何で聞いたのか読んだのか定かでないけれど、書いておきたい言葉があります。
映画評論家で格技家の私の琴線に触れた言葉です。
既に他界した方ですが、新国劇の島田 正吾(しまだ しょうご)という俳優をご存知でしょうか。映画にも数々出た方です…私の記憶に最も残っているのは「映画 八甲田山」でした。
その島田さんが舞台練習の時、師匠から怒鳴られたときの言葉が忘れられません。
記憶の違いもあると思いますけど本意は違いません。
島田さんが殺陣(たて:切り合い)をしている時に、師匠がこう言ったというのです。
「主役だからといって、そんなにばったばったと切って行くものじゃない!
今お前が切る相手にはかけがえのない親が居て子が居て、
そしてこれからの人生があるという事を知っているのか。
その人生をお前が、自分の手で断つのだぞ。
その覚悟を持って、刀を振りなさい」
鳥肌が立つ言葉でした。