以前「どうして日本を〈極東〉というか」というお話を「世界地図」を利用してまとめましたが、おかげさまで、いくつもの反響がありました。
今回は逆に「西洋」という言葉について書きたいと思います。
幕末、日本の行く末を憂いる人たちのスローガンは「尊皇攘夷」でした。
『攘夷』とは、外敵を打ち払うという言葉です。
黒船が日本の開国を迫ることに苛立ち、薩摩とイギリスのとの戦争も起こり、まさに「外国人を打ち払う」というスローガンで盛り上がったのです。
それが江戸末期、突然「西洋の文化を学ぼう」という人たちが出て、明治維新の「文明開化」はまさに「西洋の文化を取り入れる」ことでした。
「打ち払え」がまさに180度転換してしまいました。優れた選択だったと思います。 そして、「なんという変更だ!」「裏切りだ!」という大きな混乱は生まれませんでした。人間は感覚的に平和が好きなのです。
わたしは政治の世界からとても遠い位置にいるのですけど、明治維新から学ぶことで今の世界をさらに平和に近づけることができるだろうと考えています。
ところで、ヨーロッパだけでなく、アメリカの文化を取り入れるのに、どうして「西洋」というのでしょう。アメリカは日本の東にあるのです。
これにも以前このサイトに出した「世界地図」が活躍します。
日本からこうやって眺めると、イギリスもフランスもドイツも、遥か海(洋)を渡ってたどり着く「西側」なのです。
アメリカは、さらに遥か遠くの西側の端にある国です。
もちろん世界標準地図では「西」ですが、地球は球体なので、船は東へとすすんでアメリカに行きました。
日本中心の地理感覚にプラスして、世界標準の地理感覚も、たのしい地理の授業に取り入れたい重要な教材です。
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