たのしい算数・数学「確率」の話/たのしく学ぶことは人生に役立つ(2)

〈宝くじの話と確率の学習〉を関連して書いたので、もう少し続けてみましょう。

 これは私がkindle(電子書籍)で目にした文章です、出典も載せておきます。

 誰もが一生に一度は当たってみたいと思う、「宝くじ」の1等。2018(平成30)年の年末ジャンボ宝くじの1等当選金額は前後賞を合わせ10億円。

 1等が当たる確率は、2000万分の1だ。

 2014年、米国のテュレーン大学地球科学部教授スティーブン・A・ネルソン氏が衝撃的な論文を発表した。

それによると、人が一生の間に自動車事故にあう確率は90分の1、火事にあう確率は250分の1、竜巻は6万分の1、落雷は13万5000分の1、サメに襲われる確率は800万分の1で、米国の宝くじ・パワーボールに当たる確率は、1億9500万分の1になるという。さらに、局地的な隕石、小惑星、彗星の衝突で死ぬ確率は160万分の1。宝くじに当たる確率よりも、隕石に当たって死亡する確率のほうが100倍以上高いという結果が出たそうだ。

—雑学総研. 大人の最強雑学1500 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.6039). Kindle 版.—

 〈年末宝くじの1等に当たる〉より〈隕石に当たって死ぬ確率が高い〉というのです。

 そんなバカな・・・、隕石に当たる確率という様な、何を分母に持ってきて、どういう変数を積算していくのか、変動幅の大きすぎるものを比較に持ってきてはいけません。いったいこれまで隕石に当たって死んだ人が世界中に何人いるというのでしょう。それと比較して宝くじの一等に当たった人たちは世界中に◯万人といるでしょう。

 こういうトンデモ話は別にしても、私たちの周りにはたとえば下の様な説明がたくさんあります。
 交通事故で死亡する確率との比較です。
 みなさんはこの中の、細かい数字の違いなどではなく、〈基本的な考え方の間違い〉に気づくでしょうか? ※先ほどの話はお金を出して買った電子書籍からでした。これは極普通のwebサイトなので、中傷になってはいけませんから、出典の明記は避けます

宝くじの当たる確率を例えて、イメージできるようにしよう

「宝くじが当たって、億万長者になりたいですか?」

と100人に聞いたとき、ほとんど全員が「なりたい!」と答えるのではないでしょうか?

しかし、「実際に宝くじを買っていますか?」

という質問になると、「はい」と答える人はかなり少なくなります。

その理由は、誰もが、宝くじが当たる確率なんて相当低い。買っても当たらないよ!

ということがわかっているからです。これはその通りなのですが、では実際にどのくらい低いのでしょうか?

それは、

1枚買って一等が当たる確率は、0.0000001(=0.00001%)

です。って、数字で言われてもいまいちイメージできないですよね。

具体的にイメージするには、宝くじの当たる確率を身近な確率に例えて考えてみるのがよいでしょう。

宝くじの当たる確率を面白おかしく例えたものはたくさんあります。

その中には「なんやそれは!(笑)」笑ってしまうものや「なるほどなぁ~、そう例えてきたか~」と感心するものも多くあり、そのような例えをまとめてみました。

そして、わたし自身でも宝くじの当たる確率を色々な確率と比べてみたので紹介したいと思います。

 

交通事故で死ぬ確率の1/300

ちょっと過激な例えですが、宝くじの1等が当たる確率は交通事故で死ぬ確率の約1/300だと言われています。

交通事故に遭うだけではダメですよ。死なないとダメです。

平成29年度、交通事故の年間死者数は約3,694人です(警視庁ホームページより)。日本の人口は1億2675万5千人です(総務省統計局ホームページより)。

よって、年間の死者数を日本の人口で割ると、

交通事故の年間死者数日本の人口
 =3,694126,755,000=0.00002914=0.002914%

これが一回死亡する確率ですね。まだまだ宝くじ1等が当たる確率(0.00001%)には届きません。

宝くじが当たる確率で交通事故で死亡する確率を割ると、

0.0029140.00001=291.4

となります。よって、宝くじで1等が当たる確率より年間に交通事故で死亡する確率の方が、約300倍高いということです。

 どうでしょう。
 web上にたくさんあるこういった比較、おそらくいろいろな本にもこういう比較がたくさんあることと思います。

 ところがこの確率は基本的な間違いを犯しているのです。

 どういう間違いなのか、一度かんがえてみませんか。

 続きは明日この場所で!

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たのしい算数・数学/宝くじに当たる確率の話

 〈確率〉についての講義をする時のこと、先生たちに「宝くじの当たりやすい販売所があるらしいんだけど・・・」と問うと、すぐに「あ、マックスバリューの宝くじ屋さんですね」という声が返ってきました。

 それがつまり学校で学んでいることが単にテストの点数を取るくらいの〈お勉強〉レベルにしかなっていない、生きる知恵となっていないことを表しています。

 たとえばサイコロを振ると、1の目が出る確率と4の目が出る確率は同じです。全ての目が同じなのです。
 もしも4の目が出やすいとしたら、それはサイコロに細工されているか、その目が出やすい様な別な細工をしていることになります。

 もしも当たりくじが出やすい販売所があるとしたら、それは何か細工されているということなのです。だとしたらイカサマ、インチキだということになります。それは考えられません。
 つまり宝くじというのはどこで買っても当たる確率は同じなのだという話。

 しかし確率の問題を解くことはできても、実生活ではその基本中の基本をすっとばしてしまう人たちが驚くほど多いのです。

 ネット上ではこういうサイトがたくさんあります。


 算数・数学を教える先生たちの中に、そういう問題意識つまり「テストの計算問題を解くことができるかどうか」を超えた〈生きて働く力・人生に役立つ力〉を育てようという問題意識が大切です。
 子ども達が確率の見方・考え方に感動してくれる様な教育、もっと学びたいと要求してくれる様な教育、それが決定的で、その力はを育てるには「たのしい教育」が一番です。

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たのしく学ぶ教師たちが沖縄の地でゆっくり着実に増えていく

 師走、RIDEでは一年の資料などの整理整頓も始まっています。基本的にペーパーは処分しPDF化する方向で進んでいるのですけど、捨てる前にはついついペーパーを手にして読み入ってしまいます。

 何ヶ月か前にライドの〈たのしい教育cafe〉に参加した先生たちの評価・感想にこういう文章が綴られていました。

 

 中の一つを書き取っておきましょう。

 日々、学校で忙しく過ごしている中で久しぶりのたのしい時間でした。
 学校でさっそくやってみたいものがいっぱい!!
 英語の学習は、たのしくすすめていける内容でした。
 いっきゅう先生の新作プラン〈味と香り〉にはとてもびっくりしました。
 香りがないと、これほどまでに〈味〉そのものがわからなくなるなんて・・・
 簡単な実験で感動させてもらえるので、早くまとめて家庭科などで実施できたらと思います。
 マッキーノもたのしかったです。
 なんでもマッキーノにできるんですね。
 私もつくってみようと思います。
 今日もありがとうございました。

 たのしく学ぶ教師が増えれば、そこから何十倍もの子ども達の笑顔が広がります。
この活動はやめようと思ってもやめられません。

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たのしい教育の方法/世界標準の地図をもっと日本の子ども達に見てもらおう

 たのしい教育はおもしろおかしいことを言ったりするなど教育内容と本質的に関わらないもので盛り上げようというものではありません。それを学びたいという教師なら誰でも同じ様な授業ができる様な仕組みと手立てを準備した教育です。

 その具体的なものについては講座やスーパーバイズ等で学んでもらうこととして、今回はその教具を一つ紹介します。

 これは私いっきゅうが社会の授業についてをしているところです。「たとえば嘉手納基地を〈極東最大の基地〉と表現する時の〈極東〉というのは何か?」という話です。
 写真をみて、何か普通と違うものに気づくでしょうか?
 トトロがジ~っとのぞいているとか、そういうものではありません。


 地図が違います。

 日本の学校等で使われてる地図、つまり私たちが普通で見るものはこういう地図ではありません。こうですね。何が違うか?

 このことは以前も書いたことがありますが、日本なんだから日本を中心にという地図があってもよいのですけど、世界レベルで考えたり、世界の歴史・日本の歴史をみていく時には、明らかに世界基準の地図の見方が重要です。

〈極〉というのは〈きわめる/きわまる〉というイメージの言葉です。北のきわまりが北極、南のきわまりが南極です。
 世界基準でみれば日本は、そこから先は大海原が広がる〈東の果て/東にきわまった地〉といってもよいのです。

 日本から見るとやはり西側の大陸は魅力溢れる地でした。
 近くの中国からよいものを学ぶだけでなく、はるかヨーロッパのスペインやポルトガルとの交易もとても大切なものでした。

 学校でみる日本標準の地図では「どうして西の果てのスペインやポルトガルと交易するんだろう」という感じがするのは子どもの頃のわたしだけではないでしょう。そうではなく、世界の中心がスペインやポルトガルといったヨーロッパだったのです。だとしたら世界標準の地図そのものでイメージした方がずっとわかりよい。


 この地図は随分以前に研究所で数枚作ったものの一つで、すでに他のものは残っていません。RIDE教材の安定供給をテーマにした話し合いで、ボランティアスタッフが安定供給できる様に準備をはじめてくれています。
 市販の地図を切り張りしたものですから美しさの面ではかないませんが、そこから学びとる内容は遥かに高いものがあります。日本標準の世界地図と並列して掲げておくのもよいと思います。
 欲しい方はお問い合わせください。
 送料込みで600円程度では郵送できると思います。届いたものを100均のスチールボードなどにはりつけるとよいですよ。

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