おすすめ絵本の紹介「身を守るちえ」

 絵本が好きな方たちも、たのしい教育研究所のファン層にしっかり入っています。ある方から「たのしい教育研究所のサイトで紹介している絵本などをそろえています」という嬉しい便りが届きました。嬉しいことです。
 今回は先月の〈自由研究をたのしもう〉でミエ先生が授業した「おすすめブックレビュー」で紹介された中からお届けします。

 画面に映し出される画像を観ながら参加者から「お~」「へ~」という声がたくさん上がっていた一冊です。

動物のちえ2『身を守るちえ』

ネイチャー・プロ編集室 編著 偕成社発行
¥2,400 +税

(表紙)とがった毛をさかだてて身を守ヤマアラシ

 動物たちはいろいろな知恵をつかって生きています。
 この本には、動物たちの、びっくりするようなおもしろい知恵がたくさん詰まっています。
 たとえば、〈オポッサム〉は、敵に出会うと死んだふりをします。その「ふり」も本格的で、心臓の動きをとめて息もしないで完全に死んだようになるのです。敵が去った頃に息を吹き返して歩いて立ち去るということですからすごいですね。

 〈ハイイロタチヨタカ〉は木にとまって休むときクリクリの目立つ目をしっかりとじて、あごをあげて体を伸ばし木の枝そっくりになってしまい、どこにいるのか全くわからなくなってしまいます。まるで忍者のような鳥です。

 他にも二枚貝を持ちあるくタコやアルマジロ…、いろいろな動物を見るだけで、動物ってすごいなとおもえてくるたのしい本です。感動的な生き物の様子は読書感想文にもいいかもしれません。
 動物のちえシリーズには「食べるちえ」「育てるちえ」「眠るちえ」「ともに生きるちえ」」がありどちらもおすすめです。

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国語もたのしむこと、それこそが一番です/改めて〈映画 ちはやふる〉をおすすめします

〈国語〉もたのしむこと、それこそが一番大切だということは言うまでもありません。最近、国語を教えている先生から〈ちはやふる=上の句・下の句=〉を観た高評価が届きました。
 以前、このサイトでもおすすめした映画です➡ こちら さらに ➡こちら

 

 すでに10回くらい観ている私も、その話を聞いてまた観てみることにしました。
 不思議なのか当然なのか、同じところで感動していました。
 どういう展開になるかしっかり頭に入っているので涙をうかべるところも事前に身体がつかんでいて前段ですでに目頭が熱くなってしまいます。それは流すのも悪くない〈涙〉です。

 日本人にしろ外国の方たちにしろ、その〈国語〉と関係しない日は一日たりともないでしょう。それだけに「使うものだからつべこべ言わずに覚えなさい」的な指導が入り込みやすい下地があるかもしれません。しかしたとえば〈古典〉などのめんどうな文法を教えられなくてはいけないのか、と問われると答えに窮してしまうのではないでしょうか。
 わたしは中学の頃の国語の先生に「〈てふてふ〉と書いてあるけどここでは〈ちょうちょう〉と読みましょう」と言われて「この世界にはついていけない」と感じた一人です。
 やはり〈国語〉であっても「たのしむこと」が重要だと思うのです。

 映画〈ちはやふる〉は「古典」の世界に親しむことができるとてもおすすめの作品です。

 作品の主人公は〈綾瀬千早〉。〈競技かるた〉に青春をかける高校生です。その中で観ているわたしたちも百人一首の世界を味わうことができます。

 上の句・下の句に2巻に分かれていますから当然〈上の句〉から観ることになると思いますが、〈下の句〉で初めて登場するクイーン若宮詩暢(わかみやしのぶ)のキャラクターが光り、後半がさらにおもしろくなります。

  

 上の句111分・下の句102分、合計で213分。
 中学高校の50分単位で計算するとそれぞれ2回分くらいになります。
 上の句のみ視聴して「のこりは各自で観てね」ということでも十分だと思います。

 授業でとりあげてみてはどうでしょうか。
 「〈古典〉がずっと身近になった」と感じてくれる人たちがたくさん出てくると思います。

 もうひとつ「方言」の魅力も味わえると思います。
 「ちはやふる」の登場人物〈めがねくん〉とその祖父〈永世名人 綿谷始-わたやはじめ〉の口から流れ出る〈福井弁〉がよい。聞いていてとても心地よいのです。そして、その福井弁で語られると妙に納得してしまうのです。不思議な感覚です。「方言の魅力」という視点で授業してみるのもよいのではないかと思っています。 1日1度のこの「いいね」で〈たのしい教育〉を一緒に広げましょう➡︎ いいね=人気ブログ!=ジャンプ先でもサイトをワンクリックするとさらにうれしく思います。

研究のすすめ方(下)/構想が重要・ブレインノートの活用 ==前回からの続き==

 研究の構想をハッキリと立てていく中で「あえてこのテーマで研究していきたいと思ったのは、自分の中にどういう考え(予想・仮説)があるからか」について明らかにしていく過程が大切になります。

 構想をすすめていくと「このテーマで研究をすすめていくことはやめたほうがよい」という結論に至ることもあります。少なくとも〈このままのテーマに関して変更を含めた進め方が必要になります〉ということはたくさんあります。
 逆にいうと〈充実した研究をすすめたい〉という熱意さえあれば〈テーマや内容〉を一部変更していく中で研究をすすめていける様になります。

 構想をまとめていく際には〈いっきゅう〉開発の構想デザインツール〈ブレインノート〉が活躍します。

 〈算数〉の授業づくりをテーマにしてブレインノートで構想をまとめた時のものがこれです。考えていることが多元的にリンクする中で、全体構想が見えていくのです。

 大規模な研究は、もっと複雑な構造になります。
 そして密度の濃いものは、三~四回くらいのスーパーバイズが必要になってきます。もちろん研究だけでなく〈起業:会社を起こすこと〉をテーマにしたときもこれくらいのボリュームが必要になってきます。下に掲げたブレインノートは〈県の事業〉を取りたいということで相談に来た某企業のトップの方にスーパーバイズした時のものです。※画像加工してあります   結果、その提案は採用されました。時々連絡がはいりますが、元気に沖縄県の事業を推進しているとのことです。

 以前から要望が届いているので早く〈ブレインノート活用法〉の講座を企画したいと思っているのですけど、なかなか時間を確保することができません。もっとたくさんの要望が届く頃、実施できると思います。気長にお待ち下さい。

 研究には〈構想〉が決定的に重要である、というお話でした。1日1度のこの「いいね」で〈たのしい教育〉を一緒に広げましょう➡︎ いいね=人気ブログ!=ジャンプ先でもサイトをワンクリックするとさらに嬉しく思います

研究の進め方(上)/模倣と研究/教師の○○研究・自由研究・社会的な研究もすべて

 自由研究に限らず〈たのしい教育研究所〉には、先生たちの初任研、教育センターをはじめとするいろいろな教育機関での研究などの相談が来ます。今回は「研究をすすめる」時の大切なことについて書いてみたいと思います。〈たのしく充実した研究をすすめる方法〉について書きますから、〈楽にすませる〉という人たちには参考にならないことをご了承ください。

 「研究がすすまない」「報告書が書けない」ということで困って相談に来る方は、何かのモデル的なものを元にして文章を書き始めたりしていることが多いようです。しかしそういう研究はたいていうまく進まなくなります。強引にすすめていっても、本人にとっても、それを読む人たちにとっても〈納得〉のいくものとはならず、書く意欲、研究する意欲そのものが失われていく可能性も高いのです。

 研究は〈予想・仮説〉から出発します。たとえば〈もしかするとこういうことが言えるのではないか〉という〈予想・仮説〉を確かめようとする〈目的意識〉からはじまるのです。何らのモデルになるものがあるなら、それは〈模倣〉であって研究ではありません。

 学校などで自由研究を進める時には、自由研究の進め方のレッスンという意味もありますから、バンデューラがモデリングの重要性を説いた様に、〈真似・模倣〉をしてみるうちに書き方がわかってくる、ということもあります。しかしそういう過程を経て、自分の問題意識から出発する〈研究〉の段階に進むには、《仮説・予想》からはじまるのです。そのことが決定的に重要だということを確認しておかなくてはいけません。

 研究所に相談に来る方は「書き始めてみましたが進まないのです」という方が多いのですが、それはたいてい書き始めの前に〈予想・仮説〉を中心とした〈構想〉がしっかりしていないからだといってよいでしょう。

 最先端にいる研究者はそうではありませんが、教育関係の人たちや学生の皆さんの中には「研究に際しての〈仮説〉も〈予想〉も無いまま」にすすめていく方たちがたくさんいます。しかしそれはこれまでの学校教育の本質的な問題であって、その人個人の責任ではありません。たのしい研究をすすめることができる人たちが増えていく中でしか解消できない問題だと思っています。だからこそ、たのしい教育研究所のサイトでいろいろなことを学んでいただけたらと思っています。

 話をすすめましょう。
「この論文がうまくすすまないのです」という相談で研究所に訪れる方の文章を読ませて頂いた後は、たいてい〈構想〉の部分から話をすすめることになります。


 以前〈道徳の授業を通して子どもの共感する力を高める〉という相談がありました。

 その先生とは

① どういう授業内容かをはっきりさせる
② 授業によって高めたい〈共感する力〉とはどういう力なのか具体的に整理する
③ その力のどの程度の高まりを想定する
④ 力の高まりを何によって測定するか選択肢を出す

について丁寧に整理していく中で

「あえてこのテーマで研究していきたいと思ったのは、自分の中にどういう考え(予想・仮説)があるからか」

という最も重要な話をしていくことになりました。   つづく

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