たのしい宇宙授業 記念パンの画像/RIDE( ライド:たのしい教育研究所 )誕生前

 先に載せた〈宇宙パンで腹痛騒動-一部〉の記事を読んだ読者の方たちからいくつも反響が届いています。
 その後の展開をもっと読みたいです、という内容だけでなく、その中に、なんとその〈記念パン〉の写真もありました。
 すでに食べた後なのですけど「とても想い出深いイベントだったので、缶は大切に取ってありました」とのこと。
   
 

 

 このビッグイベントの前後も数々のたのしい教育イベントを開催していましたから、たくさんの処から〈たのしい授業をして欲しい〉という要請が届き、次第に全国ネットの番組からも出演交渉が来る様になりました。

 板倉師匠に「マスコミに乗ってブームになるのは危険」と教えられていた通り、それは避けていましたが、学校現場にいると、いろいろな制約があり、いろいろな地域などから届く要請の1/10に応えるのも難しい状況になっていきました。
 結果的にそれが〈RIDE:たのしい教育研究所 〉設立のきっかけにつながり、今のこの状況があります。

人生は未知のたのしさに溢れています。

 学校が、不登校が増え続ける現在の状況ではなく、風邪をひいていても、それを隠して行きたくなるくらいのたのしい学びの場になることこそが未来を切り開くカギだと思います。
 たのしい教育の魅力をもっと広げていきたいと考えています。

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RIDEアウトドアワークショップ 盛り上がる

 先日、毎年恒例のアウトドアたのCafeが開催されました。
 とても盛り上がった内容になりました。

 RIDE(ライド)のアウトドアワークは〈バーベキュー&スイカ割り〉という普通のスタイルではなく、地域や学校でたのしく利用できる新しいアイディアを含めた実験的なワークです。

 みんなでたのしんだ中のいくつ かを、軽く紹介しましょう。

 これは〈みむら先生&さくら先生〉がリードした〈巨大シャボン玉づくり〉。

 RIDEの教材の一つで、作るとすぐに売り切れてしまう大人気の教材を久しぶりに作成して、みんなでたのしみました。

 アッという間に、巨大シャボン玉がいっぱいできて、空に舞い上がっていきます。
 会場に来ていた他の家族づれの方たちの注目関心の的でした。

 

 これも大人気だった「森の中のカルタとり」
 さくら先生がリードしてくれました。

 自然の中でほとんど同じ形のものを探し出して、みんなでたのしむゲーム、つまり準備いらずな上に、ルールもシンプル、そして自然をたのしむ要素がつまったステキなゲームです。
 上の写真はAさんが集めてきた〈同じ形ペア〉、夏には夏の秋には秋のたのしいカルタ取りになって、学校でも簡単に利用できるたのしい教材の一つにしたいと思っています。

 他にもミエ先生の「噴水フルーツポンチ」、ミムラ先生の「ソーメン滝落とし世界大会」、マキ先生の「生き物探し大会」、メグ先生の〈メインディッシュ〉などなど、たくさんの内容で盛り上がった「アウトドアたのCafe2019」でした。

 そうそう総合プロデューサーの私は「森の串揚げ屋〈いっきゅう〉」を店開きしました。

 もちろん管理者側の許可も得ています。
 風が強かったために火力が今ひとつで〈ポテト&ゴーヤー〉くらいのメニューでしたけど、みんな「おいしいおいしい」と喜んでくれました。
 今度、インドアでの〈たのCafe〉でも開店しようと思っています。

 次回は秋の「スポーツたのCafe」で大人数の募集をします、ご期待ください。

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合格チャレンジの面々/たのしい教育の未来が育つ

 沖縄県の教員採用試験二次試験が始まっています。
 RIDEで合格ワークショップを受けて本番に臨む面々から朝、写真が届きました。
「和をもって貴しとなす」の言葉通り、とても仲良く励ましあって最終のシミュレーションをしている様子が写っていました。

 初日、かなり大きなウェイトをしめる〈論文〉がありました。

 次々と「いっきゅう先生、練習通り全力で書き切ることができました」というメールが届いています。

 RIDEのワークショップは論文その他、独自のメソッドを開発しています。それはたのしい教育で子ども達・保護者の皆さん、そして自分の笑顔と賢さを広げていきたいと考えている人たち向けのスペシャルな教材です。
 この人たちを早く合格させてあげたいです。

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有料メルマガから「いっきゅうの発想法 科学的な見方・考え方実践編(前半)-配布したパンで腹痛騒動- 2009.05.12/20190821再構成

 有料メルマガの問い合わせがいくつか届いています。「たのしい教育」に興味関心のある方はまず一年間購読してみてはどうでしょう。
 中身を見たいという方の希望にもお応えするいみで、最新号の一部を紹介します。メルマガは全体が4章構成で、今回紹介するのは、最終章の〈たのしい教育の発想法〉の一部です、メルマガに書いたところ、さっそくいくつもの反応が届いています。
 どうぞ!

 Macに変えてからは〈タイムマシン〉のおかげでそういう心配はほとんどなくなりましたが、windowsを使っていた頃、膨大なパソコンデータが〈クラッシュ〉して消えてしまったことが何回かありました。たくさんのデータがこの宇宙からなくなったのですから衝撃的です。
 時々、無くしたデータがペーパーとして残っているのを見つけることがあります。それらは丁寧にPDFにして保存しています。
 今回はその一つ、私が「科学的な見方・考え方 実践編」としてまとめた内容を紹介します。10年ぶりくらいに読んで、「なるほどね」と自分でも感心しています。
 今週のたのしい教育メールマガジン発想法の章は、そのデータを打ち直しておとどけします。
 長いので前編と後編に分けて掲載しますね。
 

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いっきゅうの発想法
科学的な見方・考え方実践編
-パンで腹痛騒動-(前半)
2009.5.12樹楽庵/2019.08.21文字起し
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はじめに
「科学的な見方・考え方」を身につけることは私の大きなテーマです。
 実は最近、期せずしてその具体例に巡り会いました。
 わたしが渦中の人の一人になってしまったわけですけど・・・

 わたしが代表を務めて、沖縄・東京・アメリカ・宇宙を結んだ、ある大きな教育イベントを開催しました。
 その開催記念としてパン屋さんに「缶詰に入った宇宙パン」を製造してもらい、それを主催者や参加者などに100缶ほどプレゼントしたことがありました。

 保存食として何年も持つパンで宇宙食にも採用されたことのあるパンです。
 その宇宙パンをめぐって、ある騒動が起こりました。
 みなさんが、当事者の私になったつもりで読みすすめてくださいね。
 人物や舞台が特定できないように、脚色してまとめてみたいと思います。

 ビッグイベントのメインスタッフは10名です。
 その他に駐車場の整理や受付、警備などで協力したいという人たちをあわせると40名くらいになります。
 アメリカのNASA、日本のJAXA、そして宇宙を結んだ巨大イベントは、そのメンバー全員の力で大成功のうちに終わりました。

 休日のイベントが終わってすぐ、記念の宇宙パンをもらった裏方の一人、A先生(中学校教諭男性)からこういう連絡が入りました。

「急ぎ連絡します。
 今朝、記念品のパンをクラスの子どもたち30数名に分けて食べてもらったところ、5人の子どもが腹痛を訴え保健室に行き、そのうち1人は症状がひどいというので自宅に帰りました。
 4人はまだ保健室で寝ています。
 パンをもらった人たち全員に至急連絡して下さい」

 私が直接知っている方ではなく、別な人の伝手で関わった方で、個人的にはよく知らない先生なのですけど、年齢的には私より上で、少なくともフィクションでこういう話をする人ではありません。

 質問
 みなさんが主催者代表として、みなさんのところにこういう連絡が入ったら、どの様に対応しますか?

アできるかぎり早くパンを手にした人たちに知らせる
イその子ども遠の状況を把握する
ウその他

それはどうしてですか?
あなたの考えを聞かせてください。

 

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科学的な見方考え方 実践編

 その連絡を受けてすぐ、わたしがとった思考の流れ、行動は4つです。連絡を受けてすぐの休み時間を利用して15分くらいの間のことです。

1.メールを送ってきたA先生に「おちついて対応しましょう」と伝えて詳しく話を聞く

 A先生は落ち着かない様子で「手を洗わないで食べたせいで腹痛を訴えたのではないか、最近の子ども達は抵抗力が弱っているからこうなったのではないか」といっています。
 けれど〈食べてすぐの腹痛だ〉というわけですから、まず考えられるのはバイ菌・雑菌・ウィルスのせいではなく〈毒物〉ということです。

 バイ菌やウィルスなどが原因だとしたら症状が出るまで時間がかかります、あの最強レベルの『コレラ菌』でさえ、腹痛や曜吐などの症状が出るのは、早くて数時間後です。
 〈パンが激しく腐敗していて、それを食べた〉ということで、すぐに腹痛が起こったということも在り得るでしょう。
 しかしそれならほぼ全員に嘔吐などの症状がでるはずです、そもそも腐敗しているなら誰かがすぐに訴えるでしょう。

 毒物か?
 パンに毒物が混入されているというのは、病原菌よりもっと可能性が低くなります。
 もしも毒物なら30名中5人だけというのは考えられません、ほぼ全員が症状を訴えたはずなのです。

 他の何か、たとえば先生や学校との人間関係などが作用していて、何かをきっかけにして休みたい帰りたいと考えていた場合や、集団暗示的に、これはまずい食べ物だという刷り込みがあって気持ち的なもので腹痛を感じた などその背後の理由は十分考えにれます。

 しかしそういう予想の組み立てで「A先生、心配ありませんよ」というわけにはいきません。
 私が考えていたことは語らずに「わかりました。こちらでも動いてみます」と伝えました。

 予想を立てたらそれを検証しなければいけません。

2.近い仲間たちの中にパンを食べた人がいるかたずねて、その結果どうだったか確認する

「パンを製造する時に毒物や病原菌が混入していた」と想定してみましょう。すると同じパンを食べた仲間たち、その周りで食べた人たちの中から同じ症状を訴える人がいるはずだと、という予想が立ちます。
 至急、近しい仲間5名に「記念の宇宙パンを食べたか、何か体調の異変はなかったか?」と連絡を入れました。
 この仲間というのはメインスタッフでなくてはいけませんし、私と気持ちを共有できる人たちでなくてはいけません、外部に情報が広まって騒ぎになってしまっては困りますから。

 5人中4人から「特に何もない、おいしかった、家族も食べたけれど体調を崩す人はいなかった」という返事が来ました。
 一人からは昼後に連絡が来ました「まだ食べてない」との事。そこで「すまないけど食べてみて様子を教えて欲しい」頼みました。4人プラス家族で10名ほど食べていて、その全員が〈異常なし〉という事ですから、これはもう「パンの所為ではない」と考えていたからです。
 「配布したパン自体に病原菌や毒物混入の可能性はない」という判断です。
 可能性としては、そのクラスで開ける時に誰かが毒物を混入したということも0ではありません。しかしその場合であっても、大多数に影響なしということからすると可能性はとても低いでしょう。
 

3.パン屋さんに連絡して事情を話し、ストックされた製造製品と同じものを検査をしてもらう

 雑菌・ヴィルス・毒物の混入の可能性がないと判断できても、異常を訴えた人たちが納得しなかったり、騒ぎ出した時に説明する材料が必要です。
 大手のパン屋さんは、こういうことが起こった時のために、その時その時間に作った同じ製品をストックしてあります。
 そこで栃木県にあるパンの製造元に丁寧にお話をしました。
「実は沖縄のイベントの記念として製造して頂いたパンを食べたあるクラスの子ども達数名が腹痛を訴えたという話がきています。ストックされている製造番号○○○○のパンに何か入り込んでいないか調ベて項けませんか・・・症状を訴えている人は、その数名で、他に食べた人もいるのですけど、その人たちからは何も訴えはありませんので〈万が一〉という事でお願いします」

 パン屋さんに限らず食品関係の工場の人たちは日々、事故に注意を払って製造しています。そういう方達に〈いちゃもんをつけられた〉と思われるのは困ります。お互いが意地になると不幸な展開になることもあります。
 幸いこちらの気持ちや考えは丁寧に伝わり、
「すぐに外部機関に依頼して一週間程度では結果を連絡します」と応えてくれました。外部機関に検査してもらうというのは、さすがです。

4.・・・

 まだレポートの半分まで差し掛かっていませんが、ここまでにしておきましょう。興味のある方はメルマガをご購読ください。
 毎週、たのしく濃い内容をおとどけしています。

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