研究の進め方(上)/模倣と研究/教師の○○研究・自由研究・社会的な研究もすべて

 自由研究に限らず〈たのしい教育研究所〉には、先生たちの初任研、教育センターをはじめとするいろいろな教育機関での研究などの相談が来ます。今回は「研究をすすめる」時の大切なことについて書いてみたいと思います。〈たのしく充実した研究をすすめる方法〉について書きますから、〈楽にすませる〉という人たちには参考にならないことをご了承ください。

 「研究がすすまない」「報告書が書けない」ということで困って相談に来る方は、何かのモデル的なものを元にして文章を書き始めたりしていることが多いようです。しかしそういう研究はたいていうまく進まなくなります。強引にすすめていっても、本人にとっても、それを読む人たちにとっても〈納得〉のいくものとはならず、書く意欲、研究する意欲そのものが失われていく可能性も高いのです。

 研究は〈予想・仮説〉から出発します。たとえば〈もしかするとこういうことが言えるのではないか〉という〈予想・仮説〉を確かめようとする〈目的意識〉からはじまるのです。何らのモデルになるものがあるなら、それは〈模倣〉であって研究ではありません。

 学校などで自由研究を進める時には、自由研究の進め方のレッスンという意味もありますから、バンデューラがモデリングの重要性を説いた様に、〈真似・模倣〉をしてみるうちに書き方がわかってくる、ということもあります。しかしそういう過程を経て、自分の問題意識から出発する〈研究〉の段階に進むには、《仮説・予想》からはじまるのです。そのことが決定的に重要だということを確認しておかなくてはいけません。

 研究所に相談に来る方は「書き始めてみましたが進まないのです」という方が多いのですが、それはたいてい書き始めの前に〈予想・仮説〉を中心とした〈構想〉がしっかりしていないからだといってよいでしょう。

 最先端にいる研究者はそうではありませんが、教育関係の人たちや学生の皆さんの中には「研究に際しての〈仮説〉も〈予想〉も無いまま」にすすめていく方たちがたくさんいます。しかしそれはこれまでの学校教育の本質的な問題であって、その人個人の責任ではありません。たのしい研究をすすめることができる人たちが増えていく中でしか解消できない問題だと思っています。だからこそ、たのしい教育研究所のサイトでいろいろなことを学んでいただけたらと思っています。

 話をすすめましょう。
「この論文がうまくすすまないのです」という相談で研究所に訪れる方の文章を読ませて頂いた後は、たいてい〈構想〉の部分から話をすすめることになります。


 以前〈道徳の授業を通して子どもの共感する力を高める〉という相談がありました。

 その先生とは

① どういう授業内容かをはっきりさせる
② 授業によって高めたい〈共感する力〉とはどういう力なのか具体的に整理する
③ その力のどの程度の高まりを想定する
④ 力の高まりを何によって測定するか選択肢を出す

について丁寧に整理していく中で

「あえてこのテーマで研究していきたいと思ったのは、自分の中にどういう考え(予想・仮説)があるからか」

という最も重要な話をしていくことになりました。   つづく

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