前回紹介したマツバボタンについて、ポーチュラカと同じものでしょうか、というお話がありました。生物の分類と関係があるので、少し書いてみようと思います。お付き合いください。
スタッフが調べてみると、web上では〈同じ〉〈違う〉の両方が混在しています。
そしてポーチュラカと呼ばれている植物はこれです。
似ているようにも見えますし、細かい部分を目にすると違うようにも感じます。
混乱する時にまずたどりたいのは、その植物なり動物の分類です。何度かこのサイトにも書いてきましたが、分類のキーはそれが〈何科の生物か〉です。
学名を整理してみしましょう… wikipediaより
界 | : | 植物界 Plantae |
門 | : | 被子植物門 Magnoliophyta |
綱 | : | 双子葉植物綱 Magnoliopsida |
目 | : | ナデシコ目 Caryophyllales |
科 | : | スベリヒユ科 Portulacaceae |
属 | : | スベリヒユ属 Portulaca |
種 | : | マツバボタン P. grandiflora |
スベリヒユ科>スベリヒユ属>マツバボタン です。
スベリヒユのことをポーチュラカ(Portulacaceae)といいます。日本ではそれをスベリヒユとも呼びます。
その知識をもってもう一度学名を整理したものを見ると…
スベリヒユ科 Portulacaceae
スベリヒユ属 Portulaca
マツバボタン P. grandiflora です。
リンネの整理してくれた学名は〈属名+種〉で表します。
マツバボタンを P.grandiflora と表記してありますけど、そのP.は ポーチュラカのP、つまりマツバボタンの学名は Portulaca.grandiflora ⇨ ポーチュラカ・グランディフローラ です。
マツバボタンはポーチュラカの仲間なので、その意味から〈ポーチュラカ〉という場合もあります。
さて、一般的にポーチュラカと呼ばれている植物は「スベリヒユ」とも呼ばれています。
スベリヒユ
目 | : | ナデシコ目 Caryophyllales |
科 | : | スベリヒユ科 Portulacaceae |
属 | : | スベリヒユ属 Portulaca |
種 | : | スベリヒユ P. oleracea |
ここも、「種」をよく見ていただくと スベリヒユ の P. oleracea は
Portulaca oleracea ⇨ ポーチュラカ・オラレシア です。
ですから、マツバボタンもポーチュラカも両方とも学名で読んでいれば間違うことはありません。マツバボタンは〈ポーチュラカ・グランディフローラ〉で、スベリヒユは〈ポーチュラカ・オラレシア〉です。
しかし〈花〉はこういう分類が整理させるずっと前から私たちの生活と深く関わってきたので、ニックネームをはじめとしていろいろな呼び方があって、学名よりずっと慣習的な呼び方が一般的です。
マツバボタンをポーチュラカと呼ぶ人たちは、グループとしてみる、あるいはマツバボタンの学名の前の部分 Portulacaを示してそう呼んでいるわけです。
マツバボタンとポーチュラカは違うものです、という人たちは、慣習的(あるいは園芸的)な呼び名を重視しているというわけです。
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