先ごろ「この世界の片隅に」製作委員会から〈海外渡航報告〉が届きました。たのしい教育研究所は〈この世界の片隅に〉を海外に紹介するためのクラウドファンディングに出資しています。
研究所代表の〈いっきゅう〉は年間何百本も映画を観るほどの映画好きで、そのいっきゅうが、いろいろな人たちに勧めている作品が「この世界の片隅に」です。
研究所に学びに来る方たちの中には〈社会が苦手です〉という人がことの他多い様です。〈地理が苦手です〉〈歴史がさっぱりです〉という方達がかなり目立ちます。
そういう方たちにまず勧めているのが映画〈この世界の片隅に〉。第二次世界大戦の末期、広島の呉が舞台です。地理にしろ歴史にしろリアルに感じるところから一歩が始まることもあるのです。南北朝といえば〈足利尊氏〉〈後醍醐天皇〉、1336年尊氏が室町幕府を開いたという様なキーワードを覚えるのが社会だと思っている人もいるかもしれません。しかし〈社会〉はもっと身近なもので、息遣いが聞こえる様なものなのです。
まだご覧になっていない方は、まずこの作品を鑑賞してみてください。そして歴史とは〈人々の息遣い〉そのものだということを感じてみて欲しいと思っています。この作品は、それを伝えることのできる稀有な作品の一つです。
沖縄は戦争の被害の大きい場所でした。慰霊の日などで体験者の言葉を聞く機会も多いと思います。この作品を観ることで、貴重な体験者の言葉もさらにリアルに感じることができる様になると思います。
監督片渕須直さんは、この作品を手弁当で作り始めた人物です。主人公のすずさんが空襲を避けて飛び込んだ道の側の溝の大きさまで細かくリアルに描き込む様な作品づくりを最後まで崩しませんでした。この写真は、そのシーンのために長さや深さなどを丁寧に確認している場面です。
そういう意味でも〈文化遺産〉にしたいほどのグレードに仕上がっています。〈戦争〉の中でもごく普通の人たちは、怯えて引きこもっていたわけではありません。そういうことも追体験できると思います。そして、あの心の清い〈すずさん〉が「どうして戦争をやめるんだ。どうして最後の一人まで戦わないんだ」と心の底から叫んでしまう。それが戦争というものの恐ろしさであるということも、リアルに感じることができると思います。
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