線香花火/自由研究(1)寺田寅彦〈線香花火には起承転結がある〉

 自由研究に広がる話を書いて欲しいという要望が近しい人たちから届いているので、最近はそれにつながるものを書いています。お付き合いください。

 先日〈RIDE型働き方改革〉で、アウトドアで会議をしていました。暗くなってから私が取り出したのが〈線香花火〉です。
 子どもの頃から大好きで、その火花にも香りにもたのしい想い出が重なります。

 風の強い日でしたけど、たのしい時間になりました。

消火用の水は必需です!

 

 ところで線香花火の火花の仕組みは古くから研究対象になってきているにもかかわらず、今もしっかり解明されていないのをご存知でしょうか?
 


 わたしの好きな科学者 寺田寅彦も、線香花火のことが気になっていた一人です。

 寺田寅彦は「線香花火/『備忘録』所収」という随筆に

線香花火の一本の燃え方には、「序破急」があり「起承転結」があり、詩があり音楽がある

 と書いています。

 寺田寅彦のいう起承転結で線香花火を見ていきましょう。


 火がついた時はこういうランプの様な形をしていて、よく見ると、とても小さな火花がとんでいます。〈牡丹/ボタン〉と呼ばれています

 


花火が勢いを増して、松の葉の様な火花を飛ばします。中心のあたりではわからないかもしれませんから、端の方をみてください。細い線が飛んでいますね。〈松葉〉と呼ばれています


全体として先端がくねっと曲線を描くようになります、〈柳〉と呼ばれています

 


最後には、こういう小さな球体となって火花が飛びます。〈散り菊〉という段階です

 ぜひみなさんも線香花火を手に入れて、その火花の起承転結を味わってみませんか。

 次回は、寺田寅彦の弟子である〈中谷宇吉郎〉の線香花火の研究を紹介します。

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幼虫がサナギ(蛹)になった/自由研究

 RIDE(ライド)のアトラスオオカブトやカブトムシの幼虫が学校をまわって、子ども達の笑顔や賢さを広げています。
「ペットショップに行けば見ることができるじゃないか」と思うかもしれません、しかし〈見方の視点を伝える〉〈希望する子に実際に触れてもらう〉〈書籍との共同利用〉etc. 単に生体の有る無しとは違った笑顔と賢さが広がっていくのがRIDE(ライド)のたのしい教育です。

 その学校の一つから「幼虫がサナギになりました」という連絡が入りました。
 子ども達も先生たちもとても感動していたそうです。
 動画も送られて来ました、ビックリした子どもたちの感動した声もとても可愛いですよ。

 

 土の深さや湿り気の状態のせいで、蛹室:サナギとなる場所をうまく固めることができなかったので、紙の筒で作ってあげて、その後も順調に育っているとのこと。サナギの時には外敵から身を守る術が極端にすくなくなりますが、全く動かないわけではなく、何かが自分の体に触れてきたと感じたらビクンと身を反らして追い払うしぐさをします。


 あのイモムシの様な幼虫が、こんな姿のサナギになるという感動は、きっと子ども達の賢さを強く刺激したことでしょう。自然の豊かさ不思議さというのは、体験によって深く刻みつけられるものです。
 来週から、出前児童館が始まります。
 子ども達や保護者の皆さんの不思議そうな顔が今からたのしみです。

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サボテンの花/自由研究

 財津和夫のサボテンの花という唄(こちら)が好きでよく口ずさんでいます。今回はその〈サボテンの花〉の話です。

 先日、眺めのよいところでワークショップなどの企画を立てようと、スタッフで外に出ました、〈RIDE型働き方改革〉です。 
 そこで見かけたのが〈サボテンの花〉でした。
 みなさんは実際の花を見たことがありますか?

 サボテンの花は、わたしの好きな唄からはイメージできないほど強烈な存在感があります、これです。

 中をのぞくと、雄しべがぎっしりです。

 サボテンの花をしっかり見たのは私も初めてで、一緒に行ったメンバーも驚いていました。
 ドラゴンフルーツはサボテンの実です、こういう花から実になるのでしょうね。

 サボテンは事典にこう紹介されています。

サボテン科に属する植物の総称で,メキシコを分布の中心としてアメリカ大陸の熱帯から亜熱帯にわたる乾燥地帯に生育する多年生多肉植物

 乾燥した地域に生息しているわけですから、昆虫や鳥などをはじめとして生き物は少ない環境です。乾燥地=水が少ない地域、ということですから生き物が生息しにくいわけです。

 以前も書いたことがありますけど、植物は、その花粉を他の仲間に届ける方法として大きく〈風〉にたよるものと〈虫など〉にたよるものとに分けられています。風にたよるものを〈風媒花〉、虫などにたよるものを〈虫媒花〉といいます。

 虫などに頼るためには、その虫たちに発見してもらわなくてはいけませんから、目立つ色や形や大きさをしています。風媒花は風のって花粉をとばすわけですら、軽く小さく、風に乗る様な形状に進化しています。

 サボテンは、生き物の少ないところで育っているので、目立つ花をつくるのですね。

 他の種類のサボテンをみてみましょう。

 虫たちに「こっちだよ」「こっちに来て」とアピールするために、体に似合わないサイズの花もたくさんつけています、色も目がさめるほど鮮やかなものがたくさんあります。

 花に目をつけると、その植物の育つ環境など、いろいろなことが見えてきます、自由研究のきっかけにもなると思います。

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たのしい教育の発想法/板倉聖宣 2002 信用できる知識は信用するのが科学

最新のメルマガから〈たのしい教育の発想法〉をお届けしましょう。板倉聖宣が2002に語った講演の中の一部です。
 メルマガで紹介した内容の前半部です。

 

いっきゅう
 今回は何でもかんでも実験して決めるのではなく、信用できるものは信用してすすめるのが科学であるという話です。
 私にとっては常識なのですけど、ついついその面での整理ができていなくて混乱する人もいると思います。
 お読み下さい、最後に私の解説を加えます。

信用できる知識は信用するのが科学です

板倉聖宣

 

 仮説実験授業は「問題、予想、討論、実験」だと言いますが実はそれだけではありません。

 例えば私たちがいろんな薬を飲む時に「この薬は本当に風邪に効くのか」ということを仮説を立てて飲んでいたりしていません、信用して飲んでいます。
 中には、お父さんや、お母さんや、友だちが「これを飲んだら効いた」という話を聞いて飲んでいます。
 ですから決して自分自身で一つ一つの事実を、問題・予想・討論ということでやっていません。そんなことをしていたらいろんなことが出来なくなります。

 「この医者はちゃんとした医者かどうか」ということは、自分一人ではなかなか分かりません。だから「国家試験を通っているからいいのだ」ということにしているのです。場合によっては国家試験を通ってないほうがいいのかもしれませんけど、私は自分で選ぶ能力はありませんから他人の権威を信頼して使います。

 そこで問題なのは「どういうことが信用出来なくて、どういうことが信用出来るのか?」ということです。

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