花と親しむシリーズ 虫媒花と風媒花のお話

 花と親しむ、という話に感動した方から長いメールをいただきました。一部を要約すると「理科が大嫌いだったので、例えば風媒花とか虫媒花という様な言葉は呪文にしか聞こえず、テストで点数は取れるものの、〈もう勉強したくない〉と思い続けていました。たのしい教育研究所のサイトを毎日読んでいるうちに、それらが違和感なく頭の中に入ってくる感じがして嬉しいです。もっといろいろなお話を読みたいです」という内容です。
 そこで、前に書いた「花と親しむ」シリーズとして、もう少し書いてみたいと思います。

 花は花粉を他の花に届けるために〈風〉に乗せて届ける〈風媒花(ふうばいか)〉と、虫の体に花粉をつけて運んでもらう〈虫媒花(ちゅうばいか)〉とに大きく分かれます。もちろんそのどちらでもないという場合もありますから、大雑把な分け方として理解してください。虫媒花はカラフルで、蜜をたくわえています。生き物たちに来てほしいからです。 風媒花はそういう作戦をとらないので地味な色合いです。その分、大量の花粉を風にのせて運んでもらいます。花粉症の原因となるくらい、街全体に花粉を飛ばすスギなどは風媒花です。

では質問。
タンポポは虫媒花でしょうか、風媒花でしょうか。

タンポポの花は黄色のキレイな色をしていますが、風にのって綿毛が飛んでいきます。

 予想 ア.虫媒花
    イ.風媒花
    ウ.どちらでもある

    エ.どちらでもない
 

 この質問は、実際に子ども達がわたしになげかけたものでした。
 一瞬、クラスのみんなも「はてな?」と首を傾げていたことを覚えています。
 

 植物というはの私たち動物の様に移動することは困難ですから、生き残っていくためにいろいろな独自の工夫を重ねて来ています。
 〈虫媒花〉〈風媒花〉というのは〈花粉〉を雌しべにとどけるための工夫です。そうやって実がなり、タネができると、そのタネを遠くに広げる工夫もいろいろあるのです。風にのってタネを飛ばす方法、鳥などに実を食べてもらって、その中のタネをフンと一緒にどこか遠くに落としてもらう方法、下にポトリとそのまま落としてしまう方法、ポンと弾けてタネを飛ばす方法などいろいろです。

 たんぽぽがタネを風にのせて運んでいても、花粉を運ぶためにそうしているわけではありません。こうやって、ハチやチョウに運んでもらっているのです。ですからタンポポは虫媒花です。

 おしべの花粉を、めしべにどの様にして届けてもらうか、というときの分け方が〈虫媒花〉〈風媒花〉という分け方です。タネの飛び方ではありせんから注意してくださいね。

 さて、風にタネをあずけて運んでもらう植物はたくさんあります。
 たとえばカエデもそうです。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=カエデのタネは風にのってクルクルと舞いながら飛んでいきます。

 これがカエデのタネです。

 植物のタネに目をつけただけでも、たのしいことがいろいろ発見できると思います。
 散歩に出たら、自分でも植物のタネを探すといいと思いますよ。

 たのしいからこそ賢くなる!
 元気に伸びる、たのしい教育研究所です。

健全経営で着実に伸びゆく たのしい教育研究所

 たのしい教育研究所はNPOなので、毎年「県」のチェックをうけますが、それ以外にも「事業(授業ではありません)」毎に厳しい経理チェックを受けることになります。NPOというのは〈法人〉つまり基本的には〈会社〉と同じなのです。

 今週もその検査がありました。
 まずこうやって分類された帳票類のファイルを準備します。

 それを外部からくる検査員が、支出経した項目が妥当なのか、その裏付けとなる領収証等はきちんと揃っているのかチェックを受け、不正経理がないかチェックしていきます。学校やPTA、任意団体などの様に、身内がチェックするのではないのです。

 「二重加算されていないか」、時には「この額が請求書通り口座から引き落とされているか見せてください」という様なチェックもありますから、けっこう厳しい検査です。

 今回も Very Good の評価をもらいました。

 会社というものは普通、そうだと思うのですけど、うちの研究所では、一人でお金を取り扱える様にはなっていません。切手一枚購入したものが、誰によっていつ行われたのか、関わる複数の人間がすぐにわかるようになっています。わずか60円くらいの額の行き先までわかるのに、かなりの金額を着服した、という様な新聞記事を目にすると不思議でなりません。

 さてこうやって年度のシメが着々とすすみ、頭の中はもう新年度がスタートしています。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=
 毎日元気なたのしい教育研究所です。

たのしい読み語り

 さった日曜日の「たのしい教育 春の講座」で、たのしい教育研究所の絵本担当A先生が、たのしい本をいろいろ紹介してくれました。A先生のブック・レビューは最近の講座ごとに発行してくれていて、今回で〈Vol.5〉となりました。すでに30冊くらいの魅力的な本が紹介されています。今回はその一冊「やってみよう! あいうえお」を紹介します。

 そのブック・レビューから切り取ってみます。

 大きな声で読んであげると、子ども達もつられて声を出してくれる様になって、賑やかでたのしいひと時になります。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=

 50音全ての音が出てくるので、後半になると「最後の〈ん〉は一体どういう使われかたをしてるのだろう」とわくわくしながら声を出していることになると思います。

 くもん出版1080円です。amazonで注文できます。⇨ こちら

周りの人たちが笑顔になる研究授業がしたい! そういう時に〈たのしい教育〉

 「たのしい教育 春の講座」のテーマの影響もあるのだとおもいますが、研究授業や校内研修に関わる問い合わせがいくつか届いています。今回は「研究授業」について書いてみましょう。いろいろな先生方を代表して授業を実施し、それをたくさんの人たちが見にきて、その後、授業についての研究会・検討会を行う、というのが〈研究授業〉です。校内での比較的小規模な研究授業から、市町村での研究授業、全県的な研究授業という大きなものまでいろいろあります。

 わたしが赴任した時と学校は3年継続の体育の研究指定校でもあったので、校内だけでなく、市町村教育委員会、県教育庁、文科省などから参観に来る様なものまで合わせて年間何本も研究授業をうっていた記憶があります。

 サッカーの授業で研究授業を設定していた時のこと、土砂降りの雨になってしまいました。そういう場合〈運動場が使えないなら体育館で〉という選択肢も考えられるかもしれませんが、その時の研究授業は県レベルの大きなもので、前日には体育館にシートが敷かれてイスやテーブルがならび、体育の授業ができる様子ではありません。
 実はそういう場合も想定して「保健体育の授業」をうてるようにと準備してありました。研究指定校のメインテーマが〈体力づくり〉でしたから、〈保健体育的なアプローチ〉も十分そのテーマに迫る一つです。職員会議の中でも事前にみんなで確認していたのですけど、

 とりあげたのは仮説実験授業の「食べ物飲み物なんの色?」という授業です。今でもそのプリントは大切に持っています。


 身近な食べ物の合成着色料を実験的に確かめていくもので、キャンディーやジュース、漬物などには石油から合成した着色料を使っているものがあることを学ぶ授業です。

 プリントを印刷して、その内容通りにすすめていくので、あまり準備に時間はかかりません。あえていえば、ジュースやつけものを買いにいくくらいですけど、それはスーパーにいけば手に入るものばかりです。染める時に毛糸を使ったのですけど、それは手芸屋さんで売っている安いもので十分で、今では100均に行けば簡単に手に入ります。1日一度の「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=

 仮説実験授業ですから、プリントを一枚ずつ配りながら、予想を立てて実験してお話をよんですすめていきます。具体的な内容はいずれ「たのCafe」か「講座」で紹介するとして、その研究授業の強く心に残っている思い出があります。

 それまで体育の実技の研究授業はたくさんやってきたのですけど、「きゆな先生と同じ様な授業をしました」という人はほとんどいなかったとおもいます。ところが、その保健の授業のあと、いろいろな研究会で顔をあわせる体育仲間たちから「あの授業、わたしもやってみましたよ。子どもたちも喜んでくれました」と声をかけてもらうことができました。
 何が違っていたのか。もちろん授業そのものが教師にとっても感動できる展開であったということ。そして何より、プリントを印刷して配りながら自分でもにた様な授業ができる、ということが決定的に大きかったとおもいます。 

 これがその時に使ったプリントの一部です。
 ジュースをろ過する実験ですけど、理科が苦手な人たちにも難しいことはありません。選択肢もついているので、意見の違いがシャープに出ます。
 研究授業というのは何か、いろいろな捉え方があるとおもいます。
 これまで数々の研究授業を見てきましたから、中には「わたしはこんなにすごいでしょう」という様なことを見せたいがために研究授業をしているのか、と思う様なものをいくつも覚えています。道具や準備や子ども達の躾から教室掲示に到るまで「これは真似できない」という授業は多々あります。
 しかしその時からわたしが目指した研究授業は、この二つです。

 授業を見た人たちが
1.真似をしたくなる様な魅力的な授業
2.簡単にその授業を真似することができる授業

 「たのしい教育研究所」が提唱する授業は、そのときの目標をそのまま今も引き継いでいます。
 そしてその財産はどんどん増えてきています。
 前回の講座で評価の高かった「30倍の世界」も、絵本版で授業できる様構成し、ライトスコープではなく〈たの式けんび鏡〉で簡単にたのしめるようにしましたから、遅くまで準備をしなくてはいけないものではなく、初任の方でも臨時採用の方でも、子どもたちが喜んでくれる、自分自信も感動する様な授業が可能です。

 興味のある方はぜひ四月のたのしい教育Cafeにお申し込みください。学校の先生のみでなく、地域や団体で教育に関わるみなさんも対象にしています。少人数のとてもたのしいCafeですよ。