記録の歴史を学ぶ授業プラン〈映画・写真編〉のラフの一つを前回から紹介しています。いくつか興味深い反応も届き喜んでいます。学校で授業にかけられるようになるまでには私いっきゅうの時間的なものが絡むのでまだ先になりますので気長にお待ちください。
前回、カメラは1000年前に発明されて、その後、動く映像である動画・映画ができたのは100年前だというところまできました。つまり〈動く映像〉を見ることができたのはカメラの発明に比べてかなり最近だということです。
わたしが気になったのはここからです。
外の映像を見るシステムである〈カメラオブスキュラ=カメラ〉は、その映像の下に〈紙〉などを置いて、手でそれを写し取って記録することができました。
これは空・雲の映像をテーブルに写している場面です。筆記用具があればその様子を絵として残すことができますね。
写し取るために、こういう工夫も生まれました。
手で写し取るだけでなく、その後「写真」といって、映像をそのまま残すことができるようになりました。
今はデジタルカメラが普通なので、写真というものを知らない人がいるかもしれませんが、たとえばこれは沖縄の宮古島のふるい〈写真〉です。
画像データとしてではなく、プリントアウトした様な状態で景色がそのまま写し取られているわけです。
手で写し描くのではなく、こうやって「写真」として画像を残すことができるようになったのはいつ頃からでしょう?
カメラが発明されてしばらくすると〈写真〉も発明されたのでしょうか。それとも、写真は最近発明されたものなのでしょうか。
写真の発明は?
ア.カメラ・オブスキュラから10~20年くらい後
イ. 〃 50~60年くらい後
ウ. 〃 100~200年くらい後
エ. そのほか
お話「写真の発明」
フランスのニエプス(下左)がはじめて「写真」を完成させました。それはカメラの発明から800年くらい後、1826年の事でした。
これも問題にしようかと思ったのですけど、長くなるのでそのまま書きますね。
ニエプスがフィルムとして使った素材は、なんと、道路に使われているものと同じ「アスファルト」です。
アスファルトは熱で固まります。
その性質を利用したのです。
夏の暑い日に屋外で8時間光を当てることでアスファルトを固め、固まらなかった部分を油で洗い流すことで画像を作ったのです。
よく、こういうことを思いついたなと思いませんか?
しかも映像がしっかり写っています(下右)。
その後、「銀」が化学変化で短時間に黒く変色する性質を利用した「銀版写真」が発明され、更に写真は進化していきます。
アスファルトの写真よりずいぶん細かくハッキリしていますね。
その後、幾つもの進化を重ねて、アメリカのイーストマン(左)が、セルロイドを巻いたロールフィルムが誕生しました
1889年、今から120年くらい前の事です。
ちなみに彼の設立した会社が「イーストマン・コダック社」です。
大人の皆さんなら見た事がある人も多いと思います。
このロールタイプのフィルムの発明で、写真の連続撮影が可能となります。
連続して写した画像を一つの画面にどんどん順番に映し出してて行く事で「動画」が誕生します。
ここまでをまとめると、今から1000年程前に「カメラ」が発明され、今から100年程前に「映画」が誕生します。
初めはサイレント(無音)映画
映画は映像を写すシステムでしたから、初めは音は入っていません。
サイレント映画です。
リュミエール兄弟によって上映された作品は「ラ・シオタ駅への列車の到着」(右)という50秒の作品だったといわれています。
音は入っていませんが、それを観ていた観客達は、本当に汽車が突っ込んで来ると思い込んで、部屋の後まで逃げていったという話も伝わっています。
映画は、人気を博し、いろいろな作品が登場します。
こういう話は、またいずれチャンスがあれば・・・
記録の歴史の一コマ、いかがだったでしょうか。
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