育研究所の目標は「子ども達が体調が悪くても、学校で先生からいろいろ学びたい、と思ってくれる様な教育ができる先生達を育てること」でもあります。
 こういう管理職の方が、たのしい教育派の教師を育ててくれるのでしょう。
 全力で応援したいと思っています。

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 さて今日のクリスマスイブの日は、たのしい教育研究所で学ぶ先生たちが、朝早くから掃除にきてくれます。

 たのしい冬の日々です。

沖縄を日本一元気な教育県に
たのしい教育研究所のテーマは 感動し賢くなる教育です。
みなさんの応援をお待ちしています。

たのしい教育研究所に講演・授業を依頼する時の費用について/教育にしっかりとお金をかけるということ

RIDEロゴしっかり版0609a「たのしい管理職/たのしい校長 教頭」というキーワードが心に響いたのかもしれません、県内外を問わずいろいろな学校の校長先生や教頭先生からの問い合わせが入ります。その中では次第に〈研究所に依頼する時の費用〉についての問い合わせも折り込まれる様になりました。これはとても良いことだと思います。今回は「たのしい教育研究所に講演・授業を依頼する時の費用について」ということで少し書かせていただきます。

 わたし自身30年近く学校で勤務していましたからよくわかるのですけど、一般に教育公務員は、外部の人に何かを依頼する時、あるいは引き受ける時、〈お金〉の面を後回しにしてしまうことが普通です。わたしは依頼されることが多かったのですけど、例えば交通費や実験教材費を準備していただけるのか、だけでなく、そもそも無料で来て欲しいと言っているのかさえわからない状況で受けた授業もたくさんありました。
 無料ということはつまり教材の準備や交通費を自分で負担して授業や講演・講座をするということですから金銭的にはマイナスとなるのです。教師をしている頃は、そういう中で実施したものも数々ありました。しかしそういう日々を経て、今現在のたのしい教育研究所があるわけですから、一つの大きなステップだったわけです。

 「たのしい教育研究所」は営利団体ではありません。しかし無料で授業や講座を開催していると潰れてしまい、〈教育界の大きな財産〉としての「たのしい教育」を伝える重大な活動そのものが消え去ってしまうことになります。

 現在でもたとえば「週○回定期で授業してもらえないか」という熱心な話が来て、仕事内容の依頼が具体的に届く中、お金の話が一切ないので、スタッフが確認てみると「謝金や交通費は計上していません」ということもあります。その依頼元が地方公共団体と連携している組織の場合もあって、〈できるだけ教育にはお金をかけないですすめよう〉という考え方が残っているのだな、と考えさせられてしまいます。

 しかしご心配なく。
〈お金を払ってでもたのしい教育研究所の授業が受けたい〉という人たちは着実に増えていますし、年間いくらいいくらサポートしようという方達もいます。実際、研究所そのものが、小さな一室の「第一研究所」から始まって、絵画教室などを開催できる第二研究所、そしてたのしい教育Cafeなどを開催できる第三研究所という様に増えてきていますから「たのしい教育」をめぐる状況は明るいと言えます。

 たのしい教育研究所は、国・県・地方公共団体などのからむ事業や団体、会社や組織が経営しているところにはしっかりと費用を負担していただき、逆に赤字で授業したり、教育相談にのったり、組織の支援に回ったりすることもあります。そうやって経営が成り立っているのです。

 さて一年以上前のことです、たのしい学力向上に共感してくださった校長先生から電話が入りました。「たのしい教育研究所の授業をぜひ実施していただきたいのですけど、大変申し訳ありませんが費用は これこれ しかありません。時間を短くしていただければ可能ですか?」という様な内容でした。
 公立学校は少なくともPTAや地方公共団体の費用がありますから、無料でいくことはまずありません。しかし、会社や県などからの依頼の場合と同じくらいの額で受託するということは全くありません。

楽しい授業2 私自身が毎週の様に県外や離島を飛び回っていて、かなり忙しい時でしたが、その校長先生の熱意に共感し、こういう内容でお答えしました。
「申し出を心から感謝いたします。さて、たのしい教育研究所の授業や事業には、県や地方公共団体、そして大きな会社などがしっかりと費用を出してくれています。わたしも長年学校にいましたから、お金の捻出が厳しいところがあることも十分知っているつもりです。〈準備できる限りがこれこれです〉ということがハッキリしているのなら、それで話をすすめさせていただくことが可能です。ただし〈たのしい教育研究所〉はわたしの個人会社ではなく教育団体ですから、今回の依頼を役員の方達が話し合ってOKするシステムです」
 距離的に遠いところでしたが、結果として授業を実施し、子ども達にも先生方にもとても喜んでもらうことができました。

 具体的にいくらいくらでお受けしているということを明記することはできませんが、たのしい教育を広めたいという熱意と、がんばってこれだけの費用が準備できる、ということをはっきりさせていただいて、遠慮なく問い合わせていただければと思っています。

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 いろいろな方達が捻出してくださった費用は、その何百倍の価値にして〈たのしい教育活動〉に反映させていただいています。

たのしい教育が未来を拓く/たのしく賢く感動する教育
それがたのしい教育です

たのしい理科 昆虫入門 完全変態と不完全変態について 最新メルマガ補完版(後半)

「たのしい昆虫入門」前回の続きで〈完全変態〉と〈不完全変態〉はどちらが進化したシステムか、というお話です。前回の問題に予想を立ててから呼んでくださいね。

 さて、昆虫の進化の過程で〈さなぎ〉はどういう意味を持つのでしょう。
 古い時代に〈さなぎ〉の状態をもっていて、それが進化していくうちに、そういう状態をもたいな昆虫たちが出てきたのでしょうか?
 それとも、もともとは〈さなぎ〉という段階はなく、進化の過程で、それが出てきたのでしょうか?

お話

 今回お届けしたメールマガジンに仮説実験授業研究会の西村寿雄さんが「がくゆう」という雑誌に書いた〈昆虫のお話〉を紹介しました。

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 子どもたち向けに、分かりやすい文章で書かれていて、わたしも理科の時によく利用させてもらっていました。

 その中にこういう文章が出てきます。

 はじめの昆虫の多くは〈卵⇨幼虫⇨成虫〉という変態の形をとっていましたが、約2億3千万年前ごろ、地球の気候が寒くなってきたころから、幼虫の脱皮の最後に成虫にならないで〈さなぎ〉になってしまう昆虫があらわれました。  まわりの気候がかわってきたので、さなぎになって、じっと力をたくわえることをおぼえたのでしょうか。〈卵⇨幼虫⇨成虫〉だけでは、寒気での〈うえ:食べ物がすくない〉を十分のりきれなかっただろう、と思っている科学者もいます。

 

 さなぎというのは、進化の過程で誕生したシステムだと考えられているようです。

 進化の中で、よりシンプルに変化していったのだろう。つまり〈さなぎ〉というややこしい段階がなくなっていったのだろう、と予想した人も多かったのですが、どうもそうではないようです。

 この問いかけは、雑誌にあるわけではなく、わたしのオリジナル問題です。興味のある方は、昆虫の授業の時に、利用してみませんか。

 たのしく賢く感動する教育、それが「たのしい教育」です。

 

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たのしい理科 昆虫入門 完全変態と不完全変態について 最新メルマガ補完版(前半)

「何をやるにも仮説・実験」という生き方をしている私は、予想が外れることもたくさん経験しています。最新号のメールマガジンにわたしの教師時代の失敗談を書いたところ、かなり好評でした。特に、教師をしているとムシ嫌いの子に一週間くらい口を聞いてもらえなかったという話です。今回は、そこに書いた「完全変態」と「不完全変態」について書きましょう。

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 不完全変態というのは、卵⇨幼虫⇨成虫 という変態で
 完全変態は 卵⇨幼虫⇨さなぎ⇨成虫 という変態です。

「さなぎ」の状態があれば「完全変態」で、「さなぎ」の状態を経ない変態を「不完全変態」といいます。

問題1
完全変態・不完全変態は昆虫の種類によって決まっているのでしょうか?
それとも同じ昆虫でも、時期や場所によって完全変態したり不完全変態したりするのでしょうか?

予想
ア 昆虫の種類によって、どの変態をとるか決まっている
イ 同じ昆虫でも完全変態をしたり不完全変態をしたりする
どうしてそう予想しましたか?

 

お話

 昆虫の種類によって「さなぎ」の時期があるかないか、つまり完全変態か不完全変態か決まっています。
 チョウ・ガ類、ハチ・アリ類、ハエ・アブ・カ類、コウチュウ類などは完全変態します。

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 さなぎの状態を経ない昆虫にはカマキリ、トンボ、バッタ、ゴキブリなどが代表的です。

⬇︎教員採用試験・高校入試編⬇︎

 教員採用試験や高校入試で「次の昆虫の中から完全変態するものを選べ」という様な問題がいろいろな県で出題されています。
 そこには必ずにといってよいほど「セミ」という選択肢が含まれています。セミの抜け殻を見たことがある人たちもたくさんいて「セミはさなぎの状態を経る⇨完全変態する」という様に考えて間違ってしまうことになります。動かずじっとしていて、中で大きな形状の変化が生まれている状態が「さなぎ」のイメージです。セミは一見さなぎのような時期がある様に見えますが、それは「さなぎ」とはみなしていません。中間的な状況なのでしょう。

 

 問題2
 さなぎのある完全変態と、さなぎのない不完全変態は、「進化」という目で見た場合、どちらが、より新しい変態の仕方なのでしょう?

 進化して、よりシンプルな変態になっていったのでしょうか。逆に、進化して〈さなぎ〉の状態を経るようになったのでしょうか?

 古い変態の仕方と、進化した新しい進化の変態の仕方ということで選んでみてください。

 

ア より古いのは「卵⇨幼虫⇨成虫」
イ より古いのは「卵⇨幼虫⇨さなぎ⇨成虫」
ウ その他

どうしてそう予想しましたか?

 

 昆虫の進化の過程で〈さなぎ〉はどういう意味を持つのでしょう。
 古い時代に〈さなぎ〉の状態をもっていて、それが進化していくうちに、そういう状態をもたいな昆虫たちが出てきたのでしょうか?
 それとも、もともとは〈さなぎ〉という段階はなく、進化の過程で、それが出てきたのでしょうか?

 という問題です。

 予想して、次の記事をたのしみにお待ちください!

 

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