チャールズ・ダーウィンの名前を聞いたことがないという人は少ないと思います。今回はダーウィンの生涯を描いた絵本を紹介させていただきます。
本の紹介や書評はインターネット上にたくさんあるのにも関わらず、たのしい教育研究所には〈もっといろいろな本を紹介して欲しいです〉という要望が届きます。ある時、要望を届けてくれた方に、その疑問を投げてみると
「たのしい教育という視点で選ばれた本だからです」
という趣旨の言葉が戻ってきました。
たのしい教育の専門家が選ぶということが興味深い様です。そしてうれしいことに、たくさんの方たちが紹介した本を図書館で借りたり、書店で購入したりしてくれています。
確かに今回紹介する〈生命の樹〉も、個人的に好きだからというより、いろいろな人たちにダーウィンの一生を見てもらいたいと感じたからです。そしてこの本を読むと、私の様に、ここに描かれていない部分も気になってくるかもしれません。それは後半にまとめることになると思います。
チャールズ・ダーウィンは〈進化論〉を提唱した人物です。
人間も他の生き物も全て神様が作ったと教えられていたキリスト教の世界観に対して「生き物は〈自然選択〉によって進化して来たのだ」という科学的な理論を提唱しました。
その〈進化論〉は、その後の人々の〈ものの見方・考え方〉を大きくかえることとなった重要な発見でした。今では〈原子論〉や〈地動説〉の様に、科学の根幹を支える1つとして重要な位置をしめています。
これが絵本〈生命の樹〉です。
ダーウィンの生まれた国、幼い頃の様子、家族や周りの人たちの様子など、いろいろなことが描きこまれています。
作者の言葉だけでなくダーウィンが著書や手紙などに書いて来た文章も添えてくれているので説得力もあります。翻訳した方が、あまりうまくないので、そこのところは残念ですが…
ダーウィンは研究の成果だけでなく、自らの研究にとても誠実に取り組んで来た人物なのだなと思います。ダーウィンのこういう文章が載っています。
私は事実を観察し、あつめることに、せいいっぱい勤勉にとりくんできた。さらに重要なことは、自然科学への愛情がつねに変わらず、熱烈なものであったことだろう…
わたしは、若い頃から、観察したものはなんでも理解し、説明したい、つまり、すべての事実を何らかの法則によってまとめたいという、非常に強い願望があった。チャールズ・ダーウィン
〈生命の樹〉という本書のタイトルは、この本のために作られた言葉ではありません。ダーウィンが進化論を構想するにあたって、I think と始まるこういうメモがあって、そこに樹形図の様な図が描かれています。それが〈生命の樹/Tree of life.〉と呼ばれています。
ところで、この絵本でダーウィンの生涯を眺めたところで、わたしには湧き上がってくる疑問があります
ダーウィンはキリスト教信者ではなかったのか?
という疑問です。
みなさんはどう思いますか?
イギリスで生まれ育ったダーウィンはクリスチャンの家庭で育ち、自らもキリスト教を信仰していました。そして彼が結婚相手に選んだエマはとても信仰熱い人物でした。
そのダーウィンが聖書に書かれている事を否定することになる発見を広めていくことに疑問を持たなかったのか?
あるいは進化論を唱える頃のダーウィンはキリスト教の信者であることを辞めたのか?
みなさんはどう思いますか?
わたしが常々疑問に感じている部分です。
いろいろなメールを頂けたら、その皆さんの興味関心を糧にして、少し調べてこの続きとして書いてみようと思っています。皆さんの予想などを送っていただけたら幸いです。たくさんの人たちの〈学ぶ笑顔〉を育てる活動に賛同してくださる方は、このリンクをクリックすることで活動を後押しできます