たのしい教育としつけ

 たのしい教育研究所に〈たのしい教育〉の実践方法を学びにくる先生たちから、いろいろな便りが届きます。「四月からさっそく〈自由研究こそ本物の研究〉をテーマに授業しています」とか「研究所で教えてもらった〈出会いのたのしい教育〉を試して大好評です」という様な便りも届いています。
 そんな中、ある方からこういう質問が届きました。

 たのしい教育で子ども達とのいい関係もできつつあります。であえてよかったです。
 ところで〈たのしい教育〉を実践し、子ども達と盛り上がった後に普通の授業にもどる、という時、気をつけておいた方がよいことはありませんか?

 「たのしい教育」は面白おかしい教育ではなく、子ども達の興味関心を高め、その教材を深く味わい、感動を伴って学んでいくことができる教育です。たとえば〈国語の本読み〉をたのしく行ったり、〈地図記号〉をたのししく学んだり、〈かけざん九九〉のすばらしさをたのしく学んでいける教材がいろいろそろっています。しかし実際問題として、そういう様に興味関心を高めていく授業ばかりではなく、単調な漢字の書き取りや、単元テストなど、これまでの様なごく普通の授業をやる場合もあるでしょう。ですから、この方の質問の様に、この後どうしようか、と考えてしまう方も少なくないと思います。

 教師として、カウンセラーとしてたくさんの先生達のスーパーバイズをしてきた経験上
「たのしい教育で子ども達の興味関心を高める中で人間関係が出来上がっていくと、少々無理なお願いも聞いてもらえて、逆に、強制や押しつけをベースにした関係づくりをしていくと次第にうまくいかなくなる。それがひどくなると学級崩壊につながる危険性が高い」ということが言えると思います。

 たのしい教育教材を実施していて、たとえば国語の時間に「たの作」という〈たのしい作文指導〉をしていて、あっという間に時間がきてしまい、「はい、じゃあ、今日の〈たの作〉はここまでです。次回をたのしみにしていてください。後半は宿題にしていた国語の〈本読み〉をやるよ」という展開も特に違和感なく子ども達に受け入れられるようになるでしょう。

 逆に、子ども達の興味関心はそっちのけで、〈とにかくこれをやるべし〉的な授業が続いていくと、いわゆるよい子ちゃんたちはついてきても、自分の興味関心を大切にしている元気な子どもたちのフラストレーションは高まっていくことになります。時代が進むにつれて必然的に、子どもたちも〈今の自分の幸福感〉を大事にするようになってきています。命令や押しつけに従うような子どもたちは減ってきているのです。その変化は素晴らしいことで、そういう子ども達が満足してくれるような上質な教育内容を提供していくことが大事なのであって、〈今の子ども達はいうことを聞かない〉とか〈わがままだ、生意気だ〉という見方には賛成できません。そのことについてはまたいずれ書かせていただきます。

 話を戻して…
 学校や教師の都合、それから〈たのしい教育の教材の関係〉もありますから、いつでもでこでもたのしい教育とばかりはいきません。ですから、たのしい教育で子ども達の興味関心を高めるような授業ができてきたら、こちらの都合をちゃんとお願いするといいのです。押しつけや強制をベースにした授業をしている先生よりも、聞いてくれると思います。

 具体的に書きましょう。

「今日の前半は〈たの作〉で、後半は〈本読みのテスト〉ね」と話してあったのに、後半の時間も多くの子ども達が「たの作をした〜い!」と要求してきた。そういうときには「そうもいかないのよ、だって先生、本読みの成績つけなきゃいけないんだからさ」とニコニコ話してあげるといいと思います。
 もちろん場合によっては「みんな、なかなか作文が止まらないようなので、あと15分延長して、本読みのテストは、今後の時間と次の社会の時間のはじめの5分くらいを使うというのでもよいですか?」と聞いてみる方法もあります。こういう場合は多数決ルールでいく、という雰囲気も作っておくとよいでしょう。

 では「多数決に従わない。どうしても自分は作文がしたい」と強く主張する子がいたらどうしますか? 「そこはさ、みんなと同じ様にしてちょうだいよ」と頼んでも引かない子です。
 わたしのおすすめは〈その子に選択肢で問いかける〉ということです。
 「じゃあ〈休み時間にテスト〉〈帰りの会でテスト〉のどっちにする?」というようにです。

 勘違いしてはいけないのは、その子は「授業したくない」と言っているわけでも〈授業を破壊しよう〉としているわけでも〈教室から逃げ出そう〉としているわけでもない、ということです。
 子ども達は大人と比べて自分の気持ちを丁寧に伝えることが苦手ですから、ついつい乱暴な口調になったり、ふてくされた態度をとってしまているかもしれません。しかし、もしも子どもが丁寧に話すことができたとしたら
「先生、今やっとボクは作文を書くのがたのしくなってきたんです。この国語の時間はどうしてもこのまま作文を書いみたいんです。ボクの本読みのテストは休み時間にやってもらえませんか?」と話したかもしれません。一般には作文を書くことは苦手な人たちが多いわけです。それを〈作文を書くことがとめられないです〉と言っているわけですから、その子の成長にとって、明らかにプラスだと思うのですけど、どうでしょうか。
 ちなみにこの事例はフィクションではなくて、〈たの作〉をたのしんでいる先生の教室で実際起こったことです。

 たのしい教育で子ども達の興味関心も高まって盛り上がってきた。次はごく普通の授業である。そういうときには「いろいろな授業をもりあげたいな」と思いつつ、それは今後の自分の目標にとどめておいて「はーい、みんな、次は◯◯だからね」と、にこにこしながら伝えてあげてください。

 たのしい教育を進めて行く中で、子どもたちとの人間関係もよくなり、必要だと思う躾けも伝わっていく様になると思います。

 ということで、今回はここまでとします。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!

  
 

 

 

 

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