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アンリ・ファーブルのすっかり分かりやすい略伝〈板倉聖宣 語る〉たのしい教育メールマガジンから

 今回も板倉聖宣の発想法をお届けします。毎週発行の〈たのしい教育メールマガジン〉は四本立てで、それぞれ充実した内容をお届けしていますが、今週発行の最新号に「板倉聖宣が語るアンリ・ファーブル略伝」を編集して載せたところ予想以上の高い評価が届いています。
 その多くが「すっきりまとまって分かりやすい」「これまで知らなかったファーブルの話だったので、また昆虫記を読みたくなった」という様なお礼のメールでした。

 紹介したのは、板倉聖宣が1992年に東京都杉並図書館で開催された「科学読み物研究会例会講演会」で語った内容からアンリ・ファーブルについて抽出して私が編集したものです。

 ここで、さらに手を加えて、前半部を紹介させて頂きます。

板倉聖宣

 私は、本を書く時は、それに関わる本を全部調べています。

 ファーブルを書く時には、ファーブルの本を全部買いました。

 ファーブルのことを書く時は大変なのです。
 まず、集めるのに時間がかかります。値段はたとえば10万円ぐらいですんでしまいますが、時間で計算すると100万円分ぐらいかかる。10万円の本を保存するのに、土地代と建物代と20万円かかるんです。しかし、そうしなければ書けないのです。

 ファーブルという人を〈昆虫学者〉と思っている人がいますけれども、彼は師範学校を出て小学校の先生の免許をとっています。その後資格を取って中学校の物理の先生になりました。
 ですからファーブルが一番初めに書いた科学啓蒙書は「空」とか「大地」とか「気象」とか、物理科学的なものが多かったのです。
 そういう中、ファーブルは「しょせん中学校の先生で、高等師範学校などを出た名門の人とは学歴が違う」とばかにされてしまいます。そこで、しゃくにさわって『新しい科学の時代の始まり』という本を書きました。それがけっこう売れて、それまでの自分の月給よりも印税の方がはるかに入るようになりました。正規の仕事よりも高い収入が入るわけですから、複雑な気持ちも出て来ますね。

 そんな時にある事件がおこりました。
 公会堂で植物の生殖、つまりオシベとかメシベの話をしたのです。その参加者の中には若い女性も入っていて〈若い女性の前で、そういう生殖の話をするとは何事だ〉とおばさんたちに怒鳴られてしまいます。

 その中に自分の下宿のおばさんも入っていて「お前たちすぐ出て行け」と言われてしまいました。
 という流れの中でファーブルは「ばかばかしい」と思って、学校の先生をやめてしまいます。(きゆな解説:ファーブル48歳の時です)

 月給が生きる全てだったら学校の先生はやめることができませんね。しかし原稿料の収入がたくさんありましたから、やめて、科学の教科書なんかを書くようになります。

 そのうちに悠々自適になり、今度は昆虫の研修に熱心になっていきました。

 彼の書いた初期の本は、後で書かれるものと全然雰囲気が違っているのですよ。『昆虫記』の頃のファーブルとは全然違うのです。
 はじめの頃のファーブルの本では、なにしろ〈昆虫は敵〉なのです。
 農民にとっては昆虫は敵ですね。日本の明治以来の教育でも戦前まで、昆虫教育をすごくやりました。蚕は味方ですけれど、ウンカとか何とか、昆虫は我々の生活に敵として現れます。
 ファーブルさんの本でも初めは昆虫は敵として現れるのです。
 初めの彼の昆虫の本にはこういう文章があります。
「ある時、子どもが丹精に植えた木が、朝起きた時には食いちぎられていた。
 犯人は誰だ・・・
 初めは人間だと思っていたが、実はそれが昆虫のネキリムシだった。
 ネキリムシはけしからん!」
 というようにしてネキリムシの研究を始めているのです。

 『昆虫記』の頃のファーブルはおじいちゃんになっていますから、何でも許してしまうということもありますし、生産に従事しなくなっているから虫は敵ではなくなってしまっているのです。

 『昆虫記』はどれくらい売れたと思いますか?

 実は売れなかったのです。

 

 なんと、ファーブルは餓死寸前までいったという衝撃的な話に続くのですけど、興味のある方はメルマガをお申込みください。

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