今回は〈地理をたのしく〉をテーマに書いてみます。〈地理〉を苦手とする人たちがたくさんいます。かくいう私も小学校、中学校、高校、大学を通じてずっと嫌いなジャンルでした。
大阪には親類がいたので中学の頃から行っていて、関西あたりまでの地理感覚はそれなりにあって、北海道が日本の北の果てであることも知っていたのですけど、たとえば「〈東京と名古屋〉のどっちが〈沖縄から遠いのか〉」ということには無関心で、直接行くようになってから「そうなのか、名古屋が沖縄に近いのね」と確認したくらいです。
こういう私が、小学校でも中学校でも高校でも同じ様に〈山〉の名前や〈川〉の名前、〈平野〉の名前を覚えさせられた上に「山の名前とは別に〈山地・山脈〉の名前も覚えなさい」と言われた時の徒労感はかなりのものがありました。
教員採用試験の問題を解く機会も多いので今では苦労はありませんが、「地理が苦手です」という先生たちの言葉を聞くと、あの頃の自分のやりきれない気持ちを思い出し同情してしまいます。
地理的なものに親しみを感じる様になったのは明らかにテントを背負ってキャンプする様になってから、そして映画のたのしさを味わうようになってからです。
〈白神山地〉に分け入って清水のせせらぎを聞きながら珈琲をたてる
〈木曽山脈〉をぬけて〈飛騨山脈〉の〈上高地〉にテントをはる
そういう経験は土の香りや植物の美しさ、山なみの流れ、街ゆく人々の表情とともに頭に焼きついていきます。そういう中で教科書には出てこない〈飛騨山脈〉すら苦もなく覚えてしまいます。
その場所に行かなくてはたのしめないのが地理なのでしょうか?
いいえ。
映画はいろいろなことをたのしまませてくれます。
〈You’ve gut mail 〉でニューヨークの街並みをみる
〈エンドレス・サマー〉で世界の海をみる
そんな中で、ニューヨークのスターバックスの外装、ゼイバーズというスーパーの品揃えまでなんとなく頭に入ってくることもあります。
以前〈たのしい教育メールマガジン〉で「行ったことの無い街並みを歩く」をテーマに書き、好評を得たのですけど、今回は少し手を変えて〈行ったことの無い場所をたのしむ方法〉を紹介しましょう。それがつまり〈たのしい地理〉につながるのです。
人々の営みを支えているいろいろな場所を興味深く学ぶ方法はいくらもあります。
※
きっかけはなんでもよいのです。
たとえばたのしい教育研究所にある紅茶。
〈ダージリンティー〉
香り高く味わい深い紅茶です。
珈琲も紅茶もそれが採れた地名が銘柄になることがほとんど。
ダージリンという場所でとれた茶葉で作ったのがダージリンティーです。
ではダージリンってどこでしょう?
わたしには〈ダージリン〉という言葉をめぐる地理感覚はありません。
みなさんはご存知でしょうか。
これから少しダージリンについて見ていきましょう。
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